【入門】高級文房具"万年筆"!初心者だけどビジネスの場で見せつけたい方におすすめの10本
文房具に少しでもこだわりがある方は憧れたことがあるであろう万年筆。ペンを使う場面で万年筆取り出すと同僚や上司、取引先の方などの目を引くことでしょう。ここではそんなビジネスシーンで使いたい万年筆を紹介します。
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密かな万年筆ブーム!その裏にある大人の文房具の条件
実は万年筆がブームの真っ只中なのはご存知ですか?ある研究所の統計によれば、その市場規模は2012から2016まで右肩上がりで、2016年には2012年の倍近くまで拡大しているという調査結果があります。
この背景には「万年筆」というものが単なる筆記具以上の価値を持つことがわかるでしょう。もし単なる筆記具として見られているならば、いくらインク代が安いとはいえ、また万年筆自体が長く使えるとはいえ、ここまでの人気にはならないはずです。
では万年筆がもつ筆記以上の価値とはなにかというと、簡単に言うなら「趣味」としての価値でしょう。自己満足ということです。学生から、それこそ死ぬまで、なにかしらを使い続ける筆記具ですが意味合いは変わり続けます。学生の頃は「書く」ことがメインで、大人になった今では「書く」だけでなく「趣味」や「ステータス」、「ファッション」のように持っているだけでも意味を持つようになります。
大人になった今では文房具がそのような意味を持つからこそ、あえてビジネスシーンで使い見せつけることにも意味があるのではないでしょうか?
ビジネスで使うなら何より書き心地!それなら国産1択!
まず万年筆には国産と海外製があります。それらの何よりの違いはペン先。国産の万年筆は日本語を書くことを前提に作られるため海外製に比べて細く、画数が多く細かい漢字が書きやすいのです。またそれらの、とめ、はね、はらいが表現しやすいため字が綺麗に見えます。
さらに日本語を綺麗に書くことを考えると、ペン先の材質も重要になります。金を含むペン先はよくしなり強弱がつくため、とめ、はね、はらいも表現しやすくなります。
そのためビジネスシーンで主な筆記具としてガンガン使うのなら国産1択と言っても過言ではないでしょう。ちなみに今回ビジネスシーンを想定しているため、あえて銀色のペン先のものを紹介しています。
1 プラチナ万年筆 3776 センチュリー
価格15,000円
こちらはボールペンなどの一般筆記具ではあまり名前を聞かないかと思います。しかし万年筆メーカーとしては有名です。そのプラチナ万年筆による#3776 センチュリーは、富士山の高さに因んだ名前で、日本最高の万年筆を目指して作られているのです。
そのためなのかインクフロー(インクの出る量)は少なめで、カリカリとした尖った鉛筆のような書き心地です。なので、好みによってはこの書き心地を嫌がる方もいるようですが、ある意味では1番日本語が書きやすい万年筆だと思います。
またスリップシール機構というプラチナ万年筆独自の技術もおすすめの理由です。万年筆は長期間使用しないでいるとペン先が乾いて固まり手入れをしないと使えない状態になります。しかしプラチナ万年筆の公表によればこのスリップシール機構なら2年放置しても書けるようです。
2 パイロット カスタムヘリテイジ912
価格20,000円
知らない方は少ないであろう国内メーカー、パイロット。実は万年筆の国内シェアがトップのメーカーなのです。トップシェアを誇るだけあり万年筆の種類も豊富です。その中でも今回紹介するのはカスタムヘリテイジ912という万年筆。
この万年筆は葉巻型のデザインでなく、頭とお尻がカットされたベスト型というものになっています。また何よりのおすすめポイントは15種類のペン先が選べること。是非店頭に足を運んで書き比べて自分に合うものを選んで欲しいと思います。
書き心地はどちらかといえばインクフローが多めで滑るような書き心地になっています。万年筆らしいと言えばそうですが、プラチナ万年筆のように「書いている」感じではないので好みが分かれると思います。
3 パイロット カスタム レガンス
価格20,000円
同じくパイロットの万年筆。こちらは大理石のような模様の軸がオシャレな万年筆です。どちらかというと海外製万年筆のような装いです。それでいて金属部分はシルバーなので派手さはありません。軸の色が黒、赤、青、茶から選べるのですが、その反面ペン先が細字と中字しかないのでペン先の太さにこだわりがあると選びにくい万年筆でしょう。
またパイロットならキャップレスというシリーズもビジネスでは使いやすいでしょう。キャップレスシリーズはその名の通りキャップがなくすぐに手軽に使える万年筆です。ただ良くも悪くも書き味以外万年筆らしさがなく、ファッション性は皆無どころかクリップがペン先側なので書いているときもかなり不格好です。
4 セーラー プロフィット21
価格20,000円
こちらはセーラー万年筆というメーカーのもの。万年筆好きでないとあまり名前を聞かないかも知れません。しかしペン先ならセーラーと言われるほどの人気のあるメーカーです。
そう言われる理由の1つがこのプロフィット21のような21金の大型のペン先。他のメーカーに比べて低い価格帯でそれが味わえます。やはり金が多く含まれるだけあり柔らかい書き心地になっていて、育てるのが楽しみになります。またレフティという左利き用の万年筆があるのも面白いところです。
ただセーラー万年筆は他のメーカーに比べて検査が甘いのか、それとも繊細なペン先なのか個体差が少し大きい気がします。多少面倒でも実際に書いてみて、もしくは返品交換の出来るお店を選ぶべきでしょう。
5 セーラー万年筆 プロフェッショナルギア
こちらもセーラー万年筆によるもの。先ほどのプロフィットと異なるのは、デザインがベスト型になっているところです。基本的な性能の面では、ほとんど同じとなっています。キャップの頂点にはセーラーの錨マークが施されたり、ペン先が金色と銀色のバイカラーになっていたりとプロフィットより凝ったデザインとなってます。
そしてビジネスシーンで使うならおすすめしたいのがプロフェッショナルギアの中でも”インペリアルブラック”というカラーです。この万年筆は金属部分が金色でも銀色でもない黒鉄色なのです。控えめに黒光りするペン先や金属部分は格の違いを見せつけるような重厚感があります。
書き心地だけじゃなくデザインで差をつけたい!それならオシャレな海外製を
前述の通り海外製の万年筆はアルファベットを書くことを前提としているため、ペン先が太く国産に比べると漢字を含む日本語は書きにくいと言えるでしょう。
しかし海外製にも選ばれるだけの理由がちゃんとあります。それはデザイン性が優れているから。国産の万年筆は「いかにも万年筆」というシンプル、悪く言えば地味なデザインが多いです。それに対して海外製の万年筆はそれぞれのメーカーが個性的なものを作っているため、少し詳しい程度の人でも一目で何処の万年筆かわかるものが多いのです。
そのためデザイン性で徹底的に周りに見せつけるような使い方をしたいのなら海外製がおすすめです。
6 ペリカン スーベレーン M605
価格43,200円
万年筆と言えばペリカン、というほど有名で人気のある万年筆メーカー。おそらくMONTBLANCに次いで人気があるでしょう。やはり書き味は人気なだけあり素晴らしいのですが、海外製なので日本語を書くとなると極細字でも少し太く感じます。
ここで紹介するのはスーベレーン M605の黒軸です。スーベレーンと言えば緑縞が断トツの人気、知名度ですが、今回はビジネスシーンということで黒軸にロジウムコーティングのものを。ペン先は18金のバイカラー仕上げで、インク吸入式の万年筆です。
7 アウロラ イプシロン
価格30,000円
アウロラはイタリアで最も古い万年筆メーカー。ビジネスマンが大好きな”メイドインイタリー”の万年筆です。やはりイタリア製というだけあって鮮やかな色味でイタリアらしいデザインの万年筆が多いです。
今回紹介するイプシロンは万年筆らしい貫禄やレトロ感はあまりなく、少しオシャレな筆記具のように気軽に使えるのが特徴です。またアウロラの万年筆は海外製にしては細い線が書けるためビジネスシーンでも使いやすいでしょう。
8 ウォーターマン メトロポリタン
価格12,000円
ウォーターマンは万年筆の生みの親として知られる歴史あるメーカーです。
そのウォーターマンの万年筆でもメトロポリタンはボールペンのような細身の軸にステンレスのペン先です。その名の通り都会的なデザインです。そして万年筆では珍しくカラーバリエーションが豊富なのも特徴です。そのためメトロポリタンは普通のボールペンのような感覚で選び、書くことが出来ます。
9 デルタ ヴィルトゥオーサ
価格28,000円
デルタもイタリア製万年筆ですが歴史は浅いメーカー。しかし伝統職人による高品質な万年筆で、さらにデルタには独自に開発したシステムが特徴的です。その1つであるローリングウィールクリップは服を傷めないよう工夫されたクリップで、ビジネスシーンならスーツの胸に挿して使いたくなるクリップです。
ヴィルトゥオーサは賢者を意味する言葉で、このペンが持つ人の状況をより良くすることを願いつけられた名前です。これほどビジネスシーンで使いたくなる名前もないでしょう。
10 カランダッシュ RNX.316
価格75,000円
カランダッシュというと、万年筆よりボールペンを始めとする他の筆記具や高級ライターの方が有名でしょう。カランダッシュとはロシア語で鉛筆、その名の通りカランダッシュの筆記具は六角形が特徴のものが多いです。
このRNX.316も六角形をベースに丸形を足したようなスタイリッシュなデザインになっています。見た目だけでなく人間工学に基づくデザインで握りやすさも兼ね備えているため、ビジネスシーンでも実用的です。カラーはメタリック系で2色のみです。
万年筆選びは伴侶を選ぶように
今回はビジネスシーンで映える万年筆を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?万年筆は手入れをして大事にすれば一生使える筆記具です。しかも徐々に使い手の癖に合わせた筆記が出来るようになります。だからこそ生涯の伴侶を選ぶように慎重に、妥協なく選ぶべきでしょう。ここで紹介した万年筆は入門ということで比較的リーズナブルなものでしたが、次は生涯のパートナーとなる万年筆を紹介出来ればと思います
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この記事のライター
普段はビジネス系アパレルショップで勤務しております。その経験を活かしてスーツなどのビジネスファッションについてや、靴や鞄、革製品などのビジネス小物についてプロらしい視点から書ければと思います。