音楽とは人の活力だ!音楽をテーマにしたヒューマン・ドラマ・ムービーおすすめ10選
音楽には人を自然と元気にする不思議な作用があります。私たちの生活の中には何らかの形で音楽が浸透していますが、映画の中でも音楽を軸にしたものはたくさんあります。そこで、今回は音楽を題材にした映画をご紹介していきます。
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音楽を生み出す力は心を震わせる
2017年のアカデミー賞では『ラ・ラ・ランド』が大注目を集め、さらには『SING / シング』も日本にて大ヒットしています。これらはすべて音楽を題材にしたものとなっており、現代の映画から音楽は切っても切れないものとなっています。そこで、この記事では過去に音楽を題材にした映画について紹介していきます。音楽を生み出す人間や、音楽によって常に前進を続ける人間の物語を堪能してみましょう。
シング・ストリート
1980年代、不景気の影響で私立から公立のシング・ストリート高校に転校にすることになったコナー。転校先の学校では校長やいじめっ子のバリーに目を付けられ、踏んだり蹴ったりのスタートを切ることになります。そんなコナーの前に、モデルを目指すラフィーナという女の子が現れます。コナーは彼女と親密になりたいため「ミュージックビデオに出演してくれ」と言います。ですが、コナーにはバンドの経験がありませんでした。新天地にてコナーの新たなる挑戦が始まります。
アイランド発の映画で、サンダンス映画祭にて上映されました。不況のために親は離婚の危機に陥り、さらには転校する羽目になってしまうなど、この状況は現代の日本においても当てはまるのではないでしょうか。そんな逆境に立たされても、主人公のコナーはバンドの力を信じて前進し続ける姿が印象的です。特に、ラストにてロック魂にて校長に立てつくシーンは圧巻の完成度となっています。さらに、劇中ではa-haやデュラン・デュラン、ザ・クラッシュなどの名曲が劇中に流れ、当時の空気感の再現度もバッチリです。
歓喜の歌
ある大晦日、みたま公民館主任の飯塚正(小林薫)はトラブルに見舞われていた。そのトラブルとは、公民館にて2つのコーラスグループの公演会をダブルブッキングしてしまっていたのです。飯塚ははじめごまかそうとしますが、事態収拾のために奔走することになります。
こちらは邦画になりますが、原作はなんと立川志の輔による新作落語。落語が原作ということもあって、話の展開はお見事に付きます。ラストにはきちんとオチも付きますので、見るだけで自然と元気になれる映画となっています。歌の部分についても完成度は高く、ラスト付近では女優さんたちが見事にコーラスを歌い上げます。特に、安田成美がコーラス部員を指揮するシーンは見ておきたい一幕です。
マンマ・ミーア!
エーゲ海に浮かぶある島で暮らしていたソフィ(アマンダ・サイフリッド)は、その島で結婚式を挙げることになりました。彼女には父親が居ませんでしたが、母親であるドナ(メリル・ストリープ)の日記から3人の男性と恋仲になっていたのが判明します。そこで、結婚式当日に父親の可能性がある3人の男性を招き、ドナをびっくりさせようと計画するのです。
世界的アーティストであるABBAのヒット曲『Mamma Mia 』をモチーフにしたミュージカルを、映画にしたものです。元々はイギリスのミュージカルということもあり、映画化についてはスウェーデン、イギリス、アメリカの共同制作となりました。劇中ではとにかくABBAの曲が流れ、その楽曲をメリル・ストリープが歌っているのを見るだけでも価値がある作品。ABBAの世界観を映像化したような作品で、2時間のPVを見ているような気分になります。
はじまりのうた
グレタ(キーラ・ナイトレイ)はイギリスからニューヨークにやってきたシンガーソングライターです。彼女は恋人と共にやってきましたが、彼の浮気が発覚して別れることになりました。傷心状態で活動をしていましたが、あるライブバーにて音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)に出会います。グレタの才能に惚れ込んだダンは、彼女の才能を生かして再び音楽作りをはじめます。
2013年に上映された映画で、監督はジョン・カーニーです。第87回のアカデミー賞歌曲賞にノミネートされており、音楽部分での作り込みには定評がある作品となっています。ダンは実績はありますが、新しいやり方になれることができない落ち目のプロデューサーでした。しかし、グレタと出会うことで傑作の音楽ができると信じ、ニューヨーク中を舞台にPVとアルバム作りをはじめます。心に傷を負った2人が音楽によって人生を取り戻していく姿が印象的な映画で、夢を諦めたくないときに観たくなるような作品です。
ONCE ダブリンの街角で
アイルランドのダブリンにて、掃除機店の息子である男(グレン・ハンサード)はギターの弾き語りをしていました。ある日、彼の音楽に感銘を受けた女(マルケタ・イルグロヴァ)は、自分もピアノを弾けることを彼に告げます。そして、2人は音楽を通した交流をはじめることになります。
2007年に上映され、こちらも監督はジョン・カーニーです。こちらも第80回アカデミー賞歌曲賞を受賞しており、サウンドトラックはグラミー賞にノミネートされました。主役を務める「男」と「女」はどちらもプロの音楽家で、劇中にて2人でデュエットをするシーンは震えるものがあります。また、音楽家でありながらラブロマンスも見ごたえあるものとなっており、ラストにこの2人がそれぞれの道を決断するシーンは今までの映画史を裏切ったと言っても過言ではないでしょう。
戦場のピアニスト
1930年代後半、ユダヤ人のウワディスワフ・シュピルマンはピアニストとして活動していました。しかし、1939年に第二次世界大戦がはじまるとユダヤ人というだけで迫害を受けるようになってしまいます。生活が一変する中でも戦争が終結することを信じて生活しますが、ワルシャワ・ゲットー内で強制労働を強いられる生活がはじまるのです。
ユダヤ系ポーランド人でピアニストのウワディスワフ・シュピルマンの体験を元に映画化したものです。カンヌ映画祭ではパルムドールを受賞し、アカデミー賞では監督賞、脚色賞、主演男優賞の3部門を受賞しました。戦時下ではピアノを弾けない音楽家の苦悩が刻銘に描き出されていると共に、迫害の残酷さに対して真摯に向き合っている映画となっています。ウワディスワフがドイツ将校に見つかってしまい、命令されてピアノを弾くシーンがあります。そのシーンは今まで銃声と爆撃音に包まれていたのがウソのように、ピアノによって心が凪いで行くのがわかります。狂気の中だからこそ、音楽によって救われる人間がいることを思い知らされます。
天使にラブソングを
元カトリック系の学校に通っていたデロリス(ウーピー・ゴールドバーグ)は、ビートルズなどロックな曲が好きな女の子でした。その信念は変わらないまま成長し、彼女はネバダ州にてクラブ歌手として生計を立てるようになります。ある日、デロリスのことを愛人にしているギャングのヴィンスは、裏切り者を殺してしまいます。その現場を見たデロリスは命かながら逃げ切り、警察に重要参考人として引き取られます。ヴィンスの裁判が行われるまでの間、彼女はキャサリン修道院にかくまわれることになるのです。
1992年に制作された洋画。主演のウービー・ゴールドバーグの知名度を一気に広げたものとなり、コメディ映画の代表作となっています。自分が嫌っていた環境に再び飛び込むことになるストーリーの巧妙さと、デロリスの指導によって聖歌隊が成長していく過程が魅力。はじめは派手なパフォーマンスの賛美歌に異論を唱えた修道院長の考えも変わっていき、誰もがハッピーになれる映画となっています。
ジャージー・ボーイズ
床屋の見習いだったフランキーは、トミーと一緒にジャージーにていつもつるんでいました。しかし、フランキーには歌のセンスがあり、ニッキーも彼の実力には目を付けており、いつも練習をしていました。フランキーとトミー、ニッキーの3人の実力は日々高まり、彼らをよく知っているジョージは作曲をしているボブと引き合わせます。3人の歌声に才能を感じたボブは曲を書き始め、ついにヒット曲となる「シェリー」を生み出すのです。そして、フォー・シーズンズとしての活動が始まります。
フォー・シーズンズの実話を基にしたトニー賞受賞ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』を、クリント・イーストウッドが映画化したものです。伝説の音楽グループの光と闇を余すことなく映像化しており、グループの人気が高まることで起こる金銭問題や人間関係もしっかり映し出しています。映画は各メンバーが当時を振り返るように語り口調となるシーンがありますが、すべてがラストへの演出のためとわかったときには監督の偉大さに脱帽してしまいます。その演出もあり、フォー・シーズンズの名曲をラストに歌うシーンからは目が離せません。
バーレスク
歌手になることを夢見て、アイオワからロサンゼルスにやつてきたアリ(クリスティーナ・アギレラ)。しかし、いきなりの都心に戸惑ってしまうアリは、とりあえず仕事を探して「バーレスク・ラウンジ」に入ります。そこではバーを経営するテスが、派手な舞台を繰り広げていたのです。そのショーを見入ってしまったアリは、舞台に立ちたい一心で、「バーレスク・ラウンジ」で働くことを決めます。
2010年に公開されたアメリカで、シンガーソングライターのクリスティーナ・アギレラが初主演をすることでも話題になりました。この映画の魅力は、とにかくクリスティーナ・アギレラが舞台にて派手な衣装で歌うこと。当時人気絶頂だったクリスティーナ・アギレラの歌唱力もあり、バーのショータイムシーンは迫力満点。夢の実現を目指して前進を続ける女性から元気をもらえる映画です。
セッション
アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)は偉大なドラマーになることに憧れている学生で、アメリカでも有名な音楽学校に入学しています。そこで出会ったのが、学内でも最高の指揮者として知られるテレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)でした。彼は指揮者としては非常に優秀でしたが、その練習は地獄とも言われていました。ニーマンもフレッチャーのスタジオで演奏することになりますが、その日から罵詈雑言を掛けられる日々が始まってしまったのです。
『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督の作品で、いきなりアカデミー賞3部門を受賞した怪作でもあります。監督自身の体験談も色濃く出ている映画で、シモンズ演じるフレッチャーは異常そのもの。張り手は当然でイスも投げつけるレベルの教師です。しかし、この映画のラストで見せるニールのドラムシーンを見ていると、本物の音楽はそれだけ人間同士のぶつかり合いがないと生まれないのかと思わされる不思議な作品となっています。
音楽を題材にした映画で魂のぶつかり合いを感じる!
音楽は人をいやす効果があるのと同時に、今回の映画で紹介したように人間同士が純粋にぶつかり合えるものだと私は思います。音楽を題材にした映画は、そのような魂のぶつかりあいを感じられるものが多くなっており、今回は特にそのような映画をピックアップしました。ぜひ、心の底から揺さぶられる感覚を実感してくださいね。