【全世界USインディーファン必聴2016一番の問題作】SWANS ”The Glowing Man”
EU離脱などのショッキングなニュースが多い中、音楽界でも問題作が登場しています。
今回は、暗黒帝王SWANSの2016年6月15日発売 歴史的超大傑作新譜"The Glowing Man"の魅力に迫ります。
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「SWANS(スワンズ)」って何者?
暗黒帝王SWANS
スワンズ (Swans) は、アメリカ合衆国のポストパンク・バンド。1982年にシンガー・ソングライターで楽器演奏もこなすマイケル・ジラが結成。1980年代初頭にニューヨークで起こったノー・ウェーブシーンで台頭し、10年以上にわたって活動した。
1997年に解散するまでマイケル・ジラ以外のメンバーは流動的で、コンスタントにメンバー入りしたのはボーカル・キーボード・ソングライターのジャーボウと、ギタリストのノーマン・ウエストバーグだけであった。
スワンズの特徴はドローン・ボーカルと反復される楽曲構造にあるとされている。
2010年、スワンズは再結成。14年ぶりのアルバム『My Father Will Guide Me up a Rope to the Sky』をリリースした。
現在のメンバー
Michael Gira (マイケル・ジラ) – ギター、ボーカル (1982年〜1997年、2010年〜)
Christoph Hahn – ギター (2010年〜)
Thor Harris – ドラム、ヴィブラフォン、ダルシマー、キーボード (2010年〜)
Chris Pravdica– ベース (2010年〜)
Phil Puleo – ドラム、ダルシマー (1995年〜1997年、2010年〜)
Norman Westberg ノーマン・ウエストバーグ – ギター (1983年〜1995年、2010年〜)
The Glowing Man ザ グローイング マン
待望の新譜”The Glowing Man” その全貌とは
2010年、14年の沈黙を破り新たなスタイル新たなメンバー新たな音をひっさげ突如舞い戻ってきた地獄の白鳥SWANS。
My Father Will Guide Me up a Rope to the Sky (2010年) 、The Seer (2012年)、 To Be Kind (2014年)、と短いスパン定間隔でリリース、世界ツアーを行ってきた彼ら突然の今作で現メンバーラストの作品となると発表しました。
■マイケル・ジラ 現編成のスワンズに寄せるコメント
2009年、私が自分のバンド、スワンズのリスタートを決意した時はまだその方向性などは決めてませんでした。もし過去をひきずって以前のカタログをやったりしても、それは無意味なことだはわかっていました。この再結成を一つの冒険としてこれから作る音楽をどのように未知の領域にまで持っていくかを塾考した末に、この5人を選びました。一緒にやる上で大いなる驚きを、そして不確実なものさえも与えてくれるようなこのメンバーたちを。サウンドの一番大切な部分であるハートと、どこへ流れ出すかもわからない川を乗り切ろうとする強さや自信を実際に見せながら。その”力強さ”とは何か? それは”愛”なのです!
そうして、ついにこの”愛”が私たちを導いてくれました。この編成のスワンズとして最も新しく、そして最後のアルバム・リリースをもって。『ザ・グローイング・マン』は、4枚のアルバム(そのうちの3枚は自分が思い描いていたものよりもさらに複雑で、微妙なニュアンスを持ち視野を持ったもの)、数枚のライヴ作品、いくつもの資金調達プロジェクト、そして数え切れないくらい、もはやエンドレスとも言えるツアーとリハーサルの数々や、私たちを愕然とさせ、元気でヒヤヒヤながらも今回の最終作品まで続けさせてくれたその呆れるくらいの摂生を経て作られたものです。私はここに、このサウンドに身を捧げると約束してくれた仲間やコラボレーターに感謝します。私は自然神教の信奉者では全くありませんが、時々、特にライヴの際に、これは私の特権であるのですが、私たちの日ごろの努力のおかげかほんのちょっとサウンドの中で無限の何かを捉まえて、明らかに私たち全員の力以上のある種のフォース(力)を起こすことがあるのです。ショーの後にメンバーとオーディエンスが話している時や後日の反応を通して、オーディエンスの彼らも同じような体験をしたということを聞くこと、それは本当にありがたいことです。私たちを新しい場所に導くそのフォースが何であれ、私たち大半にとっては価値のあるもので、私の音楽人生の中で絶えず最大限に挑戦し、満ち足りた時期であったことを嬉しく思います。
今後、この『ザ・グローイング・マン』のツアー後、私はまたスワンズの名の下で音楽を作り続けます。それはまた入れ替わったメンバー(コラボレーター)とともに。まだどんなサウンドになるのかあまりアイデアもないですが、それもいいことだと思っています。ツアーに関しては間違いなく今ほど大きなものになることはないでしょう、それは確かです。その未来に何があろうと、私はこの人間的、音楽的な才能溢れた独特な道のりのことを、いつか楽しみながら名残惜しむことでしょう。ノーマン・ウェストバーグ、クリストフ・ハーン、フィル・プレオ、クリストファー・プラウディカ、ソー・ハリス、それと私が合わさってまたどこかでまた再び。
Michael Gira 2016
(プレス・リリースより引用)
気になる中身は?!
■マイケル・ジラ 新作解説
「The Glowing Man」という曲は、前作『To Be Kind』に収録した「Bring The Sun」という曲の一つのセクションを含んでいます。そのセクションはもちろん、今回新しいセッティングで演奏、アレンジされました。「The Glowing Man」そのものが有機的な形で誕生した曲で、「Bring The Sun」のライヴ・パフォーマンスの即興演奏から出てきたものでもあるので、楽曲にそのセクションを導入するのは十分に意味があり重要なことと思われました。そうした紆余曲折しながら誕生した曲なので、そのセクションはいつも曲の一番重要な指標となって、それ無しではこの楽曲をとても最後まで演奏することなどできなくなっていました。
出典:publicrhythm.com
去年来日したときには既に演奏されていたアルバムを象徴する"The Glowing Man"(当時はThe Blackhole manでした)。
本編は28分あります。SWANSの中ではかなり疾走感もあるキャッチーな曲ですがSWANSならではの神々しいドローンノイズとの融合にグッときます!!
■マイケル・ジラ 新作解説
この歌「When Will I Return?」は、ジェニファー・ジラに歌ってもらうために特別に書きました。それは彼女の強さや勇気、それに彼女がかつて自分の顔に深い傷を負った体験からの回復、また日々そのことを克服し続けていることを讃えた歌です。
出典:publicrhythm.com
マイケルジラの奥さんジェニファージラもまさかの参加!
"The Seer"の"Song For A Worriar"では自身の当時6歳の娘さんに曲を捧げていたり非常に家族思い!
その背景を知ってから聴くとさらに悲しく聴こえます。
■マイケル・ジラ 新作解説
「Cloud of Forgetting」と「Cloud of Unknowing」はともに祈りの歌です。「Frankie M」はまた別のトリビュートで、ある傷ついた魂に向けて願いを込めた曲です。「The Glowing Man」は私の大好きな禅の公案が入っています。「People Like Us」と「Finally, Peace」はともに旅立ち、惜別の歌です。
出典:publicrhythm.com
『The Cloud Of Unknowing』という中世のカトリック系キリスト教の僧侶が執筆した本がある(著者註:『不可知の雲』14世紀後半に成立したとされる瞑想の方法に言及した、キリスト教神秘主義ではよく知られた書物。作者不肖)。神とひとつになれる正しい方法を信徒達に教えるための教育的な指導書だ。その中で、“Cloud of Unknowing” とはつまり、現実に即した考えを捨てたときにたどり着く境地なのだと説いている。「自分が正しか、正しくないか」あるいは「自分はこういう人間だ」といった固定概念や、言葉さえからも自分を切り離し、神のいる「未知」の境地を信じて飛び込むこと。“Cloud of Forgetting”の方は、それと似ているが、自分が知っているすべてを忘れること。“Cloud Of Unknowing(不可知の雲)”に入るためには、まず“Cloud of Forgetting(忘却の雲)”に入り、われわれが日々の現実だとみなしている具体の根からみずからを断ち切らなければならない。その思考過程は非常に禅仏教に近いものがある。私としては、その心理状態が、自分自身の音楽と重なる部分があると感じた。曲の一節や、パフォーマンスの中で、音楽が絶対的な「いま」のなかで完全なる切迫感を帯び、我々の存在とそれ自身を消し去りながら我々を覚醒させてくれる。
祈り?!!邪教の暗黒悪魔降臨儀式じゃないんですか?!!?
最高です!!!!!!!
■マイケル・ジラ 新作解説
「The World Looks Red / The World Looks Black」という歌では、私が1982年に書いた歌詞をいくつか使っていますが、ソニック・ユースも過去リリースした曲で「The World Looks Red」という言葉を使ったようです。今回使っているメロディなどは全く以前のものとは異なります。このアルバムに向けた素材作りを終えようとしていた時に、今回の歌のベーシックとなるアコースティック・ギター・バージョンが出来て、それに歌詞を当てはめたのです。私にも理由はわからないのですが、私が普通にリビングやリハーサル場所(その頃ここでソニック・ユースもリハをしていた)でタイブライターで書いてほったらかしにしてた歌詞、それを(ソニック・ユース)のサーストンが私の許可を受けた上で持って行った。そのことが私の頭にパッと浮かび、思ったのが「(使って)いいよね?」という思い。この言葉を書いた本人は30年以上経って今の私とは全く違うが、使える言葉のまま、だから「(使って)いいよね?」と。もしかしたらある意味、一周回って同じところに来てるのかもしれません。
出典:publicrhythm.com
曲はできているのに歌詞がない楽曲が手元にあって、ふと思いついたんだ。気づいたらあの歌詞を歌っていた。35年前に書いた歌詞なのに。曲に合っているように思えたから、そのまま進めた。君がイうように、あの歌詞はサーストンがソニック・ユースの曲で取り上げた。彼らとは1982年当時NYのイースト・ヴィレッジにある同じリハーサル・スペースを使っていた。彼は私のタイプライターにあったあの歌詞を見つけて、私に使ってもかまわないかと聞いてきたんで、「もちろん」と答えた。それから何十年も経ったいまになって、どういうわけだからあれがまた頭に思い浮かんだのだ。せっかくだから使おうと思った。
35年前に書いたあの歌詞を今回使ってみて、当時といまでは音楽性がまったくちがうと思ったんだ。でも、どういうわけだか、あの歌詞がいましっくりくると感覚、それをいいたかった。(あの歌詞は)おもしろい心の絵を描いているように思う(they paint a nice psychic picture)。あれを書いた若者が何を伝えようとしたのかはわからない(笑)。おそらく、ひどいパラノア状態に陥っていたのだろうね。思い返せばあの頃の私はよくそういう状態を経験していたからね。
まさかここでSonic Youth?!?
それもそのはずSWANSとSonic YouthはNeutral RecordsというNo-Waveの先駆者Glenn Brancaが立ち上げたレーベルのレーベルメイトでした。またSonic Youthのキムゴードンとマイケルジラは同じアートスクールに通っていたそうです。非常に興味深い歴史です。
これからの展望は?
まだ具体的なツアー日程は決まっていないが、確実に(日本に)行くとは思う。7月初旬からすくなくとも16ヶ月はツアーをやる予定だ。いずれはお目にかかることもあると思う。
前回来日時に、2年後つまり2017年には来るとアナウンスしていたので気長に二枚組二時間の映画のような旅のような瞑想のようなアルバム"The Glowing Man"聴いて待ちましょう!!
前回来日時に行われたサイン会はファンにとっては最高のイベントだったようです。
問題作、是非その耳で体感してみては!
Music, news, and information from the label run by Michael Gira, featuring his work with Swans and his post-Swans music.
Young God Records. 10,730 likes · 104 talking about this. We Are Him
Swans. 203,122 likes · 5,240 talking about this. A NOTE FROM MICHAEL GIRA OF SWANS: “In 2009 when I made the decision to restart my musical group,...
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この記事のライター
はじめまして。生活に寄り添うモノが好きです。おほしんたろうさんに最近はまりました。