アニメで楽しむ!「四畳半神話体系」
アニメ「四畳半神話体系」をご存じですか?森見登美彦の小説が原作です。アニメというよりアートと呼ぶに相応しい絵と独特な言い回しのナレーションで唯一無二の世界が演出されています。大人が楽しむアニメですね。ここでは、その魅力を解説していきます。
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アイキャッチ画像出典:articleimage.nicoblomaga.jp
著:森見登美彦さんの紹介
出典:omoshii.com
奈良県生駒市出身。ペンネームは本名の姓「森見」に、この地にゆかりの深い登美長髄彦を合わせてできたらしいです。
2003年、在学中に執筆した『太陽の塔』で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、小説家デビュー。2006年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞、本屋大賞(2位)などを受賞し注目を集めました。2006年、会社の枠を超えた書店員有志による応援団「まなみ組」が結成されており、独自の販売促進が行われています。オリジナルの販促グッズ等が用意され、フリーペーパーも発行されています。2011年8月より、体調不良のため作家としての活動を一時休止していましたが、2013年、3年ぶりとなる長編小説『聖なる怠け者の冒険』を出版しました。
出典:vokka.jp
以前、私が個人的におすすめする作品の紹介を記事にしたので、参考にしてみてください。
「四畳半神話大系」
書き下ろしで太田出版より2005年1月5日に刊行、文庫版は2008年に角川書店(角川文庫)より刊行されました。2010年には『ノイタミナ』にてテレビアニメ化されています。京都市を舞台に、京都大学3回生の男子学生が、1回生時に選んだサークルによって自らの大学生活をいかに変えていったか、その可能性を描く一人称小説です。小説では、独立した4話から構成されています。『太陽の塔』によるデビュー後、太田出版の編集者から「ウチで『太陽の塔』みたいなくされ大学生が出てくる作品を書いてほしい」と持ちかけられたのが執筆のきっかけだといい、舞台設定などは『太陽の塔』と似通っているようです。『太陽の塔』との大きな違いは、並行世界の要素が取り入れられている点です。各話で「私」は異なるサークル・組織に所属するが、結末や登場人物が共通・関係しあっており、第4話で「私」は並行世界を横断することになります。物語の最後に並行世界であることが明かされる展開ではなく、各話の書き出しが統一されているなど、各話が全て並行世界であることを前提に描かれています。そこに気付かないと小説が面白くないので、それを意識して読んでみて下さい!
第1話:四畳半恋ノ邪魔者 - 映画サークル「みそぎ」に入った場合の物語
第2話:四畳半自虐的代理代理戦争 - 樋口に弟子入りした場合の物語
第3話:四畳半の甘い生活 - ソフトボールサークル「ほんわか」に入った場合の物語
最終話:八十日間四畳半一周 - 秘密組織「福猫飯店」に入った場合の物語
アニメ「四畳半神話体系」
小説にはない設定、視覚聴覚で感じる森見登美彦の世界観を楽しむことができます。小説からイメージされるものがきちんと表現されているように感じます。アレンジされている場面もありますが、それもそれで面白いです。
視覚と聴覚で感じる世界観
個性的な登場人物
たくさんの個性的な登場人物がいます。ここでは、そのうちの最もメインとなる登場人物を紹介していきます!
この物語の主人公であり、語り手です。農学部に所属する大学3回生で、元浪人生。下鴨幽水荘に住んでいます。プライドと理想は高いのですが、非活動的で社交性の低い地味な青年。大学入学を機にサークル活動を通じて「薔薇色のキャンパスライフ」を目論むも、小津とともに不毛で無意義な大学生活を送る破目になっていきます。ある女の子に恋して、お話が進んでいきます。
「私」の宿敵であり盟友である人です。偏食家であるため顔色が悪く、妖怪に例えられるほど不気味な風貌をしています。3度の飯より悪行が好きな天邪鬼で、他人の不幸をおかずに飯が3杯食える。しかし立ち回りが巧く、多くのサークルや組織に所属して京都中に広い人脈と情報網を築き、「私」とは対照的に無意義な学生生活を存分に楽しんでいます。樋口を熱心に師事し、何事においても樋口の弟子であることを優先しているようです。意外にも恋愛に関しては一途で、実はみんなから憧れている小日向さんと付き合っています。多くのサークルに所属することから、「私」はどのサークルを選んでも小津と巡り合い、悪友となる。小津いわく私とは「運命の黒い糸」で結ばれた運命共同体なのだそうです。
小津が「師匠」と呼び慕う自由な人です。大学8回生。常に悠然と構えていて、神秘的な気配と高貴さと暢気な笑顔を湛えています。「弟子」を取り、ほぼ彼らからの貢ぎ物だけによって生活しているようです。「私」と同じ下鴨幽水荘に住んでいます。
出典:style.fm
「私」と小津の、1年下の後輩で、工学部建築科に所属しています。理知的でクールな黒髪の乙女であり、歯に衣着せぬ物言いで周囲を寄せ付けない雰囲気を持っています。蛾だけが唯一の弱点で、蛾を前にすると「ぎょええええ」と漫画のような悲鳴を上げて取り乱し、お気に入りの「もちぐま」を握りしめます。彼女が1回生の夏に下鴨神社の古本市で2回生の「私」と出会っていて、私はそこで恋に落ちた様です。この恋が成就するのか、しないのか、そこにも注目ですね!
合間に見える他の作品
これは、「夜は短し歩けよ乙女」ですね!この「四畳半神話体系」の著者、森見登美彦さんの作品です。知っているとなんだか「あ、見つけた!」と、嬉しい気分になります。アニメの中に、途中で出てきます。他にも、森見登美彦さんの他のお話に出てくる組織やものが出てくるので、他の本を読んだことのある人は「あ、これは他の本で見たことがある!」というものが見つけられると思います。
猫ラーメン
出典:choitoko.com
下鴨神社界隈に出没する屋台ラーメンです。「猫でダシを取っているとの噂があるが、味は無類である。」無口な店主は自虐的代理代理戦争の立会人であり、アニメ版では樋口・羽貫・城ヶ崎と同回生であったという設定となっています。森見登美彦の長編小説『太陽の塔』から登場する食べ物です。
カステラ
「私」にとって生きるためのエネルギー源となるカステラです。このカステラがふわふわで、見てるだけでカステラを食べたくなっちゃいます。実際、このアニメを見ているときにカステラが食べたくなり、買いに行きました!
百聞は一見に如かず!
百聞は一見に如かず!とにかくまずは見てみて下さい。森見登美彦さんの作品を小説で読んだことがない人はこの世界観を感じてみて下さい。作品を読んだことの人は、小説を想いだしながら、さらに楽しむことができると思います!
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この記事のライター
栄養学を勉強している、都内の女子大生。お料理、お菓子作りが大好きです☆☆最近は、家のキッチンで、レシピやメニューを考えることにはまっています!記事はグルメを中心に、ファッションやライフスタイルなど、幅広く書いています!