バイクでよく聞く専門用語「フューエルインジェクションシステム」とは?
バイク選びにとって、とても重要なワードであるフューエルインジェクションシステム。これを理解するだけでバイク選びや、ライディングがもっと楽しくなります。今回は知ったかぶりでは損してしまう専門用語について説明しましょう。
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フューエルインジェクションシステムはバイクをもっと身近にする
フューエルインジェクションシステムはアメリカン、ネイキッド、スポーツ、モトクロスなど、どのジャンルのバイクにも関わる重要なパーツです。自動車では1980年代あたり、バイクでは2000年あたりから採用されました。このフューエルインジェクションシステムの役割は、エンジンの始動性や機能性に大きく影響し、燃費や出力に大きな関わりを持っています。エンジンの性能で性格が決まるバイクにおいて、無視できない要素にもなっているので、しっかり基本をマスターしておきましょう。
フューエルインジェクションシステムの採用により、バイクが誰にでも、より身近に扱えるようになりました。
キャブレターの後継として登場したフューエルインジェクションシステム
フューエルインジェクションシステムは、コンピューター制御により、気温や湿温などをセンサーで測定し、リアルタイムでベストな燃料噴射量、噴射タイミング、噴射時間などをコントロールしています。
フューエルインジェクションシステムの登場までは、機械式のキャブレターというものを採用しており、キャブレターでは、はじめに設定した1パターンでしか燃料の噴射をコントロールできません。そのため、季節によってはエンジンの始動性が悪かったり、エンジンの調子が出なかったり、長期間乗らない期間が空くと、エンジンがかからなかったりと、なかなか扱いにくい特性がありました。
それがきっかけでバイクを手放した方も少なくありませんし、知識がないと扱いきれないのも現実です。自動車であれば、いつでもどんなときもキーを回せばサッとエンジンがかかると思います。それはフューエルインジェクションシステムのお陰なのです。
それまで趣味趣向の強いバイクでは、機械らしい「味」のあるキャブレターが人気となっており、自動車のフューエルインジェクションシステム化から遅れることおよそ20年、やっとバイクにもフューエルインジェクションシステムが採用されました。
フューエルインジェクションシステムは燃費がいい
ユーザーにとってフューエルインジェクションシステムの嬉しいところは、それまでのキャブレターと比べて、圧倒的に燃費が向上していることです。燃費が良ければ、限られた燃料タンク容量で、長く走ることができます。よって煩わしい燃料補給の回数を減らせますから気が楽です。
もともとフューエルインジェクションシステムが採用されるキッカケとなったのは、2001年に実施された、自動車排ガス規制の強化から。キャブレターでは燃焼効率が悪く、クリーンな排気ガスにできなかったので、フューエルインジェクションシステム化が進みました。排気ガスをきれいにする=燃費が良くなる、という関係性にあります。
フューエルインジェクションシステムはエンジンパワーが凄い
エンジンにとって常に最適なガソリンを供給できるフューエルインジェクションシステム。エンジンの始動性がいいのも、その能力が深く関わっています。キャブレターではワンパターンしかセッティングできなかったので、特にパワーのあるバイクではアクセル操作に対して、ギクシャクする一面があり、扱いにくさがありました。しかしフューエルインジェクションシステムでは、スムーズな加速、そしてなにより、高出力化も可能となったのです。
フューエルインジェクションシステムは人とバイクにとって理想のアイテム
エンジンの始動性がよく、低燃費で高出力、排気ガスもクリーンで、長期間放置していても、メンテナンスフリーでバイクに乗れる。このようにフューエルインジェクションシステムは扱いやすさと、メリットが多くあります。
しかし趣味趣向性の強いバイクにとって、あえてキャブレターを選択する方も多く、キャブレターでしか味わえない、メカな味わいも魅力です。このように、双方の特徴を知ることで、バイク選びも楽しくなると思います。
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この記事のライター
自動車、バイク、アパレル関係のお仕事に携わっておりました。その経験を生かしライター活動をさせていただいております。