難曲演奏で知られた作曲家兼ピアニストたち!とにかくすごい曲5選
ピアノ曲の難曲はリストやラフマニノフがありますが、その他の作曲家の作品は更に難しいものがあります。ただ、音楽とはいえないほど「崩れて」いる作品以外で、芸術性がある難曲といえるものを5曲ご紹介しますのでご覧下さい。
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すごすぎる達人のピアノ曲
ピアノ曲のヴィルトゥオーソ(名人)としてラフマニノフやリスト、スクリャービンなど巨匠の名前はあげられますが、それ以外にも凄腕のピアニストは実はたくさんいます。ただ、歴史の中で埋もれてしまった音楽家を近年積極的に演奏するピアニストもたくさん現れてきました。その作品は、中には演奏不可能とされるものもあるほど「技術的に」難しいのです。今回は、普通に「聴くに耐えうる」聴きやすい作品を5曲後紹介しますので、お聴きください。
バラキレフ作曲 東洋風幻想曲「イスラメイ」
ミリー・バラキレフは1837年にロシアに生まれました。専門は数学であったようですが幼少時からピアノを学習しており、音楽家へ転向したようです。優れたピアニストであり作曲がでもあります。作品は、ピアノ曲を中心に管弦楽曲なども書いています。もっとも有名な作品が難曲で名高い「イスラメイ」で、東洋風幻想曲という邦題が付いてますが、題名通りのイスラム風のエキゾチックなメロディが印象的な曲です。
素早い動きで単音を両手で交互に演奏するという特徴的な始まりがあります。主題となる旋律が変奏のように展開され、その都度に難しさは増していくのですが、途中にロマンチックなアラビアンナイトの恋物語を彷彿とする美しい中間部が現れ、うっとりとさせます。後半は最初の主題が再現されオクターブの連続の難易度の高いものとなり、次第に加速され感動的に終始します。演奏効果の非常に高い難曲ですが、美しい作品でピアニストに人気の曲です。
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ブゾーニ作曲「エレジー第4番 トゥーランドットの居間」
フルッチョ・ブゾーニの名前も、難曲を作ることで名高いピアニストとして知られています。1866年イタリアの生まれです。両親共に音楽家であり特に母親はピアニストだったことから、ブゾーニは幼少からピアノの神童であったようです。後には、ロシア、アメリカなど世界の要所でピアノ音楽の教職に就き、最終的にドイツで活動しています。
作品は主にピアノ曲ですが、バッハ作曲の「無伴奏ヴァイオリンパルティータ シャコンヌ」のピアノ編曲はあまりにも有名で、ブゾーニの代表曲といってよいでしょう。一時期彼の作品は世のクラシック界から忘れられていましたが、近年見直されており、多くのピアニストが演奏しています。今回ご紹介する曲は、有名な「グリーンスリーブス」のメロディが華麗な音の重なりの中から聴こえてきますので、注意して聴いてみてください。
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ホフマン作曲「万華鏡 カレイドスコープ」
ヨゼフ・ホフマンは1876年ポーランドに生まれました。幼いときから神童として有名だったようです。後にアメリカに渡り生涯活動の拠点にしています。ホフマンの作品は長い間あまり演奏されてはいなかったのですが、生徒であるシューラ・チェルカスキーというピアニストは恩師の作品である「カレイドスコープ(万華鏡)」を好んで演奏しており、この曲だけは特に有名です。
キラキラと万華鏡の鏡の中で形を変えていく美しい模様が目に浮かんでくるような、よくまとまった美しい作品でピアニストがよく演奏会でとりあげています。
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ソラブジ作曲「ビゼーのカルメンから ハバネラ」
カイホスル・ソラブジは1892年イギリスの生まれです。ソラブジという名前からインド系であることがわかりますが、いろいろな国の血が混ざっていたようです。近年注目されており特異で難曲であることから、特に技巧的なピアニストが演奏することで有名です。作品は、かなり変わっているので初めて聴く人は理解に苦しむか、全く拒絶する人の二種ではないかと推測します。
ただ、左右の手が演奏する音はそれぞれに全く自由奔放のようでありながら、しっかりとメロディはその不思議な景色の中から垣間見られるという奇妙な世界です。なぜか魅力を放つその世界は、虜になる人も多いことは事実で、ホフマンなどの名作曲家も注目していたといわれます。ソラブジ自身もかなり変わった人だったようで、自身の作品を自分の死後にすべて破棄するようにという遺言を残したそうですが、現在はその遺言は守られなかったということは幸いでした。
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シフラ編曲 ヨハン・シュトラウス「トリッチ・トラッカ ポルカ」
ジョルジュ・シフラは1921年ハンガリーの生まれのピアニストです。幼い頃からのピアノの腕前は並外れていたようですが、社会主義国のハンガリーは第二次大戦前後の情勢は厳しく投獄など、シフラは音楽家としては劇的な経験をしています。
演奏は、即興的なものを得意とするショー的なスタイルで「名人芸」を売りとしていたようです。そのことから得意な作品は「リスト」のものであり、芸術性よりも技巧に走るという性格が合っていたのかもしれません。ただ、難曲をいとも簡単に弾いてしまう豪快さは、右に出る人は現在でもほとんど見当たらないといえます。シフラが編曲した、「トリッチ・トラッカポルカ」は難曲でありますが、聴いて楽しい作品です。
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難曲であればあるほど芸術性も高いということはない
いかがでしたでしょうか。難曲を弾きたがるピアニストは多いといわれます。難しい曲を弾くことで技術に対しての尊敬はあるかもしれません。ただ、曲芸は真の芸術とはかけ離れていると感じます。そういったスタイルを始めた人はリストであるといわれていますが、リストは「内容が乏しい」とされ、逆にショパンは「一音たりとも無駄な音がない」と評されています。この差を考えるとき、難曲は重量級のピアニストにお任せして「内容を磨く」ことこそが芸術性を高めることになるのではないでしょうか。
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この記事のライター
検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。