村上春樹の全長編小説紹介と名言集【ビジネスマンにもおすすめ】

村上春樹の全長編小説13作品の簡単な紹介と、それぞれの作品に登場する名言を筆者の好みに基づいて紹介していきます。人生のさまざまなシーンで力になってくれるであろう言葉ばかり。普段文学・小説は読まないというビジネスマンでもたまには読んでみることをおすすめします。

aoinopapa上杉遼@美食家

世界を代表する作家、村上春樹

日本が世界に誇る作家、村上春樹。もはや説明の必要もないでしょう。長い間ノーベル文学賞の最有力候補でもある村上春樹。1979年の『風の歌を聴け』でのデビュー以来、多くの作品を出してきましたが、2016年5月現在で、長編小説と呼ばれるものは13作品あります。今回は、村上春樹の全13作品の簡単な紹介と、それぞれの作品に出てくる珠玉の名言をご紹介します。
人生のさまざまなシーンで、力になってくれる言葉ばかりでしょう。

『風の歌を聴け』

村上春樹1作目の長編小説が、1979年に出版された『風の歌を聴け』です。群像新人文学賞を受賞し、1981年には映画化もされました。いわゆる「鼠三部作」の1作目で、1978年に29歳になった「僕」が21歳の時の1970年8月8日から8月26日までの18日間の物語を記す、という形をとっています。鼠三部作は、この後の『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』へと続きます
ちなみに、この時の主人公の「僕」と同じく村上春樹自身も1978年に29歳になっており、ジャズ喫茶を経営する傍らに応募した作品がこの『風の歌を聴け』です。

完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

世の中に完璧というものは存在しません。もちろん完璧を目指すのはいいことですが、たまには肩の力を抜いてみましょう。

強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。

あなたのまわりにいる「強い人」も、「強い振り」をしているだけかもしれません。本当は誰よりも弱い人かもしれません。

みんな同じさ。何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持ってないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。

どれだけ満たされていっても、不安は尽きないものです。それが分かっているだけで、心はだいぶ軽くなります。

『1973年のピンボール』

『風の歌を聴け』の1年後、1980年に出版されたのが『1973年のピンボール』です。鼠三部作の2作目で、『風の歌を聴け』の約3年後の1973年9月から11月までが描かれています。「僕」の物語と「鼠」の物語がパラレルに進行していきます。

あたしは四十五年かけてひとつのことしかわからなかったよ。こういうことさ。人はどんなことからでも努力さえすれば何かを学べるってね。どんなに月並みで平凡なことからでも必ず何かを学べる。どんな髭剃りにも哲学はあるってね、どこかで読んだよ。実際、そうしなければ誰も生き残ってなんかいけないのさ

どれだけ意味のないと思った仕事であったとしても、そこには必ず意味があることでしょう。

遠くから見れば、 大抵のものは綺麗に見える。

嫌だと思ったことがあったら、少し距離を置いて見てみましょう。思ったより綺麗に見えるかもしれません。

「それでも人は変りつづける。変ることにどんな意味があるのか俺にはずっとわからなかった」「そしてこう思った。どんな進歩もどんな変化も結局は崩壊の過程にすぎないんじゃないかってね。違うかい?」

ビジネスの世界では変化に対応することは必須ですが、たまには違う見方をしてみるのもいいのかもしれません。

ねえ、誰かが言ったよ。ゆっくり歩け、そしてたっぷり水を飲めってね

たまには立ち止まってゆっくりすることも必要です。

「ピンボールは上手いの?」「以前はね。僕が誇りを持てる唯一の分野だった」「私には何もないわ」「失くさずにすむ」

何もないということは、失うものも何もないということ。怖いものはありません。

恐らく誇りなしに人は生きてはいけないだろう。でもそれだけでは暗すぎる。あまりにも暗すぎる。

生きていく上で誇りは必要です。でも、他にも大切なものも見つけなければいけません。

『羊をめぐる冒険』

1982年に出版された3作目の長編小説が『羊をめぐる冒険』です。第4回野間文芸新人賞を受賞しました。
「鼠三部作」の3作目で、「僕」が29歳になった1978年7月からの物語です。前2作の『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』と比べ、400ページ超という長さで物語性にも富んでいると言われ、これまでに200万部以上発行されたベストセラーです。村上春樹が専業作家として初めて書いた長編小説でもあります。

人間には欲望とプライドの中間点のようなものが必ずある。全ての物体に重心があるようにね。

欲望もプライドも大切です。自分の中の「重心」のポイントを見つけましょう。

一般論をいくら並べても人はどこにも行けない。

一般論ばかりを偉そうに並べていないか振り返らないといけませんね。

俺は俺の弱さが好きなんだよ。苦しさやつらさも好きだ。夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。どうしようもなく好きなんだ。

自分の弱さも他人の弱さも受け入れられたら、強くなれる気がします。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

村上春樹4作目の長編小説が、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』です。1985年に出版され、第21回谷崎潤一郎賞を受賞しました。こちらも150万部以上発行されているベストセラー。「ハードボイルド・ワンダーランド」の章と「世界の終り」の章が交互に進行していきます。「ハードボイルド・ワンダーランド」の章は、暗号を取り扱う「計算士」である「私」が、自分自身に仕掛けられた「装置」の謎を探し求める物語で、「世界の終り」の章は、一角獣が生息し「壁」に囲まれた街に入ることとなった「僕」が、街の持つ謎と街が生まれた理由を探し求める物語です。
村上春樹自身は、この小説を「自伝的な小説」と位置付けていますが、読解力のない筆者には正直その真意が分かりません。物語も難解なように感じられますが、心に響く言葉は多く現れます。

トラブルの大部分は曖昧なものの言い方に起因している

曖昧に伝えることで事態がさらに悪化するのはよくあることです。気をつけましょう。

期待をするから失望が生じるのだ

期待をすることは大事ですが、過度に期待しすぎるのは良くありません。

仕事をきちんとやるのがいちばんだ。仕事をきちんとできない人間がつまらんことを考えるんだ

仕事の悩みは仕事でしか解決しません。

人間は誰でも何かひとつくらいは一流になれる素質があるの。それをうまく引き出すことができないだけの話。引き出し方のわからない人間が寄ってたかってそれをつぶしてしまうから、多くの人は一流になれないのよ。

自分には何もないと思っていても、必ず何か光るものがあるんだと信じさせてくれます。

「みんなうまくいくって信じていれば、世の中に怖いものなんて何もないわよ」 「年をとると、信じることが少なくなってくるんだ」

年を取っても、何かを信じるということを大切にしたいですね。

悪いことはかさなるかもしれないけど、いつかは終ることなのよ。永遠に続くことじゃないわ。

止まない雨はありません。明けない夜もありません。

懲りるのは良いことだ。人は懲りると用心深くなる。用心深くなると怪我をしなくなる。良い樵というのは体にひとつだけ傷を持っているもんさ。それ以上でもなく、それ以下でもない。

ひとつだけ大きな傷を持っている。大きな失敗は必要ですし、同じ過ちを二度と繰り返さないということもそれ以上に大切ですね。

君が何かを信じるとする。それはあるいは裏切られるかもしれない。裏切られればそのあとには失望がやってくる。それは心の動きそのものなんだ。

信じていれば、裏切られて、失望することだってあります。でもそれも受け止めて、信じ続けることで得られる何かがきっとあるはずです。

『ノルウェイの森』

『ノルウェイの森』は村上春樹5作目の長編小説で、1987年に出版されました。おそらく村上春樹の作品の中でも最も有名であり、国内発行部数は1,000万部を超え、世界中で読まれています。ちなみに上巻は、片山恭一の『世界の中心で、愛をさけぶ』に抜かれるまで、日本での小説単行本の発行部数歴代1位でした。2010年には映画化もされました。
主人公であるワタナベ(「僕」)と「直子」を中心に、村上春樹得意の「喪失と再生」を描いた物語です。

自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ。

どんなに自分がダメな時でも、自分に同情だけはしてはいけません。

深刻になることは必ずしも、真実に近づくこと…ではない。

なんでも深刻になれば良いというわけではありません。

つまりさ、可能性がまわりに充ちているときに、それをやりすごして通りすぎるというのは大変にむずかしいことなんだ。

可能性を信じてチャレンジし続けていきたいものですね。

死は生の対極としてではなく、その一部として存在する。

そんな風に考えられたら、死も受け止めやすいのかもしれません。

他人と同じものを読んでいれば他人と同じ考え方しかできなくなる。

人と違うことをしましょう。

死んだ人はずっと死んだままだけど、 私たちはこれからも生きていかなきゃならないんだもの。

生きていれば悲しいこともたくさんあります。それでも前を向いて生きていきたいですね。

みんな自分を表現しようとして、でも正確に表現できなくてそれでイライラするんだ。

自分を表現したくてもできない時でも、そんなもんだと思いましょう。それが普通なんです。

この記事のキーワード

この記事のライター

Thumb c079c2f7 bec4 40be a24a fb382646926e

上杉遼@美食家

aoinopapa

9

慶應義塾大学→大手金融機関→会社経営。美味しいお店の予約を取ることに一日の大半を使う自称美食家。グルメに強いこだわりを持っていますが、周りからはグルメぶっている味の分からない男といじられることも。

関連する記事

疲れた時に思い出したい。村上春樹作品に出てくる極上の名言10選
日常生活で使える漫画のかっこいい名言 ジョジョの奇妙な冒険編
彼女とのデートで使いたい名作漫画「キングダム」の名言、名セリフおすすめ10選
【実は社会派】スヌーピー名言集【大人向け】
村上春樹で聞くクラシック音楽(長編小説篇)

あわせて読みたい