疲れた時に思い出したい。村上春樹作品に出てくる極上の名言10選
村上春樹作品には多くの名言、名セリフが出てきます。今回は仕事で疲れていたり、自分に自身が持てなくなってしまった時におすすめしたい、村上春樹の名言、名セリフをお届けします。彼の言葉には力があります。心の疲れがすっとなくなる格言ばかりです。
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アイキャッチ画像出典:www.shinchosha.co.jp
小説家、村上春樹
村上春樹は、日本が世界に誇る小説家です。早稲田大学在学中にジャズ喫茶を経営する傍ら小説を書き続けました。音楽鳴り、タバコの煙に包まれ、酒を嗜みながら生まれた作品「風の歌を聴け」が群像新人文学賞を受賞し、彼の小説家としての人生が始まります。そんな彼の作品に出てくる、私たちの心を満たしてくれる名言を見てみましょう。
「耳を澄ませば求めているものの声が聞こえる。目をこらせば求められているものの姿が見える」 (『ダンス・ダンス・ダンス』)
何かに取り掛かるときは、全身全霊でその物事を注視しましょう。あらゆる感覚を使うことが大事なのです。そうすればやるべきことがおのずと見えてきます。この言葉は、人が何かに取り組む上での基本となる名言です。
「強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。 」(『風の歌を聴け』)
ときに、身の回りの人間がとても強く見えてしまう、という時があります。しかし彼も人間です。人間は皆何かしら”弱い”部分があるのです。そう思えれば心の重荷が少し軽くなりませんか。周りも自分と同じだ。そう思えれば日々の生活が一変しませんか。
「俺は俺の弱さが好きなんだよ。苦しさやつらさも好きだ。夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。どうしようもなく好きなんだ。 」(『羊をめぐる冒険』)
人間は完璧ではありません。それはまるで世界がそうあるかのように必然なのです。そんな世界はとても愛しいのです。まずは欠点も含めて自分を愛してください。この客観視は自分の次にとるべき行動に光を当ててくれるかもしれません。
「涙を流さずにタマネギを切るコツを知ってる? 涙が出てくる前に素早く切り終えることだよ。 」(『やがて哀しき外国語』)
考えるよりまず動く。あとから振り返りましょう。そのほうが良い場面は多々あります。特にたまねぎを切るような事務作業では。まずは作業を徹底的に体に覚えさせましょう。
「頭が悪いんじゃなくて、普通なんだよ。僕にも僕自身のことでわからないことはいっぱいある。それが普通の人だもの。」(『1Q84』)
自分は自分を自分が思っている以上に理解できていないのかもしれません。そしてそんな自分を絶対の普通と考えられれば、些細な自身のミスも少しは許せるのではないでしょうか。そしてこの考えは、自分という無限の存在を知る旅の出発点です。少しわくわくしてきませんか。
「人は、本当のところ、 完全な自由に耐えられないと思います。 その自由を、使いこなせない。 けれど、そういう自由を手に入れるために、 自分の思いを集中させて、がんばったりはできる。 そのほうが幸せか。 」(『海辺のカフカ』)
実は社会に属する、仕事をするという環境は人に必要なのかもしれません。それがあるからこそやりがいが生まれ、そのために日々を生きていくことができるのです。もちろん何の義務もない自由な状態で何かやりたいことが見つかれば、それに越したことはないのでしょうが。何か自分の置かれている環境に疑問が出たとき、その環境が与えてくれるものを考えてみることは大事かもしれません。
「自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ。」(『ノルウェイの森』)
可哀想という同情の気持ちを自身に持つな。これはとても胸に刺さります。自身の状況に同情すると、自己嫌悪に陥り、その状況を変えようという気力をなくしてしまいます。その状態ではさらなる悲劇が起こり得ます。まさに悪循環です。同情ではなく、次の行動への熱意を持ちましょう。
「大事なのは、他人の頭で考えられた大きなことより、自分の頭で考えた小さなことだ。」(『スプートニクの恋人』)
自分にしかできないことを意識しましょう。それがたとえだどんな小さなことでも。この世界では自分が主人公なのです。この言葉は自らの世界を広げる大きな一歩を後押ししてくれます。自分自身という世界が広がれば、何が見えてくるのでしょうか。
「信じるのよ。さっきも言ったでしょ?信じていれば怖いことなんて何もないのよ。楽しい思い出や、人を愛したことや、泣いたことや、子供の頃のことや、将来の計画や、好きな音楽や、そんな何でもいいわ。そういうことを考えつづけていれば、怖がることはないのよ。」(『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』)
誰にでも自分を信じるべき理由があります。それはどんな些細に見えるようなことでも良いのです。それらはたとえ些細でもあなたを形作った事実なのですから。何かに不安になったらこの言葉を思い出しましょう。
「どれほどこっそり息を潜めていても、そのうちに誰かが必ずあなたを見つけ出します。」(『1Q84」)
自分と向き合えば向き合うほど、他者との距離を感じるかもしれません。世界は孤独なのではないか、と不安になるかもしれません。しかし安心してください。そんな自分を見てくれている人はいるのです。この言葉は、とても優しい言葉です。
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この記事のライター
新しい物好きなうざかわ系アラサー男子。男子校で男に囲まれてきた反動から、大学以降は女性にモテることのみを考えてます。でも基本シャイなんでうまくアプローチできません。外資系メーカー→MBA→国内インフラ企業と経験。英語も話せる真面目な人間。