フェイスプルの種類とやり方|ダンベル・チューブ・バーベル・ケーブルの三角筋後部筋トレ
フェイスプルは効かせるのが難しい三角筋後部のトレーニングのなかでも比較的動作が簡単で初心者向きの筋トレ方法です。そのやり方をダンベルフェイスプルを中心として解説するとともに、チューブ・バーベル・ケーブルを使った各種バリエーションもご紹介します。また、筋トレ目的別に適切な負荷重量回数設定も解説していきます。
- 50,960views
- B!
アイキャッチ画像出典:www.pinterest.jp
フェイスプルが効果のある筋肉部位
三角筋は上腕最上部に位置する筋肉で腕を上方に押し出す作用があり大胸筋と共働します。また、前部・中部・後部の三部位に分けられますが、それぞれの作用と共働筋は以下の通りです。
○三角筋前部
腕を前に上げる作用があり、この動作では僧帽筋と共働します。
○三角筋中部
腕を横に上げる作用があり、この動作では僧帽筋と共働します。
○三角筋後部
腕を後ろに上げる作用があり、この動作では広背筋と共働します。
フェイスプル、なかでも三角筋後部に集中的な効果があります。
なお、さらに詳しい全身の筋肉名称と作用については下記の記事をご参照ください。
▼関連記事
ダンベルフェイスプルのやり方
こちらが、ダンベルフェイスプルの模範的な動画です。この動画のようにインクラインベンチにうつ伏せになって行うやり方が、三角筋後部に意識を集中できるのでおすすめですが、器具なしで上半身を斜めに構えて中腰で行う方法もあります。
■ダンベルフェイスプルの正しいやり方
1. 上半身を斜めにしてダンベルを下ろして構えます。
2. 肩甲骨を寄せずに肩に向けてダンベルを引き上げます。
3. 肘を張り出し顔に向けてダンベルをさらに引き上げます。
4. ゆっくりと効かせながら同じ軌道で元に戻ります。
■ダンベルフェイスプルのポイント
1. 肩甲骨を寄せずに行う
2. 完全にコントロールできる重さで行う。
3. 肘を先行させて動作する
ダンベルフェイスプルは、重量を追求する種目ではなく、完全にコントロールできる重量でしっかりと確実に三角筋後部に効かせる種目です。また、肩甲骨を寄せる動作を加えると、負荷が僧帽筋に逃げてしまうので注意してください。
なお、肘を先行させるイメージで動作を行うと負荷が背筋にかからず三角筋後部にかかりやすくなります。
参考にした公的サイト
フェイスプルの目的別の重量回数設定
筋トレで鍛える筋肉=骨格筋には三種類の筋繊維があり、それは、以下のようになります。
○遅筋(持久筋・SO筋・赤筋)
持久的な運動および筋収縮の主体となる筋繊維の種類が遅筋です。収縮する速度が遅く(Slow)、酸素(Oxygen)をエネルギーにして収縮することからSO筋と呼ばれています。筋トレにおいては、20回以上の反復回数で限界がくるような低負荷・高回数でトレーニングします。
○速筋(短瞬発筋・FG筋・白筋)
10秒以内の瞬発的・爆発的な筋収縮の主体となるのが、速筋のなかでも短瞬発筋と呼称される筋繊維です。この筋繊維は、収縮速度が非常に速く(Fast)、筋細胞内のグリコーゲン(Glycogen)をエネルギー源として収縮するのでFG筋とも呼ばれます。筋トレにおいては、10回以下の反復回数で限界がくるような高負荷・低回数でトレーニングします。
○速筋(長瞬発筋・FO筋・ピンク筋)
やや持久的な1分ほどの筋収縮の主体となるのが、もう一つの速筋である長瞬発筋と呼ばれる筋繊維です。収縮速度が比較的速く(Fast)、呼吸による酸素(Oxygen)をエネルギー源とするためFO筋とも呼ばれています。筋トレにおいては12~15回の反復回数で限界がくるような中負荷・中回数でトレーニングします。
つまり、ダイエット目的で身体を引き締めたい場合は20回、細マッチョトレーニングなどで適度に筋肥大したい場合は15回、本格的に筋肉を増やすトレーニングでは10回で反復限界がくる重さの設定でトレーニングを行ってください。
ベンチなしでダンベルフェイスプルを行う方法
ダンベルフェイスプルは、インクラインベンチを用いるのが最適ですが、ベンチがない場合はこの動画のように、台などに片手をついて上半身の斜め体勢を作って行うことも可能です。
チューブフェイスプルのやり方
フェイスプルはトレーニングチューブを使っても行うことができます。チューブトレーニングは、ゴムの持つ漸増負荷特性(伸びるほど負荷が増す特徴)によって筋肉を仕上げる・追い込むのに適しています。自重・ダンベルを使った三角筋トレーニングの後の最終種目としておすすめです。
なお、トレーニングチューブは単品で揃えると割高になりますので、最初から強度の違う複数本がセットになったものがリーズナブルです。下記の記事では、実際に筆者のジムで使用しているトレーニングチューブの試用レポートを公開していますので、是非、ご参照ください。
▼参考記事
筆者の運営するジムの備品としても実際に使用している「Patechトレーニングチューブ」をご紹介します。非常に使い勝手がよく、機能的なハンドルやアタッチメントも付属しているのでおすすめです。■Patechトレーニングチューブの概要●強度の違う
バーベルフェイスプルのやり方
バーベルフェイスプルの最大のメリットは、両手でウエイトを扱うことにより、より高重量で安定して三角筋後部を鍛えられることです。ただし、あまりに重量を追求するのは禁物で、確実に正しいフォームでできる範囲で重量設定を行ってください。
ケーブルフェイスプルのやり方
ケーブルフェイスプルは、ジムでの三角筋後部トレーニングの仕上げにおすすめの種目で、ケーブル筋トレの特徴である「動作中つねに均一の負荷がかかり続ける」ことにより、効率的に三角筋後部を仕上げることがでます。
動作ポイントについてはダンベルフェイスプルに準じて行ってください。
ポイントは、肩甲骨を寄せないことと、肘を先行させて動作を行うことです。
フェイスプルにおすすめの筋トレグッズ
三角筋トレーニングで注意したいのが肩だけでなく手首への負担ですが、リストラップと呼ばれるトレーニンググッズを手首に巻くことで、手首関節を保護・補強でき、効率的な筋トレを行うことが可能です。
また、三角筋のトレーニングは腰に対しても強い負荷がかかります。トレーニングベルトを巻いて腰を物理的にサポートするとともに、腹圧を高めて最大筋力を向上させる作用もあるトレーニングベルトの使用をおすすめします。
これら、おすすめの筋トレグッズやダンベル類は下記の記事にまとめてご紹介していますので、ぜひ、ご活用ください。
▼おすすめの筋トレグッズ
参照記事
参考にした公的サイト
この記事のキーワード
この記事のライター
アームレスリング元日本代表/ジムトレーナー/生物学博物館学芸員/一般社団法人JAWA日本アームレスリング連盟常任理事