囲碁・将棋マンガがすごい!おすすめ作品決定版
今、メディアでは空前の囲碁・将棋ブームが訪れています。テレビでは、毎日のように囲碁・将棋関係のニュースやタレントさんが取り上げられて、もはや社会現象になっているとも言えるでしょう。そしてその影響は今、マンガ界まで到達しようとしています。今話題の作品は何なのか、また昔ながらの名作も織り交ぜてご紹介します。
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アイキャッチ画像出典:i.gzn.jp
囲碁・将棋マンガがアツい
最近、巷で囲碁・将棋という言葉を良く耳にしませんか?
藤井聡太四段の活躍から少年少女は皆プロ棋士を目指すだけでなく、社会人たちもその対戦結果に夢中となり、いまや囲碁・将棋は老若男女に大人気のコンテンツとなりました。その証拠に、その勢いはマンガ界までに押し寄せているようです。
棋士として己の実力だけで生き残らなければならないという世界では、ロマンや努力、涙が伴うアツい話ばかり。世の中には、それらの感動を絵で伝えようとしたマンガ家たちが描いた名作で溢れています。そんな囲碁・将棋マンガをまだ読んだことがないという人のために、今読むべき話題のマンガや名作を一挙まとめてご紹介します。
3月のライオン (羽海野チカ・作)
あらすじ
物語の主人公・桐山零は、プロ将棋士として生計を立てながら一人暮らしをしている17歳の高校生です。人とは違う人生に苦しみながらも、零は今日も頑張ります。そんなある日のこと、零は複雑な過去を持つ自分を引き取り将棋士として育ててくれた恩師と対局することになってしまいます。プロ棋士として、そして一人の男の子として、零はどんな対局をするのか―。プロ棋士と高校生の苦悩を同時に描く心温まる青春ストーリーです。
主人公・桐山零の魅力
いま、将棋マンガで大注目されているのが「3月のライオン」です。まだ高校生でありながらも、将棋社会に揉まれ、奮闘する主人公・零の姿を応援する読者が急増しています。
そんな零の魅力は何といってもその性格です。複雑な生い立ちや、他人と違いに苦しみながら戦う姿には励まされるばかりです。高校生でプロ棋士というと、最近世間の注目の的である藤井聡太四段が連想させられます。この漫画が始まったのは2007年なので、奇遇にも主人公と同じ境遇の若者が有名になってしまったということなりますね。実際に10代という若さから社会に帰属し、プロ棋士として生きていくということを考えるのは難しいですが、この漫画を通してその理解を深められることでしょう。
世間は大注目!
この「3月のライオン」はマンガ大賞、講談社漫画賞、手塚治虫文化賞など数々のコンクールで大賞を取るなど、世間で高い評価を獲得しました。最近ではアニメ化・映画化も果たし、今後の展開に注目があつまっています。
将棋というものを、人生という視点から考えさせられるオススメの1冊です。
ハチワンダイバー (柴田ヨクサル)
あらすじ
主人公・菅田健太郎は将棋のエリートが集う奨励会で生き残れ買ったおちこぼれでした。しかし、その強さはアマチュア界ではすさまじく、金を賭ける真剣士として全戦全勝の生活を続けていました。ところがある日、菅田は「アキバの受け士」という真剣士の噂を耳にし、刺激欲しさに挑戦しに行った結果惨敗してしまいます。唯一のプライドを砕かれた菅田は気晴らしにメイドお掃除サービスを利用するが、そこにメイドとして現れたのはまさかの「アキバの受け士」でした。
プロ棋士ではなく"真剣士"
将棋マンガの定番といえば「ハチワンダイバー」。ドラマ化を中心にメディアでも取りざたされ、一時期大きなブームとなりました。
少年が成長していくような王道のマンガではなく、一度おちこぼれた社会人が将棋という武器を手に裏の世界で大逆転するストーリーが特徴です。緊張感のある展開が持ち味で、作者の柴田ヨクサル氏がの描写にはいつも夢中にさせられてしまいます。将棋の知識がなくても、補えるような描写が細かくなされているので初心者の方でも問題はありません。
「カイジ」や「ライアーゲーム」のような実際にゲームの感覚を味わえるような展開が好みの方には是非オススメの一冊なっています。
マンガ読んで気に入られたようでしたら、是非ドラマ版もご覧ください。
ものの歩
あらすじ
何をやっても容量が悪い主人公・高良信歩。高校受験失敗を機に、一人暮らしを始めるはずが、手違いで将棋のエリートが集う奨励会専用のアパートに転がり込んでしまいます。ノロマだといじめられていた過去と未だに決別できない信歩ですが、将棋界のエリートたちに囲まれたことをきっかけに、その秘めていた才能をついに開花させることとなり―。
王道の将棋マンガ
少年ジャンプ出身の将棋マンガ「ものの歩」は、がんばる人を思わず応援したくなってしまう人には是非オススメの作品です。おちこぼれの主人公が将棋と出会い、その才能を開花させ成長していく姿を見ると、往年の少年ジャンプのストーリーラインと将棋の魅力が見事にかみ合っていると言わざる負えません。
この作品のもう一つの良さがその画力にあります。将棋の良さと言えば相手の陣を切り裂く一手が決まる瞬間なのですが、この「ものの歩」という作品はその瞬間を最も心地よく描いている作品の一つだと思います。
このマンガは逆境でも努力し続ける主人公を描く「アイシールド21」や「NARUTO」などを好む方にオススメの一冊です。
或るアホウの一生
あらすじ
嫌なことがあれば地団太を踏む主人公・高以良瞬。子供のころからのくせで、思いついたことは全部やるし全部言うことが習慣になってしまいます。そんな高以良はプロ棋士を目指すことになるのですが、いつになってもプロになれません。そんな負けっぱなしの人生に嫌気が指した高以良がとった行動とは―。
日本一マイペースな将棋マンガ
将棋マンガで今期待の作品「或るアホウの一生」。
従来の将棋マンガが取り入れていたようなアツい展開や、涙ぐむシーンがあるようなストーリーではなく、シュールな日常系のストーリーが特徴。特別強くもなく、特別イケメンでもない主人公だからこそ出せる日常が、将棋の世界観と絶妙にマッチしていて、主人公のその後が気になり、毎話夢中になってしまいます。
燃える少年漫画より、落ち着いて現実的なマンガが好きだという人にはぴったりの一作。
「ダイヤのA」より「グラゼニ」が好き!なんて人にオススメです。
月下の棋士
あらすじ
将棋のエリートが集う奨励会にある日突然現れた男・氷室将介は、はるか昔に失踪したプロ棋士の推薦状を手に奨励会の人間を次々と倒していきます。果たして彼は一体何者なのか、失踪したプロ棋士とはどのような関係なのか、謎に包まれた氷室は活躍からは目が離せません。
その圧倒的な強さにあこがれる
将棋マンガの名作と言えば、「月下の棋士」です。
謎の少年・氷室将介の強さには誰もが惹かれ、その人気ぶりからドラマ化までされました。「棋士には月下の光がよく似合う」「駒が泣いているぜ」という名言が生まれるなど、その影響力はとても大きかったようです。少年マンガとは一味違った力強さを持つ主人公の打つ一手が魅力的です。
謎めいた主人公が強敵と相対していくような「北斗の拳」や「CITY HUNTER」が好みの方にオススメの一冊です。
聖 -天才・羽生が恐れた男-
あらすじ
稀代の天才棋士・羽生善治は、村山聖とは懐で斬り合うような将棋をしたと振り返ります。病院で友人の死に囲まれて生きていた少年時代を過ごしながら、聖は"生きる"ということととことん向き合わなければなりませんでした。そんな辛い幼少期から、聖はどのようにして羽生を破るほどの棋士に成長していったのでしょうか―。
実際の棋士"村山聖"
将棋マンガと言ったら「聖 -天才・羽生が恐れた男-」は外せません。
将棋マンガとしては珍しく実在の人物をテーマにした作品であり、フィクションを織り交ぜながらも、より馴染みやすく村山聖の人生が描かれています。村山聖は、いわゆる「羽生世代」のひとりで、惜しくも病気でその生涯を終えることなった天才棋士です。羽生を破ることもあるほどの実力の持ち主であったことから、亡くなった当時は多くの人が悲しみにくれました。その人気は、最近になって松山ケンイチ主演で映画化されたほど、人々の心の中に強く根付いています。将棋と向き合い、人生と向き合った男・村山聖の一生を是非読んでみてはいかがでしょうか。
囲碁マンガも見逃すな
将棋マンガと同じくらい、今熱いのが囲碁マンガです。囲碁マンガと言えば、「ヒカルの碁」が一世風靡したのが記憶に新しいですが、それ以外にも注目のマンガがたくさん存在しています。空前の将棋ブームにも負けない囲碁マンガをこの機会に呼んでみてはいかがでしょうか。
ヒカルの碁
あらすじ
主人公・進藤ヒカルはお調子者の悪ガキで、おじいさんの蔵に忍び込んでお宝を探していました。しかし、その時見つけた血まみれの碁盤から、なんと平安時代の天才棋士・藤原佐為に憑りつかれてしまいます。偶然の出会いから碁と出会ったヒカルはその才能を開花させ、ヒカルと出会う人々の運命を変えていってしまうのでした―。
不朽の名作
囲碁マンガといえば知る人ぞ知る「ヒカルの碁」。囲碁マンガとして、今も知名度やファンの多さでは他の追随を許さない作品です。当時は、アニメを筆頭に多くの少年少女たちが夢中になり、プロ棋士を目指しました。
ストーリーは、主人公・進藤ヒカルが天才棋士の亡霊・藤原佐為と出会い、ライバルとの出会いや別れを経験しながらも棋士として成長していく物語です。進藤ヒカルの正直で力強い性格からうまれる決断や苦悩には心動かされます。主人公のみならずそれぞれのキャラクターの魅力が濃く表れているのがこの作品の特徴で、パートナーの藤原佐為や、ライバルの塔矢アキラにはまだ根強い人気があります。
王道の少年ジャンプ漫画が好きという人にはぴったりの作品です。
星空のカラス
あらすじ
嫌われ者のおじいさんが唯一優しかった場所―そんな思い出から、囲碁が今も大好きな主人公・烏丸和歌は、歳をごまかして13歳であるにもかかわらず大会に参加しました。惜しくもプロアマ名人である男性に負けてしまいますが、ある青年がその対局に口をはさんできます。ひょんな出会いから和歌の人生が激しく動き始め、そして―。
少女マンガ界、初の試み
不朽の名作「ヒカルの碁」に続く作品として注目したいのが「星空のカラス」。物語の主人公は囲碁の世界で頑張る女の子で、女性という視点からいままでの囲碁・将棋マンガとは違った視点で読むことができます。
実はこの漫画、少女漫画界初の囲碁を題材とした作品です。
少女漫画独特のタッチが、囲碁の描写に合っていると強く感じさせられ、主人公の囲碁に対する想いが伝わってきます。そんな主人公のまわりのキャラクターたちも魅力的な人ばかりで、サブメインのような立ち位置の鷺坂総司は、往年のライバル役塔矢アキラをもしのぐ独特な個性を発揮しています。
少女漫画のように頑張る主人公を応援したい!という方にオススメの作品です。
入神
ミステリー作家が描く囲碁マンガ
ミステリー作家・竹本健治によって描かれた個性的な将棋マンガ「入神」もオススメです。
この漫画の主人公は、竹本健治が描くミステリー小説の主人公でもある天才囲碁棋士。そんな彼の囲碁棋士としての側面に重点を置いた作品がこの「入神」となっています。
この漫画がオススメである理由は、ファンに末永く愛されるほど「洗練された内容」にあります。ミステリー作家ならではの重厚なストーリーだけでなく、実際に存在した一手などを参考にされているとこらから、囲碁への愛が伝わってくる本作は囲碁ファンにははずせない一作だといっても過言ではないでしょう。
小説もおすすめ
竹本健治が執筆した作品の中には、囲碁自体がテーマになっている作品も多く存在します。その中でオススメなのが「囲碁殺人事件」です。囲碁に興味があってミステリーも好きだという方はこちらから読んでみるのもおすすめです。
碁娘伝
中国を舞台にした爽快囲碁マンガ
中国を舞台におくる名作囲碁マンガがこちらの「碁娘伝」になります。
この漫画の最大の特徴と言えば、キャラクターたちの囲碁への情熱が伝わってくる点でしょう。主人公・碁娘を中心に多くの碁打ちとの一局を描いていく本作では、囲碁への情熱が様々な言葉の表現によって巧みに描かれています。
そもそも、囲碁は相手の石を囲み奪う、戦争と似たような一面が強い頭脳ゲームとなっています。だからこそ、この漫画ではそんな囲碁特有の物騒な特徴がキャラクターたちの思考やセリフに強く表れているのです。
復讐のために争い、碁を打ち続ける美女・碁娘から、囲碁が持つ奥深さを学んでみてはいかがでしょうか。
囲碁・将棋マンガを読もう
これまで多くの作品がテーマとしてきたように、囲碁・将棋は今も変わらず愛されています。むしろ、その熱は最近になってさらに加速していると言えるでしょう。是非この記事を参考に、あなたに合った囲碁・将棋マンガデビューを実現させてみてください。
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この記事のライター
都内大学生。ハッピーエンドの映画と気張らない音楽が好物。カフェを巡る毎日で、深煎り濃いめのブラックコーヒーから元気をもらってます。