ランドローバーのおすすめ人気車種・シリーズを徹底解説
四輪駆動車を専門にラインナップするイギリスのランドローバー。高級シリーズのレンジローバーを擁し、高品質・高耐久な車造りには定評があります。ランドローバーが展開するシリーズとおすすめモデルをご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.landrover.co.jp
過酷な世界を駆け抜けるランドローバーの4WD
歴史とモータースポーツ
19世紀後半にイギリスで創業したローバー社をルーツとして、1978年に設立されたランドローバー。第二次大戦後のローバー社時代に、オフロード用の多用途四輪駆動車として発表された「ランドローバーシリーズⅠ」がその歴史の端緒となりました。
そして1970年にはフルタイム4WDを採用したオールパーパスヴィークルの「レンジローバー」がデビューし、後に”砂漠のロールス・ロイス”と呼ばれることに。その機能的で優れたデザインはアートとして評価され、ルーブル美術館に収蔵されています。現在では世界各国のメーカーが高級SUVをラインナップしていますが、当時の「レンジローバー」は画期的なモデルでした。
現在はインドのタタモーターズ傘下にありますが、過去にはフォードやBMWなど親会社が度々変遷。2008年からは、同じくイギリス発祥のジャガーとともにジャガーランドローバーを構成しています。
イギリス王室からロイヤルワラント(御用達)を下賜され、王族をはじめセレブレティに愛用されることでも知られるランドローバー。ウィリアム王子が自ら「レンジローバー」をドライブするシーンを目撃されており、エリザベス女王も運転したことがあるといわれています。
ランドローバーのモータースポーツ活動として知られるのが、かつて世界一過酷なアドヴェンチャーレースと呼ばれていた「キャメルトロフィー」。このラリーレイドの車両サポートを行っており、「レンジローバー」や「ディスカバリー」などが使用されていたようです。そして「キャメルトロフィー」終了後は同様の過酷なラリーレイド、「ランドローバー・G4チャレンジ」を開催していました。
ラインナップ
ディスカバリーシリーズを2モデルと、レンジローバーシリーズを4モデルラインナップ。国内でデリバリーされるのは4WDモデルのみで、プラグインハイブリッド仕様も揃えます。
そしてハイパフォーマンスなSVO:スペシャル・ビークル・オペレーションズ仕様のコンプリートモデル3台も用意。ボディカラーやインテリアのレザーなど、ビスポーク(オーダーメイド)にも対応します。
代表的なテクノロジー
【オールアルミニウムボディ】
軽量・高剛性・耐衝撃性などを備え、アルミで製造されるモノコックタイプのボディシェルです。
【インジニウムエンジン】
連続インレット可変バルブリフトシステムや、デュアル独立可変カムシャフトタイミングなど先進の技術を採用。軽量・高出力・高効率・低燃費をハイレベルで融合した新世代のオールアルミ製エンジンです。
【オールテレインプログレスコントロール:ATPC】
時速1.8kmから30kmの低速域で作動する速度維持システムで、悪路走行時や障害物の回避などドライバーはハンドル操作に集中できます。
【ロートラクションロンチ】
ウェットコンディションや雪道など、低ミューの路面で前後輪のトルク配分を制御するシステムです。
【テレインレスポンス/テレインレスポンス2オート】
パワートレインを最適化する車両統合制御システム、2オートでは車両状態をモニターして自動的に制御されます。
【アダプティブダイナミクス】
車両状態を毎秒500回以上モニターし、ドライビングや走行状態に合わせて的確なロール制御を行います。
【ヒルディセントコントロール】
急勾配の下りにおいて各ブレーキを制御することで、安定した速度を維持するランドローバーの特許技術です。
【TOUCH PRO/TOUCH PRO DUO】
エアコンやナビ・インフォテイメントなど多彩なコントロールができ、コネクティビティも可能なタッチパネルディスプレイ。TOUCH PRO DUOは2画面で操作が行えます。
モダンなデザインの高級4WDモデルを揃えるランドローバー、そのシリーズとおすすめするモデルをご紹介しましょう。
ディスカバリーシリーズ
ディスカバリースポーツ
ランドローバーのエントリーモデルで、最もコンパクトなボディを持つ「ディスカバリースポーツ」。「PURE」から「HSE LUXURY」まで4グレードを揃えており、「SE」以上はオプションで7シーター仕様が選べます。
cd値0.36の優れた空力特性を持つボディは、モダンかつスタイリッシュなデザイン。搭載されるインジウムエンジンはガソリンとディーゼルを用意しており、高効率な9速ATが組み合わされます。テレインレスポンスやATPCをはじめとした車両制御システムを備え、卓越した走破性と安定性を発揮。上位グレードには各種のドライバーアシストや、左右独立式エアコンなども用意されます。
シンプル&クリーンな印象のインテリアはTOUCH PROを備え、統一感のある機能的なデザイン。多用途性に優れたラゲッジスペースはアレンジも多彩で、最大1698Lの容量を確保します。
【スペック例】
グレード :PURE
ボディサイズ :全長4610×全幅1895×全高1710(mm)
エンジン :2.0L-L型4気筒 240PS
トランスミッション:9速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :4,430,000円~
ディスカバリー
かつてのモデルが、キャメルトロフィーのオフィシャルカーとして使用されたこともある「ディスカバリー」。現行は5代目で「HSE」と「HSE LUXURY」の2グレードを用意しています。
「ディスカバリースポーツ」と共通した意匠のモダン&スタイリッシュなエクステリア。エンジンはハイパワーなインジウムガソリンとディーゼルを用意し、滑らかで俊敏なシフトフィールを持つZF製8速ATがセットされます。ATPCやテレインレスポンス2などの制御に加えて、低速ギヤを追加したトランスファーギアボックスを備え卓越した走破性を発揮。最大渡河水深は900mmで最大牽引能力は3500kgを実現しており、冒険に挑めるSUVです。
TOUCH PROを備えたシンプルでモダンなインテリアには、MERIDIAN製の高品質なサウンドシステムを装備。オプションでフルサイズ7シートを用意しており、各シートは全て個別に折りたたむことができるためアレンジも多彩です。7名乗車時でも250L以上のラゲッジスペースを確保、優れたユーティリティ性も併せ持ちます。
【スペック例】
グレード :HSE
ボディサイズ :全長4970×全幅2000×全高1890(mm)
エンジン :3.0L-V型6気筒 340PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :8,197,000円~
レンジローバーシリーズ
イヴォーク
コンパクトかつアヴァンギャルドなレンジローバーが「イヴォーク」。ボディは3タイプあり5ドア・クーペ・コンバーチブル、クーペとコンバーチブルはシングルグレードで5ドアには6グレードを用意します。
ご紹介するのは4人でオープンエアドライブを楽しむことができるSUVには珍しいコンバーチブル。Z型に格納されるソフトトップは走行中でも開閉することができ、僅か18秒でフルオープンになります。フェンダーやウェストラインが力強さを感じさせつつ、都会的な洗練されたエクステリア。軽量コンパクトな4気筒エンジンを搭載し、ATPCなどの制御システムによって高い走破性も兼ね備えています。
モダンでプレミアム感のあるインテリアにはデュアルビュータイプのTOUCH PROを装備し、ナビとDVDなど2つのコンテンツを同時に利用可能。スキーなどを積載するためにラゲッジとキャビンの間を貫通するスキーハッチもセット、コンパクトボディに多用性を凝縮した1台です。
【スペック例】
グレード :HSE DYNAMIC
ボディサイズ :全長4385×全幅1900×全高1650(mm)
エンジン :2.0L-L型4気筒 240PS
トランスミッション:9速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :7,680,000円~
ヴェラール
第4のレンジローバーとしてデビューした「ヴェラール」。エクステリアデザインの異なる2タイプがありそれぞれに4グレードを設定、ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー2018を受賞しています。
ご紹介するのは先鋭的なデザインが際立つエクステリアの「R-DYNAMIC」。デプロイヤブルドアハンドル※を備えるフラッシュサーフェスな面構成が印象的で、クーペのように絞り込まれたリヤエンドが革新的なスタイルを演出します。
ボディは軽量なアルミニウム構造を採用しており、エンジンはガソリンを3タイプとディーゼルを用意。テレインレスポンスやヒルディセントコントロールなどの制御プログラムも備え、オフロードの走破性を発揮するとともにオンロードの快適性も高めています。
シンプルで洗練されたインテリアは、細部までクラフトマンシップに満ちた高品質な空間。TOUCH PRO DUOを備えてより多彩なインフォテイメントに対応し、ウェアラブル仕様のアクティビティキーもオプションで用意します。
【スペック例】
グレード :R-DYNAMIC
ボディサイズ :全長4820×全幅1930×全高1685(mm)
エンジン :2.0L-L型4気筒 250PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :7,470,000円~
※デプロイヤブルドアハンドル:走行中は格納されるドアハンドル
スポーツ
モデルネームの通り最もスポーティなレンジローバーが「スポーツ」。5グレード展開でハイパフォーマンスな「SVR」もあり、PHEV仕様も揃えます。
ご紹介するのはSVO部門が手掛ける「SVR」で、ランドローバー史上最速のモデル。圧倒的な動力性能を有する5.0L-V8エンジンを搭載し0-100kmを僅か4.5秒で加速、最高速度は283kmに到達するパフォーマンスを発揮します。
軽量・高剛性なオールアルミニウムボディを採用し、最適化されたサスペンションなどによってハイレベルなハンドリング性能を実現。アクティブスポーツエキゾーストを備え、刺激的で獰猛なサウンドを響かせて加速します。
インテリアにはウィンザーレザーで仕立てられたSVRパフォーマンスシートを備え、ドライバーを的確にサポート。専用のエクステリアパーツを纏い、SVOのスペシャルカラーがセレクトできることも魅力的です。
【スペック例】
グレード :SVR
ボディサイズ :全長4879×全幅2073×全高1803(mm)
エンジン :5.0L-V型8気筒 575PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :16,810,000円~
レンジローバー
ランドローバー社のフラッグシップモデルが「レンジローバー」。スタンダードとロングホイールベースがありそれぞれに3グレードを用意、PHEV仕様も揃えています。
ご紹介するのはSVOが手掛ける最上級グレードの「SVAutobiography」で、200mmストレッチされたロングホイールベース仕様。ブランドを象徴するアイコニックなエクステリアは洗練を極めたモダンなデザインで存在感を発揮、見る者を惹きつけるオーラを放ちます。
フルサイズのSUVを軽々と加速させるV8エンジンを搭載し、テレインレスポンス2オートなどの制御技術も備えて高い走破性を発揮。電子制御エアサスペンションが路面に追従し、アダプティブダイナミクスがフラットで快適な乗り心地を提供します。
贅を凝らしたラグジュアリーなインテリアは、キルティング加工が施されたパーフォレイテッドセミアニリンレザーのシートがセットされる豪奢な空間。2座仕様のリヤエグゼクティブクラスシートを備え、乗車する4名のために贅沢でエクスクルーシブな時を演出、ショーファードリブンにも相応しい仕上がりとなっています。4ゾーンクライメートコントロールのエアコンや、MERIDIAN製のオーディオシステムなど装備も上質です。
【スペック例】
グレード :SVAutobiography
ボディサイズ :全長5200×全幅2073×全高1868(mm)
エンジン :5.0L-V型8気筒 565PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :28,660,000円~
ロイヤルワラントの高品質な4WD・ランドローバー
王族やセレブレティにも愛用され、その高品質が高く評価されているランドローバー。イギリス流のクラフトマンシップが細部まで行き渡り、走りも寛ぎも最上級のおもてなしを享受できるでしょう。
※ 掲載内容は執筆時点、スペック・価格等は参考で変更になる場合があります。
※ 画像とグレードは一致しない場合があります。
※ 一部日本仕様と異なる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。