知る人ぞ知る!2000円までで買えるコスパ最高日本酒10選

一般的に言うと、高い日本酒は酒米も厳選し、その中のいいところだけを磨き上げて、時間をかけて醸しているので、美味しいのはある意味当たり前です。しかし、高くなくても「おっ」とうならせる美味しい日本酒も世の中には存在します。今回は、税抜き2000円という上限をあえて設けて、その中で最高のコスパの日本酒を10品目厳選しました。

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アイキャッチ画像出典:www.japan-guide.com

たまには「しばり」を決めて、良酒を探すのも楽しい

この記事を読んでいる多くの方は「美味しければ、多少費用を出しても構わない」というお考えかもしれません。その価値観には大変共感しますが、でも、たとえばF1でレギュレーションがなくなったら面白くないように、たまには何らかの「しばり」を入れて、美味しいものを探す、というのはゲーム感覚的であり、宝探し的であり、結構楽しいものです。

特に日本酒は、もちろん杜氏や蔵元の力も大きいですが、25%くらいまで究極に磨き上げたいい酒米だけで、じっくりを時間をかける、つまりコストをかけて醸した「純米大吟醸」であれば、かなりの確率で美味しいはずです。しかしそういう日本酒は、だいたい平均すれば1800mlで5000円以上はざらです。プレミアがつけば万を超えることもしばしばでしょう。

それを楽しむのもまた口福ですが、でもその一方で値段の上限を決めてその中で最高に上手い日本酒を探す、ということもまた、たまにはしてみても面白い、1つの日本酒の楽しみ方ではないでしょうか。それに意外に日本酒というものは、値段とうまさは完全に正比例してるわけでもないのです。え、これがこの値段?!ということもしばしばあります。

そこで、今回は「1800mlの容量で税抜き2000円まで」という「しばり」を自ら設定して、本当に上手い、そしてつまりはコスパ最高の日本酒を探してみました。最初に言ってしまいますが、実はこの2000円というのが微妙なのです。だいたい「安いほうの」いいお酒でも、2500円とか2200円とかの値段設定が非常に多いのです。そこを今回は、2000円+消費税分しか財布に入っていない気分で、その条件に合致する日本酒をまさに10品目厳選しました。

ぜひ、以下を見て興味を持ったお酒があれば、試してみて、そしておそらくは驚いていただきたいものです。

第1選 刈穂 醇系辛口80 (刈穂酒造)

お酒の特徴

秋田県の農業試験場が開発した地元の酒米「秋田酒こまち」を使って醸した純米酒です。安さのポイントは精米歩合80%に留めたということですが、これが逆に酒米のコメのうま味をたっぷりと引き出しているところが「醇系」という名称に現れています。

味わい

濃醇辛口。飲み口はすっきりしていますが、飲むとしっかりコメのうま味。そしてのどを通るとすっと消えていく後味の良さがポイントです。常温かぬる燗がおすすめ。

価格

2000円

出典:www.igeta.jp

第2選 千代 山廃純米(千代酒造)

お酒の特徴

奈良県の小さくても実力のある蔵元の千代酒造が、久々に山廃で仕込んだ純米酒です。加水を若干多めにして、あえて アルコール度数は14%と低く設定し、飲みやすさと、山廃の酸味、そして米のコクのバランスを生かしました。

味わい

濃醇辛口。香りは穏やかで、口に含むと麹由来の甘みや、少しの香ばしさも感じますが、基本の口当たりはすっきり辛口なので飲み飽きません。ぬる燗がおすすめです。

価格

1700円

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第3選 瑞冠 きもと 熟成純米 生原酒(山岡酒造)

お酒の特徴

純米で、かつ3年間低温熟成して2000円以下、というのは基本的にチャレンジ好きで、リーズナブルな日本酒を出すことに力を入れている山岡酒造でしかできないことでしょう。いわゆる熟成酒ですが、だからといってひねている感じや濃厚すぎる感じもなく、のど越しはむしろすっきりクールな印象です。とは言えもちろん熟成酒ならではの米のうま味はしっかり感じられます。

味わい

やや濃醇辛口。杜氏のおすすめの飲み方は70度くらいの超熱燗できりっと飲むことだそうです。

価格

1,760円(特約店限定品)

出典:zuikan.jp

第4選 杉勇 純米 出羽の里(杉勇蕨岡酒造場)

お酒の特徴

鳥海山系の伏流水を使用し、酒米と商品のコンセプトによって、伝統的な技法の「生翫」と、現代的な「速醸」を使い分けている蔵元です。この出羽の里はその中で、この蔵元の定番酒として、長らく地元だけではなく日本酒愛好家に愛されているお酒です。

味わい

やや濃醇中口。穏やかな米の香りと、おっと思うくらいの力強い深みが感じられます。常温かぬる燗でどうぞ。

価格

1808円

出典:www.umaisake.ne.jp

第5選 角右衛門 純米酒 80(木村酒造)

お酒の特徴

このお酒も、精米歩合80%のいわゆる「低精白純米酒」です。これだけ聞くと、ひたすら濃厚なうま味を予想しますが、実際に飲んでみると、使っている酵母が吟醸用であるためか、吟醸香はとてもフルーティで程よい軽さ、そしてのど越しもすっとしています。

味わい

濃醇中口。米のふっくらしたうま味が何ともいい感じです。冷やでもいいですが、ぬる燗から熱燗くらいでも力を発揮します。

価格

2000円

出典:www.hasegawasaketen.com

第6選 上喜元 純米 出羽の里 生(酒田酒造)

お酒の特徴

酒米は、新たに山形県で開発された酒造好適米「出羽の里」を使用し、これも80%の精米歩合の「低精白」です。この出羽の里というのは、少し原料的には高いコメなので、一般には1800ml3000円以上で販売する純米吟醸以上の酒で使います。しかし「上喜元」では米のうま味のでる低精白でありながら、すっきり感も出すためにあえてこの「出羽の里」を使用。その良さをしっかり生かしています。

味わい

濃醇辛口。口の含むと米のうま味と甘みが感じられつつ、少し高めに設定している酸の力で飲んだ後は絶妙な切れ味で、いくらでも飲めてしまいます。

価格

1990円

出典:item.rakuten.co.jp

第7選 信濃鶴 純米(酒造株式会社長生社)

お酒の特徴

長生社という蔵元は、中央ではほぼ無名の地元消費中心の小さな蔵です。普通はこういう蔵は、原価が安くて安定した味の出せる醸造酒を中心に醸すのですが、いきなり方向転換して、純米酒しか作らない、いわゆる「純米蔵」になったばかりか、「冷却装置付」であるサーマルタンクを導入して、全銘柄低温の醸造の蔵に変わりました。純米だけにするのも経営的には大冒険ですが、サーマルタンクの導入も非常に大きな投資です。そこまで頑張って、とにかくうまいお酒を造ろうという志を持っているということでしょう。それでいて、酒米は単価の高い美山錦を使い、精米歩合も60%まで磨いて、価格が2000円を切る、というのは相当に実は大変なことなのです。

味わい

濃醇中口。吟醸香はバニラのようでフルーティです。口に含むとかすかな甘みも感じられます。加えて、変なたとえですが、炊いた米をずっとかんでいると出てくるようなうま味を感じさせます。常温からぬる燗が美味しいでしょう。

価格

1922円

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第8選 白瀧酒造 辛口 魚沼純米

お酒の特徴

基本的に筆者は天邪鬼ですので、メジャークラスの蔵元はできるだけ紹介しないで、中規模小規模で、特徴を出して頑張っている蔵元を選んでいるのですが、その自分への「しばり」を破って、上善如水の白瀧酒造のお酒を紹介します。というのも、どうしてもこれも筆者の好みで、紹介するお酒が濃醇系になるので、1品端麗系を入れたかったのと、それを置いたとしてもこのお酒は出来がいいのです。上善如水をさらに辛口にした感じで、辛口好きの方なら非常に合うでしょう。それでいてやはり大手の力のこの価格設定。さすがですね。

味わい

端麗超辛口。すっきりとシャープなのど越しと切れ味鋭い酸味が、辛口を演出しています。それでいて、人工的ではなく米のうま味もしっかりあります。

価格

1925円

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第9選 三十六人衆 純米酒 出羽の里(菊勇)

お酒の特徴

今回ご紹介している中で何度か出てきていますが、これも酒米に「出羽の里」を使用している。これはなぜかというと、心白と言われる、醸造に必要な米の芯が大きいという特徴があるのです。したがって、精米歩合を高めなくても味ににごりがないお酒を醸せるのです。この「三十六人衆 純米酒」はその特徴を生かして、精米歩合を70%にしています。しかし出羽の里の力で、味ににごりはなく、フレッシュできれいに仕上がっています。

味わい

濃醇中口。日本全国美酒鑑評会で「お燗大賞」を受賞していますので、これは燗酒で楽しむしかないですね。といっても常温でも十分以上に美味しいです。

価格

1900円

出典:www.kigawaya.com

第10選 天の戸 美稲八〇(うましねはちまる)純米酒 (朝舞酒造)

お酒の特徴

これも精米歩合を80%までしか磨かず、うま味を存分に出した設計のお酒です。低精白ならではの、しっかりした「米の味」が堪能できるでしょう。

味わい

濃醇中口。常温またはぬる燗から熱燗がよいでしょう。特に燗酒の場合は、さらにうま味が増すのを感じられるはずです。

価格

2000円

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コスパは大切。でもすべてではない。

タイトルでつけておきながら書くのも申し訳ないのですが、コスパという言い方には若干の違和感を日常生活では感じています。コスパとはつまり投資効率が良い、ということです。しかし、世の中には投資とそのゲインだけでは判断できない価値というものもたくさんあるはずです。ですので、「コスパがいい」と書くと、「値段の割りには美味しい」という印象がありますが、しかし少なくともここで挙げた日本酒たちは、そういうレベルを超えて、価格との相対的な価値ではなく、絶対的な味覚の問題として美味しいと思います。

そういう意味で「最高コスパ」とタイトルを付けてみました。もちろん、2000円しばりというのは日本酒フリークとして選んでいても面白いことではありましたが、その結果選んだ日本酒は、コスパという言葉を超えて美味しいセレクションになったということはお伝えしておきます。ぜひ興味のあるお酒があったらお取り寄せをしてみてください。

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Daisuke HoriguchiDaisuke Horiguchi

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