扇風機を賢く使い回して「風の達人」になる!
今でも、昔ながらの扇風機の存在は欠かせません。扇風機は暑くなった部屋で回しても涼しくならず、押入れにしまいっぱなしにしている人もいるのではないでしょうか。しかし、お部屋の中を空気がどのように動いているのかを理解すると、ただ「風を起こす」だけの扇風機も、とても大きな効果をあげることができるのです。
- 21,170views
- B!
今でも残る扇風機の哀愁
ふだんエアコンに頼りっきりの生活をしていると、昔ながらの扇風機の存在をつい忘れてしまうかもしれません。扇風機は、機能的にはただ風を起こすだけですから、暑くなった部屋で回しても涼しくならず、押入れにしまいっぱなしにしている人もいるのではないでしょうか。しかし、お部屋の中を空気がどのように動いているのかを理解すると、ただ「風を起こす」だけの扇風機も、とても大きな効果をあげることができるのです。風の動きを賢く読んで、扇風機使いの達人になってみましょう。
扇風機は2台以上用意しよう
エアコンへの依存を低減するために扇風機をフル活用しよう、と思ったならば、まずは扇風機を最低2台用意しましょう。ひとつのお部屋の中で2台の扇風機を併用することで、外気を取り込むと同時にお部屋の空気を外に出すことができるからです。外気がお部屋の温度より低い場合、ひとつの窓から扇風機で風をとり入れて、別の窓から外に風を送ってあげるのです。こうすることでしばらくすれば、外気とお部屋の空気が循環し、涼しくなってきます。また、さらに数を増やして廊下や隣の部屋にも設置すると、家の中をダイナミックに風を循環させることができ、効果がアップします。
エアコンと扇風機の併用で冷風を無駄にしない
扇風機があればエアコンは不要、ということになればいいのですが、さすがに猛暑の日などはエアコンを頼りにすることもあるでしょう。そんなエアコン生活の中でも、実は扇風機が活躍することもあるのです。ひとつの空間の中にある空気の温度は一定ではなく、暖かい空気ほど上に昇っていきます。したがってエアコンで冷やされた空気は、通常は下のほうにたまってしまう傾向にあり、足元は涼しいのに頭がまだ暑い、という現象が起きます。そんな場合には扇風機の首をなるべく短くし、床面から天井方向に向かって風を送ってあげるようにすると効果的です。下方にたまりがちな冷たい空気を部屋に拡散してやるのです。
扇風機が簡易クーラーになる!?
扇風機はもともと単に風を起こすだけの機械ですから、暑い部屋で使っても効果を発揮できません。そこで、暑いお部屋で涼しさを生み出す工夫をしてみましょう。簡便な方法に、保冷材を利用するものがあります。これは、扇風機の前面に保冷材を取り付け、扇風機を回すだけ、といういたってシンプルな方法です。取り付けるには、ネット状の小物入れのような容器を針金などで縛りつけるのがよいでしょう。エアコンにははるかに及びませんが、扇風機の前で風を受けるとひんやりしてくるでしょう。この方法は近年注目されていて、専用の商品も販売されています。一度試してみてはいかがでしょうか。
狭いお部屋でも使える扇風機
扇風機は賢く使うといろいろと便利なものですが、エアコンと違って床面に置くとどうしても日常的にジャマになってしまうこともあります。特に狭いお部屋でのひとり暮らしの身には、あれこれ家財がある上に扇風機も回っていると生活しづらいものです。そんな「省スペース派」には、窓に取り付けるタイプや卓上型、壁掛けタイプの扇風機、あるいはクリップ式の扇風機といったものもあります。クリップ式の扇風機は、強度の問題があるためどうしても小型の製品になりますが、一人暮らしの小規模な環境では大変融通のきく便利な扇風機です。はさむ場所がないという場合は20センチ程度に切った角材を打ち付ければどこでも使えるようになります。
エアコンに頼らず環境に優しい生活を
なるべくエアコンに頼らず、扇風機を賢く使った生活を心がけると、どうしても風の取り込みや排出、そして空間の中の空気の流れを意識せざるをえなくなります。最初は厄介に感じられるかもしれませんが、こうした空気の流動を考える習慣が身につくことが、あえて扇風機を使うことの最大のメリットかもしれません。お部屋の中にとどまらず、家屋全体の空気の流れがわかってくると、湿気がたまりやすい部分や乾燥しがちな部分といった問題点も見えてくるようになり、その知恵は梅雨時のカビの事前防止にも役立つからです。
この記事のキーワード
この記事のライター
藝術文化系のコラム、論評の執筆を多くこなしてきました。VOKKAではインテリアなど、アートに関わる記事を中心に執筆しています。