【読んでおきたい日本文学】樋口一葉おすすめ4選
非常に短い生涯で、多くの作品を残していない樋口一葉の文体は古典的で読みづらいという話をよく耳にします。
しかし、一度読み始めてしまうと案外簡単にしかも楽しく読めるのが一葉です。
今回は有名作品のなかでも注目してほしいポイントを挙げながら紹介していきます。
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樋口一葉とは
樋口一葉は、4,5歳の頃から草双紙を読んでおり、小学校では四書の素読をしていました。
しかし、3年半で学校をやめてしまいます。
父と母の教育方針の違いによって進学をすることもできなかったのです。
そんな一葉は下田歌子に和歌を学び、後世にまで語り継がれる作品を残したのです。
たけくらべ
樋口一葉と言ったら『たけくらべ』を思い起こす人も多いでしょう。
作中のテーマは「禁じられた恋」というよりかは単純に「初恋」というべきかもしれません。
吉原の遊女として働く運命を背負った少女、美登利と寺の息子として生まれ僧侶になる信如は全く異なった世界に生きていることや親同士の揉め事のせいで素直になれることができないのです。
異なった環境で二人の間にも大きな亀裂が入ってしまうのですが…
二人の関係性には「常に他者の視点」が注がれているというポイントに気を付けて読んでもらいたいです。
また、どうしても文体が苦手で読めないという人にはこちらの現代版をおすすめします。
にごりえ
にごりえのテーマは「つれない相手」を思うことの虚しさです。
遊郭のお力は結城というお客の男性が好きでした。
しかし、源七というお力のなじみ客は家庭が崩壊していくまでお力にハマってしまうのです。
この泥沼の状態の結末は悲惨です。
この作品で最も重要なのは結城という人物の視点です。
結城は物語の重要な人物であるのにも関わらず第三者の視点をもっています。
現代の男女関係にもこんな泥沼もあるはずです!
人生の知恵として是非一度読んでみてください。
十三夜
この作品は「古き良き時代」がテーマになっています。
お関は夫の精神的虐待に耐えかねて家を飛び出します。しかしお関には太郎という息子がいました。
太郎をおいて十三夜に一人で実家に帰ったお関でしたが、父に諭されて太郎の母として強く生きなければいけないことに気付くのでした。
その帰り道に、乗った車を引いていたのが初恋の相手録之助でした。
録之助はお関が結婚してからというもの怠惰な日々を送っていました。
しかし、この出会いによってお関は大きな一歩を踏み出すことができるのですが…
その一歩が何かは是非読んで確かめてください!
女性が自由でなかった時代、同様に男性も自由ではなかったという事実を感じることができるはずです。
軒もる月
忘れられない人は誰にでもいるはずです。
この作品は「逃れられない過去との葛藤」を描いています。
袖はかつて小間使いとして雇われていた殿の存在を忘れられません。
しかし袖には子供も夫もいるのです。
袖は殿から届く手紙を開かずに自分のなかで葛藤をしています。
ある晩、袖は手紙を開くことを決意します。
彼女がどんな気持ちで手紙を開いたか、忘れられない人を思い出して読んでみてください。
現代にも続くテキスト
一葉は短命でしたが、彼女の残した作品は現代にも通じるものがあります。
叶わない恋や、忘れられない恋を題材にしたものが多いですがこれらの作品から学べることは多いはずです。
いま、恋で悩んでいる人は是非樋口一葉の作品を手に取ってください。
時代を超えて得られるヒントが必ずあるはずです。
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この記事のライター
カープ女子が流行る中、15年間貫いている鷹ガール。(20)好きなお酒はビールと純米酒。好きなものはフリフリとピンクのもの。趣味は野球観戦。学部は文学部。The掴めない系女子。