劇中のクラシック音楽が魅力的!心が震える大ヒット映画5選
映画音楽はお好きですか?ヒットした映画はオリジナルで曲だけではなく、クラシック音楽の名曲がいっぱい使われています。映画としても「いい感じ」を出しているものを5つ選んでご紹介します。
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音楽の存在感がやっぱり大きい
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クラシック音楽は古い時代のものですから、現代を時代背景にしていると合わないように思うかもしれません。でも、実はそんなことはありません。選曲が良いと映画自体も生き生きとしてきます。そういった映画はヒットすることも多く、クラシック音楽の力も借りて「成功」しているように思えます。
評判の良い映画を5つ選びましたので、まだご覧になっていないようならぜひお勧めいたします。
1. 2001年宇宙の旅
映画史上における最高傑作ともいえる映画ですので、すでにご存知かと思いますが改めてあらすじと音楽をご紹介します。映画の始まりはパロディ化されるほど印象的です。遠い昔、人類のはじまりである猿人が、知能を発達させ、道具として骨を利用することをほのめかすシーンです。高く空に投げられた骨は、予想通りに人類に知恵をもたらし、科学を発展させ「宇宙へ」と向かわせます。一気に2001年へと飛び、宇宙飛行士と人工知能を持つスーパーコンピューターHALとの確執と闘いが始まるのですが、死闘の末何とか船長はHALを阻止することができ未来へと希望をつなぎます。この映画は1968年にすでに宇宙開発を予想し、コンピューターの暴走までも予感していることから、注目を集めています。 考えさせられる映画でした。
使われた音楽は、
ハチャトゥリアンの「ガイーヌ」第1番よりアダージョ
リゲティの「永遠の光を」
リゲティの「無限の宇宙」
リゲティの「レクィエムよりアリア」
シュトラウス2世の「美しく青きドナウ」
R・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」
リゲティの「ロンターノ」
ドリーブの「コッペリア」
リゲティの「ヴォルミナ」
ウェーベルンの「軽い小舟で逃れよ」
R・シュトラウスの「ばらの騎士」
ハチャトゥリアンの「ガイーヌ」子守歌
グノーの「ファウストからワルツ」
2. ベニスに死す
ドイツの文豪「トーマス・マン」の小説による映画です。小説も映画もかなりゆっくりと進行するので、ちょっと理解が難しいかもしれません。主人公の作曲家の男性は、ベニスで美しい青年に恋をします。密かな恋心を胸に、偶然の再会を期待しながら街を歩くのですが、ちょうどその頃疫病が流行りだしており感染してしまうのでした。若作りをし、白髪染めの黒い色が汗で滲み出ながら、力尽きていきます。海辺の美しい青年を最期の視界に入れ、息絶えるのでした。単純なストーリーながら、ヴィスコンティが美しい風景と音楽で仕上げています。
使用された音楽は、
ムソルグスキーの「子守歌」
レハールの「メリー・ウィドウ」
プッチーニの「蝶々夫人より、変わらぬ愛を」
ベートーヴェンの「エリーゼのために」
マーラーの「交響曲第3番第4楽章」と「交響曲第4番第3楽章、第4楽章」
そして名曲マーラーの「交響曲第5番第4楽章アダージェット」です。1971年製作です。
3. ゴッドファーザー・パート3
ゴッドファーザーは、いわゆる「やくざ映画」ですがアメリカでのイタリア移民のギャングの抗争を描いています。主役である組織の後継者となる青年は、自分の運命を拒否しながらも指導者となっていきます。黒い社会で権力を握ることとは反対に愛を失い、苦悩し、ついに1人になり孤独のうちに死ぬまでを描いています。ギャングを美化するような映画は、今日では倫理的にタブーかもしれませんが「イタリア歌劇」を鑑賞するシーンなどが印象的です。
使われた曲は
ボロディンの弦楽四重奏曲第2番第3楽章
マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナより前奏曲、間奏曲、シチリアーナ、天井の聖母よ、フィナーレ
ヴェルディのナブッコから行け、わが思いよ、金色の翼に乗って
特に、マスカーニの間奏曲はとても美しいのでオススメです。1990年製作のアメリカ映画。
4. さよならをもう1度
フランスのフランソワーズ・サガンの小説を映画化したもので、美しい人妻扮するイングリッド・バーグマンの20歳年下青年アンソニー・パーキンスとの恋を描いた悲劇です。原題は「ブラームスはお好き」です。題名通り、「ブラームスの交響曲第三番三楽章」の美しいメロディーが、叶わぬ恋の破局に効果的に使われていて印象的です。他にも、「ブラームスの交響曲第一番」と「チャイコフスキーの弦楽セレナーデ」が用いられています。1961年作。
5. ある日どこかで
スーパーマンを好演していたクリストファー・リーブ扮する青年が、ある日時間を越えて過去に戻り、美しい女優に恋してしまい、かなわぬ運命に苦しむという悲劇です。相手役の女性は、007のボンドガールも演じたことのある美女ジェーン・シーモアが当たり役でした。エンディングが、アッと思わせて泣かせるストーリーとなっていますので、最後までご覧下さいね。「ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲第18変奏アンダンテ・カンタービレ」が用いられていて、とてもロマンチックな映画に仕上がっています。1980年作です。
音楽と一体化した殿堂入り映画
いかがでしたでしょうか。クラシック音楽が一部に使用されている映画は、数え切れないほどあります。むしろ、その音楽を聴くと映画が思い出されるというくらい存在感は大きく、映画と一体化しているとさえ言えます。そういったことに成功した映画は殿堂入りした映画に属しています。クラシック音楽は、旋律の美しさにおいては王道を行っています。これからも映画とクラシック音楽は切り離せないのではないでしょうか。
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この記事のライター
検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。