【一般向け】経済効果1兆円は見えた!今さら聞けない「ラブライブ!」について総まとめします。
コンテンツ産業の雄「ラブライブ!」について渾身のまとめ記事です。
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「ラブライブ!」とは
廃校の危機を救うために立ち上がった9人の女の子たちの軌跡
東京都千代田区にある、ごくありふれた女子高校の「音ノ木坂学院」(おとのきざかがくいん)。地域の人々の想い出に育まれた歴史と伝統あるこの学院も時代の流れには勝てず、3年後に迫る学校統廃合の危機に瀕していた。そんな中、9人の生徒が立ち上がる。彼女たちは、自らがアイドルとして活動し、学校の名を世に広め、入学希望者を増やそうと考えたのだ。今、少女たちと、まだ見ぬファンのみんなで叶える物語=スクールアイドルプロジェクトが始まった。
出典:bit.ly
核となるストーリーは上記の通り、入学希望者の減少により廃校の危機に瀕した高校を救うため、自らが広告塔になるとしてスクールアイドル活動に奮闘するグループ「μ’s(ミューズ)」の女の子たち9人の話です。
本作「ラブライブ! School idol project」はKADOKAWA・ランティス・サンライズの3社の合同で2010年に立ち上げられました。アイドルものの作品であるため彼女らの楽曲はCDとして発売されていますが、立ち上げ当初はCDの売上も手売りで数百枚、ファン数十名に対して声優陣が草の根ライブを行うという、先行き不透明なスタートでした。
その後、アニメ化やスマホゲーム化などを通してファンを獲得し、現在の人気になったというものです。
(メディアミックスの詳細についても後述します)
アニメの中でも、懸命なPRにも関わらずファーストライブは観客ゼロというドン底からのスタートとなっており、そこから這い上がっていく彼女たちの姿が共感を呼んだものと思います。
「オタク向け」と切って捨てるのはもったいない
美少女たちが歌って踊ってと、ぱっと見はオタク向けのコンテンツですが、メディアミックスや企業とのコラボ、さらには株式市場においても話題になるなど、知っておいて損はないものと考えます。
コンテンツ産業と社会との関わりの一例を、本記事を通して伝えたいと思います。
「ラブライブ!」のメディアミックス抜粋
CD売上枚数は累計約200万枚
出典:sifblog.net
オリコン上位に食い込んだCDはミュージックステーションでも紹介されています。
2015年9月28日現在までで、シングル39枚+アルバム・BOX16枚の合計55枚が売り出されており、その累計売上枚数は200万枚に迫ります。
ラブライブ!の躍進ぶりはCDの売上推移にも如実に表れています。
◆ファーストシングル「僕らのLIVE 君とのLIFE」(2010/08/25)
売上枚数434枚/オリコン最高順位167位
↓
◆最新シングル「僕たちはひとつの光/Future style」(2015/07/15)
同122,592枚/2位
アニメ史に残るBlu-ray売上
ラブライブ!のアニメBlu-rayは第1期・第2期合計で全14枚が発売されており、合計65.6万枚を売り上げています。1枚当たり平均4.7万枚という数字はアニメ史に残るレベルだと言えます。
▼1枚当たり平均売上枚数は下記を参考に考えてください。
〜1,000:採算が取れないレベル
〜5,000:ものによっては採算OKだが、すぐ忘れられてしまう作品も多いレベル
〜10,000:2期が見える、ややヒットと言えるレベル
〜20,000:大ヒット、映画化などが見えるレベル
〜30,000:年に数作品しかない千両役者レベル
〜40,000:各制作会社を代表する名作レベル
それ以上:アニメ史に残るレベル(★ラブライブ!)
スマートフォン向けアプリは全世界2000万ダウンロード
出典:i.ytimg.com
2015年9月14日時点で、KLab株式会社が運営する『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』の全世界ユーザー数が2000万人を突破したとのことです。
なお、こちらの数字は重複ダウンロードを除いたユニーク数となっています。他社の某ゲームにおいては通称「リセットマラソン」による同一端末による複数ダウンロードもカウントしているという噂もありますが、その点ラブライブ!は正々堂々としていると言えます。
劇場版は興行収入25億円超、深夜アニメ作品史上最高
2015年6月13日に公開がスタートした「ラブライブ!The School Idol Movie」は、同年9月4日時点で興行収入25.3億円を突破したと文化通信が伝えています。この数字は配給会社である松竹の2010年代の邦画においては現状最高値となっています。
また、深夜アニメ全体で見ても2013年に公開された「まどかマギカ」の20.8億円を大幅に塗り替える大記録だと言えます。
表紙を飾った映画誌『Cut』は緊急増刷
ロッキング・オン社が発行する映画誌『Cut』の2015年8月号はラブライブ!が表紙を飾り、中身も30ページを超える劇場版の特集が組まれていました。
こちらは全国の書店、Amazonなどのオンライン販路においても即完売となり、異例の緊急増刷となりました。
一般企業とのコラボレーション抜粋
ピザハット×ラブライブ!
日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社が運営するピザデリバリーの「ピザハット」ですが、2014年2月24日〜同3月30日の期間限定でラブライブ!とコラボを展開しました。
ラブライブ!の舞台になぞらえてキャンペーン期間中はピザハット神田店を「音ノ木坂店」としました。
その結果、神田店の売上は前年同月比200%となり、ピザハット全支店中1位になったとのことです。
ローソン×ラブライブ!
出典:lwp.jp
コンビニチェーン「ローソン」とのタイアップキャンペーンも2015年5月5日から行われました。
ローソンと言えば総合商社トップの三菱商事が筆頭株主となり事業投資を行っていることでも有名です。三菱商事×ラブライブ!と言っても差し支えないかもしれません。
なお、セブンイレブン(三井物産)、ファミリーマート(伊藤忠商事)などもこうしたタイアップキャンペーンをたびたび行っていますので興味のある方は各社がどの作品とコラボしているのか見てみてください。
アパレルブランド×ラブライブ!
earth music&ecologyJapan Labelとのコラボ
BEAMSとのコラボ
Honey Bunchとのコラボ
ラブライブ!は女性からの支持も集めており、レディースを中心にしたアパレルブランドとのタイアップも行っています。
コラボに伴う限定アイテムも発売されましたが、現在はオークションで入手するしかないようです。
キスミント×ラブライブ!
食品大手の江崎グリコ株式会社の人気商品「ウォータリング キスミント」ともタイアップを行っています。
こちらは本記事を執筆している2015年9月28日時点でまだキャンペーン中です(〜11月16日まで)。
【株ライブ!】株式市場でも注目の「ラブライブ!」関連銘柄
「市況かぶ全力2階建」でもピックアップ
株式取引をしている人の多くが見ている人気まとめサイト「市況かぶ全力2階建」においても、ラブライブ!関連のトピックは何度も取り上げられています。
主にスマートフォン向けアプリ『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』の運営元であるKLab株式会社(証券コード:3656)にまつわる事柄となっています。
いわゆるソーシャルゲーム株であり、ボラティリティが非常に高いためにネタにもしやすいものと思います。
「μ'sお誕生日投資法」
こちらはμ'sメンバー矢澤にこの誕生日である2014年7月22日のKLab株価です。寄り付きから+20.53%という驚異の数字となっています。
ラブライブ!の主人公であるアイドルグループ「μ's」のメンバーの誕生日にお祝いで株を買う人が多いということで、「需要増→株高」を狙って誕生日にKLab株を買うという投資法を「μ'sお誕生日投資法」と言います。
こちらは、何度も誕生日を経験する中で通用しなくなってきました。情報の並列化による市場の効率化ってやつですね(違うか)。別に今でも誕生日に買ってもいいとは思っています。
出典:twitter.com
「市況かぶ全力2階建」のラブライブ!関連スレッド抜粋
みんなで叶える物語!
ラブライブ!の感動は甲子園と一緒
これは人にラブライブ!の説明をする際に僕がよく比喩として用いる表現なのですが、ラブライブ!は甲子園と近いものがあると感じています。
ラブライブ!も甲子園も共に抽象化すれば「9人のメンバーがチームで一丸となって」「高校生の間という期限が決まった時間軸で」「全国大会優勝を目指す」ストーリーだと言えます。
(甲子園はスタメン以外にもメンバーがいるよって話は置いておきます)
限られた時間の中で一つの目標に向かって力を合わせて邁進する姿は人の心を打つものと思います。
オタクになれと言うつもりは一切ありませんが、ラブライブ!をはじめとしたコンテンツは、優秀なビジネスマンたちが試行錯誤しながら生み出し、維持しているものだという視点は持っておいて欲しいと思います。
また、コンテンツと社会との関わりに幅広く目を向けるというのも面白いことだと感じていただければ幸いです。
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この記事のライター
慶應→金融→Web89年世代。幼少期からアニメと漫画に触れながら育ち、高校時代は2年半ほどネットゲームを毎日6時間以上という生活を送っていました。読みやすく納得感のあるものを書いていきたいと思っています。