窓の外の熱をクールダウン
夏場になると太陽の光を遮っても、冷房を強めにつけても中々室内の温度が下がらないなんてことがある方も多いことでしょう。そんな時は外の温度を下げてみてはいかがでしょうか。今回は家の外の温度の下げ方についてご紹介します。
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部屋の外にも対策を
夏場にお部屋の温度を上昇させる最大の要因は窓から入ってくる熱です。そのため、窓にポイントを絞って断熱性の高い工夫を凝らすことで、お部屋を涼しくすることができます。しかし、そもそも「窓の外」が異様に暑いという環境があるのであれば、その要因を放置して窓の断熱性ばかり高めてもあまり効果的とはいえません。「直射熱」や「輻射熱」はカーテンやすだれで低減できますが、地表などからの「反射熱」を低減させるには、窓の外の環境を改善する必要があります。
保水性の高いベランダ用マットを使う
リビングにある大きな窓から入ってくる日差しは気持ちがいいものですが、夏の暑い時期になると、リビングの空気を上昇させてしまいます。特にマンションなどの場合はコンクリートで固められたベランダだったりするため、太陽光の反射熱が非常に大きくなります。そこで、ベランダに敷くマットを検討しましょう。ベランダ用のマットは多種多様ありますが、夏の反射熱対策を考えるなら「保水」機能をもった製品です。マットが水分を吸収し、浸透する力をもっているため、暑い昼下がりにマットに水をまくとひんやりするのです。最近の保水性マットはブロック型でつなぎ合わせるタイプが人気で、広さに合わせて敷き詰めることができます。
緑のカーテンで自然の涼を楽しむ
ベランダや中庭の照り返しを緩和する工夫をしたなら、ガーデニングに挑戦してみるのはいかがでしょうか。本格的なお庭でなくても、ベランダでも手軽に植物を栽培しながら涼をとることができます。プランターでは、蚊が嫌うとされるゼラニウムや、ゼラニウムを改良したシトロネラゼラニウム(蚊連草)などが防虫対策になるでしょう。ツル植物で「緑のカーテン」を楽しむのもよいでしょう。代表的なアサガオのほか、ゴーヤやヘチマ、キュウリなど収穫を楽しみにできるものもあります。また近年はツル植物そっくりに人工的につくられた商品もあり、栽培は難しいという人にぴったりです。
日本人ならコレ。打ち水で涼をとる
日本には昔から、夏の暑さの解消策として「打ち水」の習慣があります。打ち水とは、日差しで熱くなった地面に水をかけるという単純な営みですが、地面で水が蒸発する際に熱が奪われるという原理を利用した生活の知恵なのです。リビングの窓からの熱い日差しが悩ましいというときは、すぐにエアコンのスイッチを入れる前に、窓の外の地面に打ち水をすることを習慣にしてはいかがでしょうか。「日本水フォーラム」が主催している「打ち水大作戦」では「水道水を使わない」ことをルールにするなどエコに徹していますが、広い庭があるような家庭には自動的に広範囲に散水してくれるシステムを導入するのもいいでしょう。
ベランダやバルコニーにグレーチングの床を
暑さがこもりがちなベランダやバルコニーを涼しくする工夫はいろいろありますが、自宅の本格的な改良・リフォームを考えるなら、床面の素材や構造そのものを見直してみるのもよいでしょう。特に、夏場に熱がこもる性質を一挙に解消してくれるのが、床面に「グレーチング」を使うという発想です。グレーチングとは、側溝のフタなどにに使われる網状の用材です。従来のグレーチングは主に金属で頑丈につくられているため重いのが難点でしたが、近年はFRPでつくられた軽い製品を切り売りで手軽に購入できるようになっています。人が歩く上ではまったく問題のない強度があり、半透明状のおしゃれなカラーも選べるため、人気が高まっています。
一番の近道は外の温度を下げること!?
窓の外の環境も多種多様で、改善できる場合もあれば、難しい場合もあるでしょう。打ち水をしたり、なんらかの庇をつけて日陰をつくる程度なら誰でも無理なく簡単にできるでしょうが、重要なことは、「熱を下げる」あるいは「熱を遮る」ための工夫をするだけでなく、熱がこもってしまう原因を取り除くことが最も基本的なことです。たとえばエアコンの室外機が、窓のまわりに排気の熱風をよどませる原因になっていないか、ということです。まずは窓の外まわりに通気をさまたげる要因がないかをチェックしてみましょう。
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この記事のライター
藝術文化系のコラム、論評の執筆を多くこなしてきました。VOKKAではインテリアなど、アートに関わる記事を中心に執筆しています。