公認会計士が教える数的センスを高める4つの方法
今回は数的なセンスを高める方法を伝授します。
なお、本稿は一般的な議論を中心とし、別稿では主に「エクセル」での数的センスの向上について解説します。
ちなみに、私自身特にソロバン経験者でもなく暗算術を身に着けた人間ではないので、普通に心がければできるものです。
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数的センスがあるってどういうこと?
数的センスや数字センスといった単語、みなさんもよく聞くと思います。但し、これらの単語の具体的な定義は実は曖昧ですね。ここではあくまでも一般的なイメージですが、「数的センスがある人=①暗算が早くて、②数字理解が早い」という点で解説させていただきます。
暗算を早く行うための手法① Quick and Dirty
暗算を早く行うための手法として、まず大事なことは「Quick and Dirty」です。
これはよくコンサルが仕事を行う際に上司にうるさく言われる単語で、「まずは大雑把でいいから早く」という意味です。暗算を早く行うというのはまさにこれで、「大雑把に早く計算する」ことが重要です。
では具体的にどうするの、というと簡単です。
適当に計算すること。
会議中に急に「2777÷3.5」という暗算をする必要があった場合には、
「2800÷4=700」と「2800÷3=900超」を計算し、発言する際には半分くらいの「800くらいです」
といえば対応できます。(正解は793)
もっとざっくり「700超です」と答えても誰も否定しないでしょう。
こういう対応がすぐできると、こいつ数字扱えるな、と思われます。
おそらく割り算のほうが苦手な方が多いと思うので、割り算から始めることをオススメします。
暗算を早く行うための手法② 自分の思考単位を持つ
暗算を早く行うために大事なことの一つとして、自分が考える際の単位をきちんと揃えること。
十億(billion),百万( million), 千(thousand)などの区切で考える癖をつけます。
私の場合は、仕事上は百万単位で考え、プライベートは千単位というのを決めています。
したがって10億円と聞いたらその場で1,000百万円と考えますし、50万円だったら0.5百万円にします。
こうすることで0が何個で、とか考える手間が省けます。
計算の遅い人はこの処理が苦手な人が多いです
数字理解を早くする手法①
まず数字理解を早くするためには、①母集団、②数字の大きさ、③パーセンテージ変化、④変化額、⑤寄与率などの異なる見方を身に着けることが有効です。
中でも意外とおろそかになりがちなのが、その母集団の定義。
たとえば、国内データなのか世界データなのか、生産データなのか販売データなのかなど、数字の意味合いが大きく変わるため母集団の定義はしておきましょう。
②の大きさと、③・④の変化を合わせて考えることも重要です。
⑤寄与率は全体への影響度合いを検討する際に重要な指標です。
上記の視点をバランスよく交えることができると「数的センスあるな」と見做されると思います。
数字理解を早くする手法②
ある一定の条件が変わり数字変化が生じた場合、他の数字も連動して変化することがよくあります。この際に変化するもの/しないものを見極めておくと、数字理解は圧倒的に早くなります。
このセンスを高めるには、「背景事象を考えながら数字をとらえること」、これに尽きると思います。
事象があるから数字があるのです。そしてその背景の因果関係を意識することが重要です。
難しいことを書いているようですが、慣れてくれば自然とできるようになります。
(やらなければずっとできないので、是非やりましょう)
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この記事のライター
日本一即戦力な公認会計士、を目指しています。大手監査法人⇒米国留学⇒経営コンサル公認会計士&TOEIC900超に加え、最近は経営能力など、知の経験値稼ぎに絶賛邁進中。様々知識を身につけるべく、読書とグルメめぐり(一流レストランからB級まで幅広く)が大好物