家の断熱性を高めるには
夏になると耐えがたいほど暑くなる部屋には悩まされます。暑さ対策をつきつめていくと、家屋全体の断熱・遮熱性を再検討することも重要になります。ひとつのお部屋の涼しさをアップさせるだけならともかく、家屋全体の改修となると、場合によっては大規模な工事になるでしょう。しかし、基礎的な知識を得ておくことも無駄ではないでしょう。
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寝るために知っておきたい基礎的な知識
猛暑の夏に耐えがたいほど暑くなるお部屋には悩まされますが、根本的な暑さ対策をつきつめていくと、家屋全体の断熱・遮熱性を再検討することも重要になってきます。ただし、ひとつのお部屋の涼しさをアップさせるだけなら自分でもできる小規模なプチ・リフォームが可能ですが、家屋全体の改修となると、場合によっては大規模な工事になるでしょう。しかし、どのような改修工事を行うとどのような効果が期待できるのか、実際に施工を行うか否かはともかく、基礎的な知識を得ておくことも無駄ではないでしょう。
塗って涼しくする「断熱塗料」の可能性
外壁などを塗装する際、近年は涼しさをアップさせるための「断熱塗料」が方々で使われています。この種の塗料にはセラミックが用いられていて、赤外線を反射する性質を利用して断熱効果をあげているのです。また断熱と同時に遮音の力もあるので、ご家庭に楽器がある場合などは外壁塗装の際に有力な候補して検討するのがよいでしょう。また不燃性なので火災にも強く、建物じたいの耐久力をも増してくれます。もちろん一般的な家屋には、壁の中に何らかの断熱材が用いられていのが普通ですが、断熱塗料で外壁を塗ることで断熱力を一層高めると期待されています。
「吹き付け式」のウレタンフォームで家を丸ごと涼しく
断熱材というと、通常は壁に埋め込まれる板状の建材を思い浮かべるでしょう。これに対して「現場発泡ウレタン」というものがあります。材質的には硬質ウレタンフォームの一種ですが、建材の形をなしているものではなく、泡状の素材を現場で吹付けして施工するものです。あとから隙間を充填するという使い方ができるため、中古住宅のリフォームに向いているのです。したがって、断熱性の弱い壁が気になる、という場合に工事ができるメリットがあります。特に現場発泡ウレタンが活躍するシーンは「天井裏」でしょう。立ち上る熱を遮断して、家屋全体を涼しくすることが期待できるのです。
家の衣装「外装用サイディング」にこだわる
家屋を丸ごと包むようにして存在しているのが外壁ですが、その一番の表層で、つねに風雨にさらされているのがサイディングです。サイディングとは、下見板ともいわれ、現在さまざまな種類の製品がつくられています。。一般的な種類にはセメント、金属、木材、樹脂などを主原料にしたものがあります。それぞれの種類には一長一短があり、たとえば耐火性ならセメント、軽量と耐久性なら金属、メンテナンスの容易さでは木材が有利です。しかし近年は断熱材などを組み合わせて性能を向上させた複合的な製品が多く使われていて、特に断熱性という点に注目するなら、芯材に硬質発泡ポリウレタンを使った金属サイディングが注目されています。
マイホームの「頭寒足熱」なら瓦屋根
家全体で、太陽の熱の影響をもっとも直接的に受けるのは屋根でしょう。特に2階部分は、屋根の素材の違いによっては非常に熱くなります。屋根の材質として一般的なのは、粘土質の日本瓦やセメンのト瓦、セメントに繊維を混ぜてつくられたスレート、金属などです。近年は現代的な建築や洋風の建築が主流になっていて、丈夫でありながら重量が軽いという金属製の屋根が多くなっています。けれども、夏の涼しさを追求するなら、実は日本瓦がベストなのです。古くから夏の暑さ対策を基準にしてきた日本の建築ならではの能力といってよいでしょう。ただし日本瓦の屋根は重量があり、メンテナンスが大変という面もあります。
夏を乗り切るためのプチ・リフォーム
夏を涼しく乗り切るためのプチ・リフォームという視点から、お部屋の中のさまざまな改良ポイントを検討しても、家全体が熱をためこむ問題をかかえているとしたら、本格的な改善策も検討してみるのもよいでしょう。ただ、どのようなリフォームであれ、断熱性という点だけを追求するのではなく、耐久性や耐火性、メンテナンスの容易さ、費用対効果という複合的な条件をよく考えて、生活スタイルや将来設計を見越して計画をたてることが大切です。
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この記事のライター
藝術文化系のコラム、論評の執筆を多くこなしてきました。VOKKAではインテリアなど、アートに関わる記事を中心に執筆しています。