業界調査 商社の10年間業績を比較してみた
今回は業界情報として、2004年度から2013年度における日本の大手商社の業績比較をしてみました。
項目としては売上高(金額及び伸び率)、当期純利益(利益率、および伸び率)、1株当たり配当金を抽出しました。どのようなランキングになったか見てみましょう。
(個人レベルのデータ抽出ですのでミスはご了承下さい。)
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商社の業界分析 対象企業と比較対象項目
①有価証券報告書から情報がとれる大手商社として以下の企業を抽出三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事、豊田通商、双日
②比較対象項目としては以下を抽出。いずれも連結ベースです。
売上高:売上結果
当期純利益:企業の最終的な利益。売上に対してどれくらいかという"利益率"が重要なため率を採用
(営業利益も対象としたかったが三菱商事の2013年度がN.A.のため対象外とする)
1株当たり配当金:1株持っているといくらもらえるか、という数値
売上ランキング
売上規模ランキング(2013年度)
2013年度の売上高ランキングは以下の通りです。
1.三菱商事 21.9兆円
2.伊藤忠商事 14.6兆円
3.丸紅 13.6兆円
4.三井物産 11.1兆円
5.住友商事 8.1兆円
6.豊田通商 7.7兆円
7.双日 4.0兆円
の順番です。
このなかでも三菱商事は21兆円と他社を大きく引き離す規模を獲得しています。
売上高伸び率ランキング(2004年度~2013年度)
売上高の伸び率のランキングは以下の通りとなります。
1.豊田通商 +9.8%
2.丸紅 +6.2%
3.伊藤忠商事 +4.9%
4.三菱商事 +2.8%
5.双日 ▲1.6%
6.住友商事 ▲2.1%
7.三井物産 ▲2.2%
となります。
合併や買収により売上高が増加している会社もありますが(豊田通商は2006年にトーメンを合併)、
結果としては上記のようになります。
利益ランキング
利益率ランキング(2013年度)
利益率のランキングは以下の通りです。
1.三井物産 +3.1%
2.住友商事 +2.7%
3.伊藤忠商事 +1.7%
4.三菱商事 +1.6%
5.丸紅 +1.5%
6.豊田通商 +0.9%
7.双日 +0.7%
となります。
売上高とは一転、三井物産や住友商事が上位に挙がってくることが特徴です。
筆者は個人的にはこうした規模を追わず、利益率先行型企業のほうが好きです。
利益率伸び率ランキング
利益率の伸び幅ランキングは以下の通りです。
1.双日 +9.5%
2.三井物産 +2.2%
3.住友商事 +1.9%
4.丸紅 +1.0%
5.伊藤忠商事 +0.9%
6.三菱商事 +0.6%
7.豊田通商 ▲0.2%
ここでは双日が1位の座に輝きました。
但し、これは2004年度は双日が誕生間近で利益率が低かったことが影響しており、だいぶ異常値です。
したがって継続的に上昇しているのは三井物産と住友商事です。
1株あたり配当金ランキング
1株あたり配当金ランキング
1株あたり配当金の金額の順位は以下の通りです。
1.三菱商事 68円
2.三井物産 59円
3.豊田通商 50円
4.住友商事 47円
5.伊藤忠商事 46円
6.丸紅 25円
7.双日 4円
ここでは規模の大きな三菱商事が一位となっています。
まとめ
今回は商社の業界を分析してみました。
(あくまで今回は数値結果しか見てないですが。)
従来型の商社は低利益率・高回転モデルであり、高い利益率を獲得するのは困難なモデルです。
そんな中、三井物産は利益率を改善しており、従来商社型から投資型企業へと変革した結果が数値に表れているように見えました。
いずれにしても、日本国家の対外利潤の稼ぎ頭の一つである商社が過去10年間成長・改善をしているという事実は非常に好ましく、今後も期待したいところです。
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この記事のライター
日本一即戦力な公認会計士、を目指しています。大手監査法人⇒米国留学⇒経営コンサル公認会計士&TOEIC900超に加え、最近は経営能力など、知の経験値稼ぎに絶賛邁進中。様々知識を身につけるべく、読書とグルメめぐり(一流レストランからB級まで幅広く)が大好物