戦略実行力を高める本【厳選5冊】
社会人の中で特に中堅から管理職の方に求められるスキル「組織実行力」
いかに有効な戦略があっても、それを組織展開・実行できなければ「絵に描いた餅」です。そこで、今回は特に管理職にとって重要な戦略実行力・組織推進力を高める本を紹介します。
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経営コンサルとして様々なクライアントと仕事をしていると、会社の利益獲得のためには「戦略構築」よりもむしろ「戦略実行・組織推進」が重要である思う場面が多々あります。コンサル業界でも最近では戦略に加えその実行支援を行う流れは強くなっています。
以下の5冊はリーダーシップ、組織マネジメント、ナレッジマネジメントなど「戦略実行・組織推進」に関する重要論点を解説してくれる名著です。
経営を見る眼 日々の仕事の意味を知るための経営入門
一橋大学の名誉教授である伊丹敬之氏による、「経営とはなにか?」について解き明かした本。
第3部以降「リーダーのあり方」、「経営の全体像」といった内容で戦略構築の考え方、その戦略を組織に落とし込む方法、組織に「場」を構築する必要性などを知ることができます。部下を持つ管理職の方々にとって非常に有益なことばかりだと思います。
第5部では伊丹氏の「経営を見る眼を養う方法」を伝授してくれます。経営者・管理者としてのスタンスを学ぶことができるでしょう。
場の論理とマネジメント
同じく伊丹敬之氏によるマネジメントに関する本。
前述の「経営の見る眼」に先駆けて発行されており、その主な論点は「場」という概念。
強い組織をつくる鍵は「場」にあり、会社に日常的に行き来する情報や感情を効果的にマネジメントためには、管理者は「場」を形成することが重要です。
この本では「場」とはなにか、またそれを構築するために何をするべきか理解することができます。
「経営を見る眼」と比べると学術的なため若干読みにくいという難点はありますが、組織の雰囲気が悪い、もしくはコミュニケーション基盤が弱いといった課題にお悩みの管理職の方、一読することをお勧めします。
知識経営のすすめ -ナレッジマネジメントとその時代
「ナレッジマネジメント」の先駆者である野中郁次郎氏による、企業の知識資産を共有し活用するための方法を解説した本。
「ナレッジマネジメント」と聞くと単なる情報管理のように聞こえるかもしれませんし、そうなっている会社が多々あると思います。しかし、その本質は個人の知識を形式知化しそれを組織全体で有効活用していくことにあります。日本企業の様々なケーススタディにも触れることができるため、この手の書籍の中では読みやすいと思います。
全員経営 ―自律分散イノベーション企業 成功の本質
同じく野中先生による日本的経営に関する強みを分析した本。近代日本のV字回復・高収益企業の共通点は「社員1人ひとりの自律的思考」にあるとし、それを生み出すためには全員経営が必要と考えています。当たり前の話ですが、従業員全員が臨機応変に最適な行動を図れれば組織は強いのです。問題はこうした組織をいかに作るか、という点ですが、この点について具体例を交えながら解説・論じてくれます。経営管理層に是非読んでほしい1冊です。
全員で稼ぐ組織 JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書
アメーバ経営とは簡単にいうと、各個人・ユニットが利益責任を持つことで組織が最適化されるという考え方です。そこには部分最適を避けるためのルールがもちろんあります。この本は実際に企業に導入するために知っておくべき概念、およびルールを簡単に学習できます。
アメーバ経営を学びたい方は是非この本を読んでみてください。
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この記事のライター
日本一即戦力な公認会計士、を目指しています。大手監査法人⇒米国留学⇒経営コンサル公認会計士&TOEIC900超に加え、最近は経営能力など、知の経験値稼ぎに絶賛邁進中。様々知識を身につけるべく、読書とグルメめぐり(一流レストランからB級まで幅広く)が大好物