クラシックギターの音楽は色気ある音色が魅力!有名なギター曲5選
クラシックギターの曲はスペインやブラジルの作曲家のものが有名です。ギターの音色は指が直接弦に触れることから、色気がありたいへん魅力的です。クラシックギター曲の名曲を映画音楽を含めて5曲ご紹介します。
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ギターという楽器について
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ギターの音色はお好きでしょうか。ギターはヴァイオリンやビオラなどと同様に弦楽器でありながら、クラシック音楽の楽器としての地位はあまり高いとはいえません。それは「楽器として音が小さい」ことが理由のひとつです。弦を直接指ではじく、という意味では楽器の中では大先輩であり、ギターの形状も女性の体を模倣していることから、実はとても身近な存在であったはずです。
音は確かに小さいのですが、ギターにしか出せないアコースティックな音色はじかに指で触れ様々に表情を変えることができる優秀な楽器といえます。音符と音符の間に弦の上を滑るフィンガーノイズ(指が弦に当たって発生してしまう雑音)さえ、色気のある音色になる楽器は他にはないでしょう。ぜひ静かに耳を澄ましてギターの音を聴いてみてください。
タレルガ作曲「アルハンブラ宮殿の思い出」
ギター曲で一番の名曲といえば、一般的にはこの「アルハンブラ宮殿の思い出」が上がるでしょう。哀愁に満ち、栄えていた時代を振り返り想いを馳せています。元々イスラム教徒の城であったアルハンブラ宮殿がスペインのキリスト教徒の手に堕ちたという歴史がもととなっています。
アルハンブラ宮殿はイスラム様式を残し、世界遺産として観光客が絶えない賑やかな場所になったことを思うと、この曲の郷愁の想いとは異なって聴こえるかもしれませんが、どうでしょうか。
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ロドリーゴ作曲「アランフェス協奏曲」
ホアキン・ロドリーゴは1901年にスペインに生まれています。幼児期に失明した「盲目の天才音楽家」です。アランフェス協奏曲はギターの協奏曲の中ではもっとも有名なものです。ギターという楽器はピアノやヴァイオリンなどと比べ、音量が小さいので管弦楽との協奏はなかなか難しいものがあるといわれます。しかし、この曲はそういったことを全く感じさせない名曲です。
ギター曲をあまり聴かない人であっても、この曲だけは聴いたことがあるというほど、映画やドラマなどいろいろな場面で使われています。全体はスペインを感じさせる哀愁に満ちた情緒的な曲で、ギターの良さを最大限に引き出すことに成功していますが、驚くことにロドリーゴ自身はピアニストでありギターは弾けなかったそうです。
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アルベニス作曲「アストゥリアス」
アルベニスはスペインを代表する作曲家です。自身はピアニストであったためギターで演奏されているものは、ピアノ曲を編曲したものです。しかし、スペインで聴いたギター演奏に触発され、作曲を行っているので元々ギター曲であったかのように聴こえます。この「アストゥリアス」は、ピアノで弾くよりもギターで演奏する方がよりふさわしい曲であり、ギターでの演奏の方が有名になっています。
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ヴィラ・ロボス作曲「トリストローザ」(悲しみの曲)
ヴィラ・ロボスはブラジルの作曲家です。幼少時からピアノやチェロなどいろいろな楽器に親しんでいたようで、この「悲しみの曲」は哀愁あふれる人情曲的な要素があり親しみやすい曲です。静かに演奏されるギターの音は、妖艶で悩ましく語りかけてくるような気がします。ピアノ用、ギター用などの編曲がありますが、ピアノ曲がもっとも演奏されてます。ギター曲はソリストにより少しづつ異なる編曲がなされているので、演奏者によって多少違った演奏が特徴的といえるでしょう。
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スタンリー・マイヤーズ作曲「カヴァティーナ」
この曲は、1978年公開の映画「ディアー・ハンター」のオリジナル曲でスタンリー・マイヤーズが作曲しています。激しい戦争の体験と、優しく穏かなのですがどこか寂しいギター曲のアンバランスな雰囲気が、かえって強い印象に残り、名作を彩る名曲となりました。ご興味がありましたら映画もぜひご覧ください。
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ギターの音色は表情豊かで魅力的
いかがでしたでしょうか。クラシックギターは、ピアノ曲ほど多くはありません。有名なものは限られているかもしれませんが、ピアノやヴァイオリンなど他の楽器ではとても表現できない音楽を作り出します。その魅力のひとつは、音色の豊かさにあると思います。自在に音を作り出す技術は簡単ではありませんが、実はどんな楽器よりも色気があり、情緒的な表現が得意である楽器なのです。もしお気に召したなら、クラシックギターの曲を他にもいろいろ聴いてみてください。
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この記事のライター
検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。