GM(ゼネラルモーターズ)のおすすめ人気車種・シリーズを徹底解説
ミッドセンチュリーに栄華を誇り、ビッグ3の一角を担ったゼネラルモーターズ。日本国内では傘下のキャデラックとシボレーを展開しており、アメリカを象徴するモデルをリリースしています。ゼネラルモーターズのブランドとおすすめモデルをご紹介しましょう。
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アイキャッチ画像出典:www.cadillacjapan.com
ミッドセンチュリーに栄華を誇ったGM
歴史
1908年にアメリカのミシガン州でW・C・デュラントが設立したゼネラルモーターズ。フォード・クライスラーと共にビッグ3と呼ばれるアメリカの3大自動車メーカーの1社であり、ミッドセンチュリーには世界的にも最大級の自動車メーカーとして栄華を誇りました。
創業当初からビュイックやキャデラックなど現在も傘下とするブランドを買収し成長。初期のフォードが1モデルを大量生産していたのに対して、ゼネラルモーターズは様々なモデルを製造販売したことで躍進しました。1927年には日本ゼネラルモーターズを大阪に設立し、大戦までの13年間に15万台を生産。戦後の1950年代にはアメリカで最大規模のメーカーとなり繁栄しました。
オイルショックを乗り切りましたが、2000年代に入り小型車やローエミッションカーへの対応が遅れたゼネラルモーターズ。2009年には経営破綻し国有化、しかし2013年に国有化を解消し新たなゼネラルモーターズとなりました。
現在はキャデラック・ビュイック・シボレー・GMCをはじめ、オーストラリアや中国のブランドが傘下。日本国内にはキャデラックとシボレーが正規輸入されています。
国内で正規販売されているキャデラックとシボレーからおすすめするモデルをご紹介しましょう。
キャデラック
歴史とモータースポーツ
1902年に設立され、1908年にはアメリカの自動車メーカーとして初めてイギリスのロイヤル・オートモービル・クラブから部品互換性の高さを表彰されたキャデラック。1909年にW・C・デュラントに請われてゼネラルモーターズの傘下となり、以来同グループの高級車部門を担っています。
1950年代にはテールフィンを備えてクロームメッキで飾るなど、アメリカンドリームを象徴するモデルをリリース。エアサス・パワステ・ATなど先進の技術を投入、富裕層に好まれ歴代大統領の専用車としても採用されてきました。
オイルショック以降はダウンサイジングやFF化を行いかつての派手さはなくなりましたが、スマートでシャープな印象になりました。
モータースポーツ活動も行うキャデラックは、1949年にストックカーレースでの優勝を皮切りにナスカーレースで活躍しその後ル・マン24時間レースにも挑戦。現在はピレリワールドチャレンジGTシリーズに参戦しています。
ラインナップ
国内では3モデルのセダンとクロスオーバー・SUVをラインナップ、ハイパフォーマンスなV-シリーズも用意します。
【セダン】
ATS、CTS、CT6
【V-シリーズ】
ATS-V、CTS-V
【クロスオーバー・SUV】
XT5 クロスオーバー、エスカレード
代表的なテクノロジー
【マグネティックライドコントロール】
磁性流体減衰力制御システムを利用し、1,000分の1秒単位で減衰力を制御するサスペンション。段差の衝撃を吸収し、安定性が高く快適な乗り心地を実現します。
【アクティブオンデマンドシステム】
後輪駆動をベースに路面状況をモニターしながら前後のトルク配分を制御するAWDシステム。様々な路面や走行シーンで的確なトラクションを確保します。
【エンハンスドナイトビジョン】
サーマルテクノロジーを利用して夜間に人や動物を検知。メーター内に赤外線画像を映します。
セダン
ATS
キャデラックのエントリーモデルにしてスポーツセダンの「ATS」。「プレミアム」のみのシングルグレードで高性能な「ATS-V」も用意します。
高出力な直噴ターボエンジンとクロスステップの8速ATを組み合わせて、差動制限機能を持つLSDを介して後輪を駆動。アルミやマグネシウムなどの素材を用いて軽量化された高剛性ボディは、理想的な前後重量配分を実現し高い運動性能を発揮します。独自のマグネティックライドコントロールサスペンションが優れたハンドリングと乗り心地を提供。ニュルブルクリンクで鍛えられた走りを体感できます。
エアロダイナミクスを追求したシャープなフォルムを持つ精悍なエクステリア。細部までクラフトマンシップが行き渡るインテリアは、プレミアム素材を用いた上質な空間です。直観的な操作感のナビやスマートフォンと連携するコネクティビティをはじめ、先進の装備も充実しています。
グレード :プレミアム
ボディサイズ :全長4680×全幅1805×全高1415(mm)
エンジン :2.0L-L型4気筒 276PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :後輪駆動
車両本体価格 :5,697,000円~
CTS
ミドルレンジのセダンが「CTS」。「プレミアム」のみのシングルグレードで、ハイパフォーマンスな「CTS-V」も用意します。
直噴ターボと8速ATを組み合わせ、アクティブオンデマンドシステムを備えたAWDが前後輪に最適なトルク配分を行うことでシーンを選ばず高い走行安定性を発揮。理想的な重量バランスを実現し、ブレンボ製のブレーキが安定したフィールで制動力を発揮します。そしてマグネティックライドコントロールサスペンションが路面状況に応じて制御。快適性に優れた乗り心地を提供します。
伸びやかなルーフラインがクーペのようなシルエットを描き、シャープなサイドビューがエレガンスを表現するエクステリア。上質なレザーを使い手技で仕立てられたシートをはじめ、ウッド・カーボンなどマテリアルを厳選したラグジュアリーなインテリアがクラフトマンシップを感じさせます。エアコンは3ゾーンでオーディオはボーズ製のプレミアムなシステム。ナビやコネクティビティなどインフォテイメントも備えます。
【スペック例】
モデル :プレミアム
ボディサイズ :全長4970×全幅1840×全高1465(mm)
エンジン :2.0L-L型4気筒 276PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :7,457,400円~
CT6
キャデラックの最上級セダンが「CT6」で、「プラチナム」のみのシングルグレードです。
高圧鋳造アルミや高強度鋼を用いて、軽量・高剛性を実現した革新的なボディ構造のフュージョンフレームを採用。新世代のV6エンジンにアクティブオンデマンドのAWDを組み合わせて、意のままのハンドリングと高い走行安定性を発揮します。マグネティックライドコントロールサスペンションが快適性を生み出し、アクティブリヤステアによってフルサイズのボディでも余裕を持った取り回し。ショーファードリブンとしても、ドライバーズカーとしても高いパフォーマンスを発揮します。
デザインコンセプトの”アート&サイエンス”を表現する存在感のあるエクステリア。独自の製法で仕立てられたインテリアは、最上級のマテリアルを駆使して熟練の匠が仕上げる寛ぎの空間です。4座にマッサージ機能を備え、リヤシートにもパワーリクライニングを装備。ウルトラビューパノラミック電動サンルーフで開放的なドライブが愉しめます。サウンドシステムは「CT6」専用に開発されたボーズ製の最高峰で、リヤシート用ディスプレイやコネクティビティも充実。リヤカメラの画像を映すミラーや、夜間に心強いエンハンスドナイトビジョンなど先進のアイテムも備えました。
グレード :プラチナム
ボディサイズ :全長5190×全幅1885×全高1490(mm)
エンジン :3.7L-V型6気筒 340PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :9,990,000円~
SUV
XT5 クロスオーバー
「SRX」の後継車としてデビューした「XT5 クロスオーバー」。「ラグジュアリー」と「プラチナム」の2グレードを用意します。
直噴エンジンにクロスステップの8速ATを組み合わせて四輪を駆動。ラグジュアリーなクロスオーバーとして俊敏な走りと快適な居住性を融合しています。ウェッジシェイプで力強さを感じさせるエクステリアにはモダンな造形のシグネチャーライティングをセット。個性的で大胆なシルエットやディティールが視線を集めるスタイルです。
ウルトラビューパノラミック電動サンルーフを備えたインテリアは開放感があるモダンなデザイン。ノイズを逆位層の音で打ち消すボーズ製のアクティブノイズキャンセレーションが高い静粛性を実現しました。3分割の可倒式リヤシートを備え、ラゲッジはフレキシブルなアレンジが可能。先進的なコネクティビティや、パーキングをアシストするサラウンドビジョンも備えます。
グレード :ラグジュアリー
ボディサイズ :全長4825×全幅1915×全高1700(mm)
エンジン :3.7L-V型6気筒 314PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :6,685,200円~
エスカレード
キャデラックのフラッグシップSUVが「エスカレード」。「プレミアム」と「プラチナム」の2グレードを用意します。
直噴システムや可変バルブタイミング機構を備えた新世代のV8エンジンを搭載し、セレクタブル4WDシステムを介して四輪を駆動。超高張力鋼板を用いた強固なボディと相まって高い走破性を発揮します。サイズ感が際立つエレガントかつ彫刻的なエクステリアは、力強くアメリカンドリームの成功者をアピール。唯一無二の圧倒的な存在感を醸し出ます。
キャデラックの”最高傑作”と謳われるインテリアは、セミアニリンレザーや本木目など厳選したマテリアルを用いて熟練の匠が造り上げる空間。広々とした居住空間とアレンジが多彩で広大なカーゴスペースを備えます。そして3重のドアシールなど各部の遮音対策によって高い静粛性を実現。専用のボーズ製サラウンドシステムやコネクティビティなど先進のアイテムも装備しました。
【スペック例】
グレード :プラチナム
ボディサイズ :全長5195×全幅2065×全高1910(mm)
エンジン :6.2L-V型8気筒 426PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :2/4輪駆動
車両本体価格 :12,600,000円~
シボレー
歴史とモータースポーツ
1911年にスイス出身のレーサーであるルイ・シボレーの名を冠して創業したシボレー。W・C・デュラントが共同設立者であり、彼によってボウタイ:蝶ネクタイ型のエンブレムが採用されたと伝わっています。
1918年にシボレーはゼネラルモーターズの傘下となり、低価格モデルやトラックなどを製造。戦後の1953年に現在でもラインナップされているコルベットがデビュー、ゼネラルモーターズ初のスポーツカーでした。
1967年にはカマロが登場して若者の憧れに、その後も低燃費車やSUVをはじめ電気自動車など様々なモデルを造り出しました。
ナスカーレースで活躍したシボレーはデイトナ500でも多くの勝利を獲得。1990年代にはコルベットがスピード耐久レースの記録を更新し、2011年にはル・マン24時間レースでクラス優勝を果たしています。
ラインナップ
国内ではカマロ・コルベット・キャプティバの3モデルをラインナップしています。
クーペ
カマロ
1967年に初代モデルがデビューし大人気となった「カマロ」。現行型は6代目でコンバーチブルや、V8エンジンを搭載するハイパフォーマンスな「SS」など3グレードを展開します。
ご紹介するのは「LT RS」で、アルミニウム&コンポジット素材によって軽量・高剛性を実現したボディにターボエンジンと8速ATを搭載。ブレンボ製の強力なブレーキシステムや、コントロール性の高いサスペンションを装備します。ドライバーモードセレクターでドライバーの好みや走行シーンにあわせて車両制御をカスタマイズ。優れたパッケージングで俊敏なドライバビリティを発揮します。
ジェットエンジンを模したエアコンルーバーをはじめ、独創的なデザインのダッシュボードを備えるインテリア。一体感のあるコックピット空間で、インフォテイメントやコネクティビティも充実しています。
【スペック例】
モデル :LT RS
ボディサイズ :全長4780×全幅1900×全高1340(mm)
エンジン :2.0L-L型4気筒 275PS
トランスミッション:8速AT
駆動方式 :後輪駆動
車両本体価格 :5,162,400円~
コルベット
1953年に初代モデルのC1型がデビューし、現行のC7型で7代目を数える「コルベット」。2グレードがあり、それぞれにコンバーチブルも用意します。
ご紹介するのはレーシングマシン「C7.R」と同時開発された「Z06 クーペ」。専用直噴エンジンは高回転型スーパーチャージャーや気筒休止システムなどのテクノロジーを投入し、圧倒的な動力性能を発揮します。そしてヒール&トゥを実現するアクティブレブマッチング機能を備えた7速MTを搭載。トランスアクスル構造やドライサンプの採用で重量配分を最適化し、ブレンボ製のブレーキが強力な制動力を発揮します。
高いサポート性を備えるバケットシートや、フラットボトムのステアリングなどを備えたレーシーなインテリア。ダッシュボードのカラースキームがコックピット感を強調し、高揚感を昂ぶらせる設えです。8incのタッチスクリーンで操るインフォテイメントも備え、スマートフォンとの連携にも対応します。
【スペック例】
モデル :Z06 クーペ
ボディサイズ :全長4515×全幅1970×全高1230(mm)
エンジン :6.2L-V型8気筒 659PS
トランスミッション:7速MT
駆動方式 :後輪駆動
車両本体価格 :14,679,900円~
SUV
キャプティバ
国内でリリースされる唯一のSUVが「キャプティバ」。安心の右ハンドル仕様で2グレードを用意します。
高効率なエコテックエンジンにマッチングの良い6速ATを組み合わせて、アクティブオンデマンドのAWDシステムが四輪を駆動。オールラウンドな走行性能を発揮し、様々なライフスタイルに対応します。ミドルレンジのボディに3列のシートを備えて乗車定員は7名を確保。2列目と3列目は分割可倒式のためフレキシブルなアレンジが可能です。
グレード :キャプティバ
ボディサイズ :全長4690×全幅1850×全高1790(mm)
エンジン :2.4L-L型4気筒 167PS
トランスミッション:6速AT
駆動方式 :4輪駆動
車両本体価格 :3,790,000円~
新たな時代を走るゼネラルモーターズの自動車
高級車からスーパースポーツまで、アメリカンドリームを感じさせるゼネラルモーターズのモデル。新しい時代に対応した新生ゼネラルモーターズをご紹介しました。
※ 掲載内容は執筆時点、スペック・価格等は参考で変更になる場合があります。
※ 画像とグレードは一致しない場合があります。
※ 一部日本仕様と異なる場合があります。
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この記事のライター
信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。