ビジネスマンの胸に輝くMade in Japan!憧れの高級国産万年筆10選
一昔前は卒業や入学、就職のお祝いとして人気のあった万年筆。一時は衰退の一途をたどるかと思われたのですが、最近ちょっとしたブームになってきました。ビジネスの現場でも胸に万年筆を忍ばせ、さりげなくサインをする姿が自信をのぞかせる。そんな高級国産万年筆をご紹介します。
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アイキャッチ画像出典:www.pilot.co.jp
胸に輝くMade in Japan
さりげなく胸元から滑り出した万年筆。キャップを外す手に満ちた自信、金色に輝くペン先から紡ぎ出される、文字の一つひとつにみなぎる誇り。最前線で活躍するビジネスマンにとって、契約書へのサインが全ての苦労を物語る。そんな晴れの舞台にこそ登場させたいMade in Japan、憧れの高級国産万年筆をご紹介します。
なぜ国産なのか?
海外の万年筆メーカーはアルファベットという画数の少ない文字を書くことを前提として設計され、国産メーカーの万年筆は、日本語という画数の多い文字を書くことを前提に設計を行っています。ここが、国産万年筆をおすすめする大きな理由。現在国内で万年筆を製造販売している代表的メーカーを選び、それぞれの特徴とブランドをご紹介します。
パイロット
1918年「株式会社並木製作所」として創業し、1989年に「株式会社パイロット」と名前を変えて筆記具を作り続けている。元々、海外向けのブランド名として生まれた「パイロット」。海外では蒔絵シリーズとしてその名を知られ、品質が安定しハズレが少ないこと、種類が非常に豊富なことが特徴です。
高蒔絵
高蒔絵とは、漆を塗った表面にさらに漆で絵を描き、乾かないうちに金・銀など金属粉を「蒔く」ことで文様を描く技術。正倉院宝物にも見られるこの伝統技法を用いて描かれた文様は、日本の伝統文化を色濃く表現し、日本人としての誇りさえ感じさせます。
CUSTOM 槐/えんじゅ
古くから庭木としても用いられている槐(えんじゅ)。原産地中国では、高官に出世したときその祝いとして庭に植える習慣があったそうで、幸福を呼ぶ縁起の良い木として用いられてきました。その槐をボディーに使用した万年筆が「CUSTOM 槐」。硬く耐久性に優れ、独特の風情を見せる特徴的な木目は、社寺建築の装飾などにも用いられています。
CUSTOM 845
削り出したエボナイトに漆を施した逸品です。ペン先は安定感とスムーズ感を重視した大型を用い、書き手の思いがそのまま文字となって表現できる、そんなしっとりと手に馴染む感触が特徴。塗られている漆は、光沢を出すのにあえて手間のかかる「蝋色漆(ろいろうるし)」という油分を加えないものを用いるなど、職人のこだわりが感じさせます。
セーラー
1911年に創業し、日本で初の金ペン製造を行なったメーカーです。手作業によるペン作りにこだわり、製品を一貫して国内生産するMade in Japanを誇りとしている。古くから育ててきたペン職人の技術は他の追随を許さない高い技術力を維持し続けています。
有田焼万年筆
2008年洞爺湖サミットで各国の首脳へ贈呈されたことで、一躍有名となった万年筆です。有田焼の名窯「香蘭社」「源右衛門窯」とセイラーが共同開発、焼き物の匠と万年筆の匠が互いの技術の粋を集めて作り上げました。陶器の持つ重厚感と高級感、滑らかな書き味を追求したペン先、それらが融合した筆記具とは思えない芸術性が際立つ逸品です。
プロフィット 長刀研ぎ
ペン先をまるで刀の剣先のように鋭く研ぎ出したことから「長刀(なぎなた)研ぎ」と呼ばれる、セーラー万年筆ならではの熟練職人の技がひかる逸品です。美しい文字を思いのままに書き綴る、日本語独特の「トメ」「ハネ」「ハライ」が最も美しく書ける、それだけを追求したとしか思えない万年筆です。
プロフェッショナルギア
セーラー万年筆のシンボル「イカリ」が埋め込まれたキャップの上部が、プロフェッショナルギアシリーズが持つこだわりを現している。華美な装飾もなくスタンダードなスタイル、これがこの万年筆最大の魅力といえそうです。キャップを外しペンの後ろに付けると、全体のバランスが最適となるサイズ感。どこから見ても、誰が持っても使えてしまう普遍感が特徴です。
プラチナ
1919年に中屋製作所として創業。カタログ販売によって事業を拡大し、1924年に社名を「プラチナ」として現在に至っています。世界で最初の「インクカートリッジ式万年筆」の開発に成功するなど、斬新な製品を作り続けている。特に「インクフロー」と呼ばれるインクの出具合を絞る技術によって、細字で日本語を書く万年筆としておすすめです。
出雲シリーズ
プラチナ万年筆の創業者「中田俊一」生誕の地「出雲」で、2010年に出雲市の協力を得て「出雲シリーズ」は誕生しました。この『溜塗り』は光沢の中に深みのある色が特長で神秘的な味わいがあります。下地の漆の色が仕上げに塗った半透明な漆によって、透けて漆溜まりが見える事に名前が由来していると言われます。
#3776 ブライヤー
25年から100年を経た、地中海沿岸地方が原産の低木樹「ブライヤー」のコブ(バール)から作り出した万年筆です。熱に強く硬いという性質と木目の美しさを引き出し、使うほどに光沢が生まれ手に馴染んでくる使用感が、手放せない一本となることでしょう。
ロメオ
銀座で「和漢洋文房具」店として創業した伊東屋。そのオリジナルブランドとして1914年に販売されたのがロメオ万年筆です。大正時代から技術と伝統を受け継ぎ、2009年に復刻されました。老舗らしい重厚感とオリジナリティーに包まれた万年筆は、活躍するビジネスマンにふさわしい逸品へと生まれ変わっています。
蒔絵万年筆 蛇
古より神の使いとしてさまざまな物語に登場する蛇。脱皮によって成長する習性が「死と再生」を象徴するとして縁起の良い動物とされている。「蒔絵万年筆 蛇」は、日本の伝統工芸技法「蒔絵」と「螺鈿」を組み合わせた幾何学的な文様と天冠の蛇の目が特徴的です。
大西製作所
大阪府東大阪市にハンドメイド万年筆ブランドを作り続ける小さな工房があります。セルロイドの加工技術では全国でも数名しかいないと言われる職人の技術によって、一本一本削り出しで万年筆が作られている。轆轤(ろくろ)を用い手作業で0.1mm〜0.2mmの精度まで軸を削り出すとういう卓越した技術が、素晴らしい万年筆を生み出します。
セルロイド万年筆
「手作りでしか表現できない、特別な味わい」があると語る伝統工芸士の「大西慶造」氏。柔らかな手触りと海の深い蒼を想わせる模様は、手作りならではの表現ではないでしょうか。キャップを外すときに持ち主の人柄が感じられる逸品です。
大人の自信を胸に
いかがでしたか。万年筆には持つ喜びと同時に育てる喜びがあります。長く使えば使うほど、自らの手に馴染んでくる。それが万年筆を育てる楽しさです。一本の万年筆を自分だけの、あなただけの一本に染め上げてみてください。胸に輝く万年筆には大人としての自信が輝いています。