読んでワクワク!サクッと読了!三日坊主さんに贈る英語学習オススメ本10選
「今度こそ英語を身につけよう」。同じ志を何度立てましたか。意気込んで、勉強を始めたものの、結局、長続きせずに終わる……。良さそうなTOEIC対策本を購入したが、最後まで読んだ試しがない……。ここでは、そんな三日坊主気味のあなたが英語学習の友にすべき、“面白くてどんどん読んでしまう”本を10冊オススメします。
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2020年度、学校英語教育改革が本格化。ただし、大人は置いてきぼり
2020年は、言わずもがな東京オリンピック・パラリンピックの開催年ですが、実は、日本の英語教育改革が本格化する年でもあるのです。2020年度から、小学校5〜6年生では、「英語」が「国語」「算数」「理科」「社会」に並ぶ“教科”となって成績がつき、中学、高校の英語の授業は、基本的に英語で行われます。さらに、センター試験の廃止に伴って導入される新試験では、これまでの「Reading(読む)」と「Listening(聞く)」だけでなく、「Writing(書く)」「Speaking(話す)」の技能も試されるようになります。つまり、国際化社会に対応すべく、英語できちんとコミュニケーションがとれることを目標とする内容に学校教育がシフトしていくわけですが、これは、あくまでも小学校から大学に入るまでの話。子供が対象で、大人は置いてきぼりです。では、社会人はどうすればいいのでしょうか。
“使える”英語習得に必要なのは、受験勉強ではない
社会において、“使える”英語とは、やはり、“コミュニケーションの手段を果たす”英語に他なりません。ペーパーテストで満点を取ったとしても、日常会話ができなくては、英語ができる人間だとは思ってもらえないでしょう。もちろん、英単語を覚えて語彙力を増やすことも、正しい英文法の知識を得ることも大切ですが、受験のための英語勉強法しか知らないと、どうしても単語や例文の暗記に偏り、参考書、問題集から始めて頓挫してしまう人が多いようです。そこで、“楽しい読書”で英語学習を習慣化し、継続させる足がかりを作ってみてはいかがですか。ここでオススメする10冊は、正統派の英語学習本ではないかもしれませんが、読み物として面白く、かつ英語習得のヒントがちりばめられています。読了すれば、「最後まで読んだ!」という達成感が得られ、英語の学び方のコツはもちろんのこと、役立つ英語知識もたくさん吸収できるのです。
思わず応援したくなる! 実体験に基づく抱腹コミックエッセイ
英語力0(ゼロ)なのに海外営業部です
主人公は、某企業のOL、竹内絢香(26)。英語などまともにしゃべることができないにもかかわらず、人事部から海外営業部に異動した彼女の奮闘の日々が四コマ漫画で描かれていきます。著者自身の実体験に基づいた物語は説得力があり、展開されるドタバタ劇に腹を抱えつつも、彼女ののほほんとした性格に和まされ、その頑張りを応援したくなります。手軽に読める構成に加え、ビジネスに必要な英語の知識は実践的ですし、外国人とのやりとりのノウハウなども役に立ちそうなものばかりで、とても内容の充実した1冊だと言えます。手に取れば、あっという間に最後の1ページをめくっていることでしょう。
脳科学者がたどり着いた“通じる発音”はカタカナ英語だった──
怖いくらい通じるカタカナ英語の法則 ネット対応版 ネイティブも認めた画期的発音術
脳科学者の著者が米国留学時代、英語の発音で四苦八苦し、試行錯誤の末に編み出した英語からカタカナ英語への驚きの変換法則。外国語を正しく発音する能力は、舌の筋肉が固まる小学校中学年くらいから急激に低下すると言われています。では、ネイティブみたいに発音したい大人は一体どうすれば──? え、カタカナ英語? タクシーで降りたいときは「揚げ豆腐(= I’ll get off.)」、時間をたずねるときは「掘った芋いじるな(=What time is it now ?)」と言え、という都市伝説のような話を聞いたことがある人もいるでしょう。この本で明かされるのは、まさしく“Appleは、「アップル」ではなく、「アッポー」と発音しよう”ということです。しかし、ただのカタカナ英語と侮ってはいけません。脳科学者らしい理論的な解説は単純明快でわかりやすく、一度身につければ、即戦力抜群。私自身、本書のカタカナ英語例文をアメリカ人に読み上げてみましたが、どれも通じました。
さらば、英語コンプレックス。“完璧”や“暗記”を捨てて目指す伝わる英語
ずるいえいご
「単語がわからない」「正しい文法をよく知らない」は、日本人がよく挙げる、英語を話せない理由ですが、それで英語が話せないのは、あなたの単なる思い込みにすぎないかもしれません。本書では、“詰め込む英語学習”に慣れた日本人に、“捨てる英語学習”という画期的な英語習得術があることを気づかせてくれます。英語も日本語も、何かを伝えるためのツール。例えば、日常生活で「あれって何て言うんだっけ」と、ど忘れしたとき、私たちは「形はこうで、色はこうで……」と言い換えたりしますが、英語の難しい単語や言い回しがわからなかった場合、英語で“言い換え”を行えばいいのです。物の言い方など、ひとつではないのですから──。海外に滞在して自然と英語が話せるようになった人々が「そういえば同じことをしていた」と、共感を覚えるプロセスが、本書で紹介されています。インプットだけでは、英語は習得できません。楽しい漫画とともに、アウトプットすることの重要性や柔軟な思考の持ち方などが描かれ、あなたのモチベーションを上げてくれる1冊です。
SWファンなら垂涎の、そうでなくても実に楽しい世界初の英語辞典
スター・ウォーズ英和辞典 ジェダイ入門者編
学研の辞典編集部が、スター・ウォーズ愛をふんだんに盛り込んで作り上げた日本初にして世界初の英和辞典。収録されているのは、映画『スター・ウォーズ』旧3部作に出てきた中学レベルの基本英単語約1000語で、単語の意味、発音、簡潔で的確な説明が載っています。例文には、本編に登場したセリフの数々を採用。オリジナルイラストの挿絵や丁寧な図解や興味深い名言解説など、映画ファンをうならせるだけでなく、映画をよく知らない人でも思わずページをめくりたくなる工夫が随所に施されています。どのページを開いても英語を楽しく学べる学習英和辞典で、エピソード1〜3で頻出した高校レベルの英単語約1000語を収めた「ジェダイ・ナイト編」、エピソード1〜7からの約3100語を網羅した「ジェダイ・マスター編」も出版されています。この辞典をきっかけに、映画を見て例文のセリフを確認すれば、さらに英語学習の幅が広がるでしょう。
おやじギャグで外国人の心をつかむベテランガイドに学べ!
使える! 通じる!おやじギャク英語術
はとバス英語ツアーの人気ガイドは、なんと72歳のおじいさん。海外留学経験はゼロで、ジャパニーズイングリッシュを豪快に話すとはいえ、通訳検定、英検1級合格の英語の達人です。そんな彼が外国人客を大いに笑わせ、集合時間や場所などを的確に伝える秘訣は、おやじギャク! ページをめくるたびに飛び出す秀逸な英語のおやじギャクに何度も笑わされますが、筆者の長年の経験から生まれた英語学習のヒントが学べるだけではありません。本書は、初対面の相手とのコミュミケーションの取り方、おもてなしの心の大切さ、トラブルシューティングの極意、異業種でも通じるビジネス成功の手がかり、人生を大いに楽しむ術といった充実内容の指南書であり、なおかつ気持ちを豊かにしてくれる奥深い本となっています。
教科書にも載ったあの名作絵本を、英語と谷川俊太郎の訳で
英語でも読めるスイミー
小学校の頃に、『スイミー』を国語の授業で習った方も多いと思います。絵本=子供の本と考えないでください。絵本のシンプルな文章とストーリーには、奥行きの深いメッセージが込められていることも少なくありません。著者のレオ=レオニは、「自己発見と自己実現」をテーマにして本書を書いたと言われています。大人になって改めて読むと、今まで見えていなかったことが見えてくるかもしません。さらに本書には英文と日本語訳の両方が載っているので、詩人・谷川俊太郎の訳文をじっくりと味わいつつ、英語と比較することが可能ですし、なんといっても32ページの絵本ですから、あっという間に読了してしまうでしょう。ぜひ、2度、3度と繰り返し読むことをオススメします。
ベストセラー・コミックが、英語を一風違った角度から斬る!
ダーリンの頭ン中 英語と語学 <ダーリンは外国人>
きっぱり言いましょう。これは、語学書です! 映画化もされたベストセラー・コミック『ダーリンは外国人』シリーズの1冊で、今回も著者の小栗左多里とトニー・ラズロ夫婦の日常が面白おかしく描かれますが、とにもかくにも語学オタクのトニー節が炸裂するエピソードが満載。学校で、「母音の前のtheは、“ザ”ではなく、“ジ”と発音する」と習った方がほとんどだと思いますが、ネイティブの人たちは、そんなことを意識していないという衝撃の事実に驚かされ、「日本語には、“R”の発音がないのに、なぜラ行をローマ字で表わすときに“R”を使うのか」などのトニーの疑問には「確かに」とうなずいてしまいます。エピソードごとに英語や日本語に対する切り口が違うので、多角的な見方ができ、語学習得の思考に柔軟性が生まれます。本書を楽しみながら、語学うんちくを増やし、外国語を学ぶ楽しさを再確認してみるのはいかがでしょうか。
学校では教わらない英語表現が満載の“なるほど”読本
えっ! この表現でそんな意味? 英語おもしろノート
「black outはなぜ、“頭(の中)が真っ白になる”の意味になる?」「“パンの耳”を英語で言うと?」「“シェイプ・アップ”ではやせられない?」など、英語圏特有の文化、発想、生活習慣に由来した言い回しを集め、簡潔な解説を加えた英語の豆知識集。学校の英語の授業では教わらないけれど、ネイティブがごく自然に使い、理解している日常表現が満載なので、どのページを開いても、気軽に興味深い知識が得ることができます。あなたの英語表現の幅を広げるのに役立つ、心強いトリビア本になるでしょう。
中学レベルの英語で、日本の歴史をサクサク読む
英語対訳で読む日本の歴史
日本列島の誕生から太平洋戦争後まで、日本の歴史を91の項目で説明。それぞれの項目が1ページほど、10文程度の平易な英文で語られ、要所要所に日本語訳がついているので、辞書なしでスムーズに読むことができます。もちろん、全文の翻訳も英文と一緒に掲載されているため、言葉や表現をストレスフリーで確認することも可能。また、史実上の重要な事柄が簡潔にまとめられており、日本史の知識が得られる読み物としても楽しめます。この『英語対訳で読む〜』シリーズは、他にも『世界の歴史』『日本のしきたり』『科学の疑問』『経済入門』『理科入門』『算数・数学入門』『日本の名作』など、様々な分野がフィーチャーされています。興味のあるテーマを選んで、どんどん読み進めてみましょう。
英語を学びたい人の知的好奇心をくすぐる良質のエッセイ
世にもおもしろい英語
英語雑誌や書籍の編集に長年携わってきた著者が、気になった英語表現を掘り下げたエッセイ集。「人生編」「仕事編」「洒落た表現編」「恐怖表現編」「動物編」「人体編」「植物編」「色彩編」「人名編」「数字編」に細かく分かれた章立てや、多種多様な英語表現の謎や成り立ちを面白おかしく解説する内容、読み手をたちまち文章に引き込む筆致は、さすがベテラン編集者のなせる技です。読後感も良く、英語学習のきっかけ作りだけでなく、質の高い随筆として、純粋に読書を満喫することができます。
あなたの英語学習を後押しする良質の読書体験
以上の10タイトルは、ありきたりな英語学習本とは違うかもしれませんが、満足度の高い読書体験を味わえる読み物ばかりです。どの本から手にしても構いません。まずは10冊読破することで、相当の英語の知識と英語学習のノウハウが頭に入り、それが大きな自信へとつながっていきます。さあ、英語を“使える”大人になるための最初の“10歩”を、さっそく踏み出しましょう。
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この記事のライター
数々のミステリー、アクション小説、伝記本、映画雑誌のインタビュー記事、人気ゲーム関連の邦訳を手がけるキャリア20年の翻訳家。小学2年で読書の悦びに目覚めた本の虫で、読書と翻訳作業で培った知識は、映画、海外ドラマのショウビズ関係はもとより、生物学、医学から欧米の文化、政治、歴史、犯罪、銃器、ミリタリーなど広範囲に及ぶ。日々の生活で「一日一善、一日一爆笑、一日一感動」を心がけ、読者を笑顔にし、読み手の胸に染み入る文章を目指す。米国フロリダ州オーランド在住で、映画、海外ドラマ、アメリカンカルチャーなどの旬な情報も随時発信。