休日はのんびり読書。さくっと読めて心も休まるオススメ小説5選
バタバタ忙しいこの時期、休日くらいはのんびりお家で過ごして、心身ともに休めたいものですよね。そんなときに、さくっと読めて心もほっこりするようなオススメの小説を紹介します。
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アイキャッチ画像出典:www.flickr.com
思わず温かい涙の流れる、ほっこり感動系おとな向けファンタジー
小さい頃にはよく読んだファンタジー物も、大人になるにつれてなかなか読まなくなってしまう人も多いかと思います。
この本を読むと、気づいたらいつもと違う世界にいる…!なんていう展開にワクワクしていたあの頃の気持ちが、思わずよみがえります。
現在の生活に飽き飽きしていた主人公が、天国にある書店で働き始め、読み聞かせという行為によって次第に自分自身だけでなく周囲の人までをも変えていくというストーリーです。ファンタジーと言っても、天国の書店という設定以外はごくごく普通の生活が描かれています。のんびりした雰囲気の漂う文体は、まさに春に読むのにぴったりの作品かもしれません。
文庫本に散りばめられた、薄い色彩の挿絵にも注目です。
この小説はシリーズ化されていて、同シリーズの数作品中では、他の主人公が天国の書店で働き現実の自分を変えていく様が描かれています。まずは一作品目のこちらを読んでみて、もし気に入ればぜひ他の作品も読んでみてください。展開こそは同じでも、それぞれ違った良さがあります。
家族の数だけ、それぞれの空気や匂い、味がある
なんとなく心を鎮めたいときにオススメしたい作家、江國香織さんの作品です。
江國香織さんといえば女性向きの恋愛小説を書いているというイメージが強いかもしれませんが、こちらの作品は男性にもオススメの家族小説です。
物語の起伏は緩やかで、話の展開というよりは江國香織さん独特の細やかで洗練された文体と、全体に漂うゆるい空気感を味わうという楽しみ方をオススメします。
大学に通わず自由気ままな生活をおくる三女の主人公、のんびりものでお嫁に行ってしまった長女、妙ちきりんで心優しく孤独な次女、家族の中でいちばんまともでしっかり者だけど学校では変わり者扱いの末っ子の弟。
この風変わりな一家の生活の様子をなんとなく眺めているうちに、不思議と気持ちが落ち着きます。
ショートショートと言えばこの人。言わずと知れたSF作家の代表作
SF小説と言えば星新一。
短編集なので、どの作品も気軽にさくさく読めます。40年以上も前に書かれたとは思えないくらい、いや、むしろ現代ではリアルに感じられるような"近未来"的な話もあり、発行当初とは違った楽しみ方も出来るかもしれません。
さすが、名作はいつまでも色あせないとはまさにこのことでしょう。
大人気作家の、ブラックユーモア短編集
短編集続きとなりました。
こちらは大人気作家東野圭吾さんの作品です。
多くの名作ミステリーを生み出す東野さんですが、こちらの作品は少し違ったジャンルに分類されます。他にも歪笑小説や毒笑小説などのシリーズ作品がありますが、この短編集はタイトル通りの"ブラックユーモア"作品集です。
ミステリー小説を多く書いている東野さんだからこそ生みだせる、最後に思わずハッとなる緻密な伏線が張られていてさすがです。
心がほっこりする、という趣旨とは少しズレてしまっているかもしれませんが、思わずニヤニヤしてしまったりスカッとしたり、気分転換にはぴったりの作品なので紹介しました。
忘れてしまった世界を思い出す、子どもや猫、犬から見た不思議ワールド
最後は、鴨川ホルモーや鹿あをによしなど映像化された作品で知られる、万城目学さんの小説です。
主人公は、元気いっぱいな小学校一年生のかのこちゃんと、かのこちゃんの家の飼い猫であり、"外国語"を話すことのできるマドレーヌ夫人。この一人と一匹の視点から、かのこちゃんの成長や、マドレーヌ夫人の愛する者に対するひたむきな様子が描かれています。
小中学生でも楽しめるような内容となっていますが、大人だからこそわかる"大切な者や物を失うということ"の寂しさや、その事実を受け入れてゆく様があたたかなタッチで綴られています。大人向けの児童文学、という少し矛盾した表現がぴったりの作品です。
休日は、読書で心のエネルギーチャージ
普段パソコンやスマートフォンの画面の文字を追って疲れている方は、お気に入りの本を手にとり、のんびりとページをめくる、それだけで心が休まるのではないでしょうか。
たまには仕事とは関係のない本を読み、ほっと一息つくのも良いかもしれませんね。
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この記事のライター
都内リケ女大学2年生。趣味は読書、ダンス、ホットヨガ。