イタリア・ミラノ発クラウディオ・ベリーニの「いま」に座る!
社会人5年目、6年目ともなり仕事に慣れ、貯金も溜まり始めたら家具にもこだわりをもった生活を送りたいと思う方も多いのではないでしょうか。今回は現代のデザイナークラウディオ・ベリーニのおすすめ家具をご紹介します。
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現代を生きる気鋭なデザイナー
イタリア・ミラノを拠点に活動する現代の気鋭のデザイナーです。クラウディオの父マリオ・ベリーニも世界的なデザイナーとして知られ、初期には父のもとで数々のプロジェクトを手掛け、その後独立して、さらに現代社会に適応する独創的な切り口で作品を発表し続けています。特に、1998年に現代のネットワーク環境を中心としたオフィス家具を先取りした革新的なデザイン「TW コレクション(Frezza)」を発表して注目されました。ミラノ発の現代の最先端家具、「C/B(クラウディオ・ベリーニ)ブランド」の注目作品をご紹介します。
現代的でありながら古典的、ベリーニのオットマン
クラウディオ・ベリーニがデザインしたCBチェアのシリーズです。フォルムは極めてシンプルで、余分な要素を排除しているため、オットマン(足のせソファ)としても使えます。一見簡素なつくりでありながら、細かいところに現代的なデザインの配慮がうかがえる良品です。たとえばPP樹脂は、光沢を出すことでその素材性が強調されてきた素材でしたが、ここでは表面に凹凸をつけて座面に採用され、滑りにくいように計算されているのです。素材性が過度に主張するのではなく、あくまでも使用する人のためのデザインであることを考え抜かれた現代のデザインとして評価されているのです。
CBチェアオットマンは,シンプルな脚と組み合わされた、特徴的なディティールを持つシェルが、モダンな佇まいを感じさせます。
「魚の骨」はすわり心地も抜群!?
曲線を描く背もたれつきの椅子を一般にYチェアといいますが、その背もたれの形から「フィッシュボーンチェア(魚の骨の椅子)」ともいわれます。クラウディオ・ベリーニがデザインしたフィッシュボーンチェアは、まさに魚の骨とよぶにふさわしいような斬新なフォルムが注目されます。ベリーニの作品はPP樹脂素材の柔軟性と自由な可塑性を最大限に引き出し、軽快でありながら最高のすわり心地を追求した設計になっています。そのためこのチェアのシリーズは、PC環境の仕事を想定したオフィス家具として考案された以外にも、リビングなど幅広い用途でひろく使われるようにさまざまなベースの違うラインナップがつくられました。
ビジネス世界を泳ぐ「Beシリーズ」
フィッシュボーンチェアが機動性を生み出すチェアだとすると、こちらの「Beシリーズ」は、座る人の柔軟な発想に作用し、創造性を生み出すチェアといえるでしょうか。海の中を優雅に泳ぐエイに触発されてデザインされたともいわれるこのBeシリーズは、背・座面素材に布張りされた高密度のモールドウレタンを採用し、フレキシブルで高い通気性を確保した、まさに「長時間の頭脳労働」のために設計された最適な椅子といえます。有機的なその曲線美と、目と感性に働きかけるカラフルなバリエーション、それに、座っていることさえ忘れてしまうようなすわり心地で、柔らかく豊かな発想を導き出してくれるでしょう。
ポストモダンの至高のひと時「FRAC」
ポストモダニズムの時代に、あえてモダニズムの王道のデザインを追求してきたイタリアのメーカー「ドリアデ」から発表された、クラウディオ・ベリーニのアームチェアです。ミニマリズムを特徴とするメーカーらしい、一切の無駄を省きながらも優雅で美しいフォルムです。品質を重視した革張りの本格的なアームチェアながら、透明感のあるカジュアルな雰囲気であるため、フォーマルなシチュエーションのみならず、リビングシーンなどの日常でも使える、まさに現代のための洗練されたデザインといえるでしょう。合理主義に軸足をおきながらも、人間の心のゆとりを刺激するポストモダニズムの精神を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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使う人の遊び心を刺激する
ミラノの家具デザインといえば、国際見本市ミラノサローネにみられるように色鮮やかで斬新なデザインのイメージが強いかもしれませんが、クラウディオ・ベリーニのデザインは、モダニズムの王道としての機能性を十分に計算しつくし、使う人に軸足を置きながら、そこに遊び心と創造性の刺激を与える類まれな仕事として評価されています。ダイニングやリビングをおしゃれにコーディネイトするだけでなく、仕事場で長く使う家具として導入するのには最適の家具といえるでしょう。
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この記事のライター
藝術文化系のコラム、論評の執筆を多くこなしてきました。VOKKAではインテリアなど、アートに関わる記事を中心に執筆しています。