映画でよく流れているちょっと有名なクラシック音楽
映画では、邦画でも洋画でもクラシック曲はたくさん使用されています。有名な曲はクラシックに馴染みがない人でも「耳にタコ」だと思いますので、それ以外の馴染みがないけれど美しい曲と思えるものを集めて5曲ご紹介します。
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ドラマチックなメロディならクラシックにおまかせ!
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クラシック音楽は、まだまだ有名になってはいない曲がたくさんあります。サティなども30年ほど前は全く知る人がいなかった一人です。クラシック界は、埋もれてしまった作曲家がたくさんいますが、映画やテレビで使用されてたちまち広く知られることになることも多いのです。クラシックは決して近寄りがたい音楽ではなく、ドラマチックで情熱的で美しく、頭から離れなくなるメロディに溢れています。そのような曲を5曲これからご紹介します。ぜひ最期まで聴いてみてください。
1. ショパン ピアノソナタ第2番 葬送付き
ショパンはピアノの詩人と呼ばれており、その名の通り生涯ピアノという楽器にのみ情熱を捧げた作品は、200年経った今でも人気は衰えることはありません。どの曲も映画にはよく使われていますが、この葬送付きソナタは「葬送」の部分だけがとても有名です。様々な映画に用いられていますが、近年では「アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅」に使われていました。
ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番&第3番、舟歌
価格 1,651円
2. ハチャトゥリアン スパルタクスとフリギアのアダージ
ハチャトゥリアンは、旧ソ連時代に活躍した巨匠です。最近では「仮面舞踏会」がフィギュアスケートの音楽で使用されていましたが、メロディーが大変印象的です。この「スパルタクス」もよく知られている曲で、バレエ組曲の中の一曲になっています。ローマ時代の偉人の闘いを描いたもので、劇的な盛り上がりのある曲で、現代の映画音楽、劇付随音楽としてよく調和する作品です。映画は「うたかたの恋」「アイスエイジ2」に使用されています。
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「スパルタクス」
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3. サンサーンス 死の舞踏
サンサーンスは、動物の謝肉祭が人気で映画にはかなり使用されていますが、この「死の舞踏」という曲も様々な楽器に編曲されており人気があります。15世紀以降、ヨーロッパでペストが流行り、死に対しての恐怖から狂乱的に踊り続けるという現象が人々の間に見られたという歴史があります。絵画で死神や骸骨が踊るというモチーフが流行し、音楽にもサンサーンスが題材として取り入れたり、リストがピアノ曲に編曲したものが有名です。深夜の12時の鐘が鳴り、死者が舞踏を始める様子が不気味で、とても印象的な曲です。映画は、「ヒューゴの不思議な発明」で使用されていました。
サンサーンス:交響曲第3番「オルガン」、死の舞踏、バッカナール、他
価格 1,090円
4. スクリャービン エチュード 作品8の12
スクリャービンはロシアの作曲家です。ライバルとされる作曲家にラフマニノフがいます。神秘主義として有名ですが、初期の頃は「コサックのショパン」と言われロマン派の流れを汲む美しいメロディを残しています。この曲はスクリャービンの代表作と言ってよいもので、有名な作品です。彼は、スキップや跳躍、「空を飛んでいる」ような雰囲気を好み、自身がピアノの名手であったこともあるため演奏が難しい作品がほとんどです。この曲も左手の跳躍が難しいのですが、情熱的で悲劇的な雰囲気を持ち演奏効果が高いのでピアニストに人気があります。映画は、「ラフマニノフ ある愛の調べ」というラフマニノフの伝記映画で使用されています。ラフマニノフは、スクリャービンの死に際して葬儀の時に棺を担いで参列し、友人の死を悼んだといわれています。
Complete Etudes. 12 Etudes Op. 8. 8 Etudes Op. 42
価格 2,307円
5. プーランク 愛の小道
プーランクは、フランスの作曲家です。ラフマニノフを思わせる巨大な体格の持ち主でありながら、大変繊細な曲を書いています。ちょっとシニカルな中に、とてもセンチメンタルな一面を一瞬覗かせるところがあり、虜になるようなメロディがいつまでも頭に残ります。この曲は、いかにもシャンソンらしい雰囲気を持ちクラシックファンの間では人気がありますが、一般的にはあまり広く知られてはいないようです。映画は、「ヘンリー&ジューン」という作家のヘンリー・ジェームスの伝記映画で使用されています。
Francis Poulenc: Oeuvres completes
価格 3,700円
映画の中でクラシック音楽を楽しむ
いかがでしたでしょうか。映画の中に豊富に使われるクラシック曲は、映画に重厚さや、ちょっとした「品格」を添える効果があるのではないでしょうか。それは、決して気取っているわけではなく、すんなりと自然に耳に心地よく聴こえてくることに誰も異議がないと思うのです。もし、これから映画館に行って映画を楽しむなら、ちょっと音楽にも気をつけてみてくださいね。重厚な音の響きの中に、クラシック音楽を見つけられるかもしれません。
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この記事のライター
検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。