パリをもっと深く愉しめる。パリに行く前に触れたい本と映画10選

花の都パリ。モード、アート、美食など、世界のカルチャーの中心地でもあるこの町に訪れるなら、ある程度の知識があった方が深く楽しめます。今回は、パリ旅行の前に予習しておきたいおすすめ本&映画をご紹介しましょう。すでにパリに行ったことがある人も、きっともう一度パリに足を運びたくなるはずです。

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パリに行くならこの5冊を読もう

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出典:www.lejsl.com

パリの歴史や文化、そしてそれぞれのカルチェの雰囲気が伝わる本をセレクトしました。ご紹介する5冊を読んで、パリにまつわる教養と愛を深めましょう。

旅のお供に。『文学的パリガイド』鹿島茂著

こちらは、ヴィクトル・ユーゴーやバルザック、アレクサンドル・デュマなどフランス文学界に輝く文豪のエピソードやパリを舞台にした文芸作品にちなんだ、文学的なパリガイドです。凱旋門やエッフェル塔、ノートルダム大聖堂にオペラ座など、お馴染みの観光スポットも本書を読んだ後に訪れてみるとまた新たな魅力を発見できます。簡単な観光ガイドやアクセス情報も収録されているので、ぜひパリ旅行のお供にポケットに忍ばせて。

『文学的パリガイド』のおすすめスポット「ノートルダム大聖堂」

1991年にはユネスコ世界遺産にも認定された、言わずと知れたパリの名所です。「ノートルダム大聖堂の高さがパリの街と見事に調和しているのである」と本書にあるように、ノートルダム大聖堂からのパリの眺めが一番美しいので、ぜひご自分の目で確かめてみてください。ノートルダムからの眺望にインスピレーションを受けて『ノートル=ダム・ド・パリ(ノートルダムの鐘)』を著した若き日のヴィクトル・ユーゴーのように、豊かなイマジネーションの世界に誘われることでしょう。

ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame)
住所 6 Parvis Notre-Dame Place Jean-Paul II, 75004 Paris
RER C線  サン・ミッシェル(Saint Michel)
メトロ 4番線 サン・ミッシェル(Saint Michel)
オープン時間 8時~18時45分(土日は19時15分まで)

20年代の華やかなパリ暮らしを追体験『移動祝祭日』アーネスト・ヘミングウェイ著

時代を超えて愛されている、パリジャンの心の拠り所ともいえる本書。ヘミングウェイ最晩年の作品ですが、彼が青年時代を過ごした1920年代のパリでの回顧録となっています。本書のタイトルは、「もし君が、幸運にも青年時代にパリに住んだとすれば、君が残りの人生をどこで過ごそうとも、それは君についてまわる。なぜならばパリは移動祝祭日だからだ」とヘミングウェイが友人に語った言葉に由来しています。パリでの華やかで刺激的な日々が、ヘミングウェイにとってどれほど印象的なものであったかを物語っています。

『移動祝祭日』のおすすめスポット「シェークスピア・アンド・カンパニー書店」

パリ時代のヘミングウェイをはじめ、スコット・フィッツジェラルド、ジェームズ・ジョイス、マン・レイなど、名だたる作家・アーティストが足繁く通った英米文学専門の書店です。当時オデオンにあったお店は今はありませんが、戦後にオープンした二代目の店がノートルダム大聖堂の近くにあります。本の販売だけでなく、1万冊以上の蔵書を誇る閲覧室もあり、さらには作家志望の若者に宿を提供しています。朗読会や作家の会合なども度々開かれ、現在もヘミングウェイの時代のようにパリの英米文学の中心として人々に親しまれています。数えきれないほどの本に埋め尽くされた店内は、本好きにはたまりません。
書店に併設されたカフェでは、ヘルシーなフードや美味しいコーヒーを楽しむことができます。天気の良い日には、テラス席で本を片手にのんびり過ごすのがおすすめ。

シェークスピア・アンド・カンパニー書店(Shakespeare and Company)
住所 37 Rue de la Bûcherie, 75005 Paris
アクセス RER C線  サン・ミッシェル(Saint Michel)
メトロ 4番線 サン・ミッシェル(Saint Michel)
オープン時間 10時~23時
定休日 無休
電話  +33 (0) 1 43 25 40 93

パリの区の個性を知ろう『パリジェンヌのパリ20区散歩』ドラ・トーザン著

生粋のパリジェンヌが贈る、パリを自分の庭のように楽しむためのガイドブックです。本書では、パリに20あるそれぞれの区を切り口に、その魅力やおすすめスポットを紹介しています。パリ初心者はもとより、さらにパリを楽しみたいパリ中級者にもぴったりです。観光名所だけではない、よりディープな普段着のパリを知ることができますよ。

『パリジェンヌのパリ20区散歩』のおすすめスポット「サンマルタン運河」

本書でも「クリエーターの町」として紹介されている、映画『アメリ』にも登場したサンマルタン運河沿いのカルチェ。まだ無名の若いクリエイター達が手掛けるクリエイターセールが定期的に開催されていたり、オシャレなカフェやレストランが立ち並んでいたりと、右脳を刺激してくれるスポットです。開放的な水辺は、気ままな散歩にもうってつけ。運河のクルージングも楽しめます。

サンマルタン運河(Canal Saint-Martin)
メトロ 4・5・7番線 東駅(Gare l'Est)、3・5・8・9・11番線 レピュブリック(République)、11番線 ゴンクール(Goncourt)

舌で愉しむパリ『パリのカフェをつくった人々』玉村豊男著

グルメな人に手にとってほしい、パリの街に欠かせないカフェとブラッスリーをめぐるエッセイです。本書を読めば、パリのカフェやブラッスリーを訪れた時の感慨も深くなること請け合いです。「カフェのギャルソンのほとんどがオーヴェルニュ出身」、「ブラッスリーはそもそも普仏戦争でパリに避難してきたアルサス人が始めた」など思わず膝を叩きたくなるエピソードや、美味しそうな料理の写真も満載です。

『パリのカフェをつくった人々』のおすすめスポット「ブラッスリー・モラール」

本書にも登場した、サンラザールのビストロです。19世紀末当時の内装がそのまま残されている、ロマンティックで華やかなお店。イタリアの工房に特注したというモザイクは、当時の生活風景をテーマに制作されました。新鮮な海の幸をたっぷり堪能できる、リーズナブルなコース料理(30.50ユーロ~)が人気です。ぜひ気軽に楽しんで。

Mollard(モラール)
住所 115 Rue Saint-Lazare, 75008 Paris
メトロ 3・12・13・14番 サン・ラザール(Saint-Lazare)、3・9番線 アーヴル・コーマルタン(Havre-Caumartin)
オープン時間 12時~0時半
定休日 無休
電話 情報 : +33 (0)1 43 87 55 62 /予約 : +33 (0)1 43 87 50 22
Eメール espace.clients@mollard.fr

過去へと繋がるパリの通り道『パリのパサージュ』鹿島茂著

パリの街にあるガラス屋根のアーケード商店街、「パサージュ」。18世紀末から19世紀にかけてつくられたパサージュは、第二次帝政期にデパートができると急速に廃れていきます。しかしながら、当時の空気がそのまま封じ込められた、時間の止まったような19のパサージュが、今なおパリのあちこちに残されています。本書は、そんなパサージュの歴史や魅力がぎゅっと詰まった一冊です。文章も読み応えがありますが、美しいパサージュの写真も必見です。ぜひパサージュに足を運び、19世紀のパリにタイムスリップしましょう。

『パリのパサージュ』おすすめスポットその1「パサージュ・ジュフロワ」

「グレヴァン蝋人形館」や可愛らしい南仏のお菓子屋さん「ラ・キュル・グルマンド」などがあるパサージュ・ジュフロワは、最も賑わいのあるパサージュの一つです。

住所 Passage Jouffroy, 75009 Paris
メトロ 8・9番線 グラン・ブルヴァール(Grands Boulevards)、8・9番線 リシュリュー・ドゥルオ(Richelieu - Drouot )
オープン時間 7時~21時半

『パリのパサージュ』おすすめスポットその2「ギャラリー・ヴィヴィエンヌ」

タイルモザイクの美しさが印象的な、パリで一番美しいと称されるパサージュです。古書店や有名ブティック、カフェなど様々なお店が立ち並んでいます。

住所 4 rue des Petits-Champs, 75002 Paris
メトロ 3番線 ブルス(Bourse)、8・9番線 グラン・ブルヴァール(Grands Boulevards)、8・9番線 リシュリュー・ドゥルオ(Richelieu - Drouot )、1番線 パレ・ロワイヤル(Palais Royal)
オープン時間 11時~18時半

パリに行くならこの5本を観よう

パリもまた主人公であるかのような、パリの街が印象的に描かれている作品を集めました。あなたもぜひ、映画のヒーロー・ヒロイン気分でパリの街を闊歩して。

甘くてしょっぱい、けど美味しい『パリ、ジュテーム』(Paris, je t'aime)

「愛」をテーマに、総勢18人の世界中の監督がパリを舞台に撮影した短編映画集。パリ20区のうち、18の区がロケに使われました。1作品5分程度と短いですが、パリに暮らす人々の悲喜こもごもを濃密に描いています。良いことばかりではないけれど、それでも愛してしまうパリの魅力そのもののような映画です。パリをぶらぶら歩いていると、映画で目にした光景に出会うことでしょう。お気に入りのエピソードのロケ地にぜひ足を運んでみてください。

彼女と共に2時間パリをさすらう『5時から7時までのクレオ』(Cléo de 5 à 7)

ヌーヴェルヴァーグの祖母とも称されるアニェス・ヴァルダの作品です。シンガーのクレオは病院で検査を受け、7時に医師から結果を受け取る約束になっていた。彼女は自分が癌であるかもしれないと不安を抱き、迫り来る死に備え友人たちと会ったり、パリの街中で見知らぬ人々と言葉を交わしたりする。検査が終わった5時から医師と面会する7時までリアルタイムで彼女の生活を描いた、半ばドキュメンタリーのような作品。夏の日の美しいパリの風景がとても印象的です。

『5時から7時までのクレオ』のおすすめスポット「モンスリ公園」

クレオが、物語のターニングポイントとなる男性と出会ったモンスリ公園。のんびりした時間が流れる憩いの場です。公園内にはレストラン(パヴィヨン・モンスリPavillon Montsouris)も併設されており、緑の中で美味しいフレンチを楽しめます。

モンスリ公園(Parc Montsourit)
住所  2 Rue Gazan, 75014 Paris
RER・B線 シテ・ユニベルシテ(Cité Universitaire)
オープン時間 10月30日~2月28日 7時~17時45分
     3月1日~3月26日 7時~19時
     3月27日~4月30日 7時~20時半   

疾走感×エレガンス『ディーバ』(Diva)

黒人オペラ歌手に心酔する青年が、彼女のコンサートでこっそり歌声を録音したことから騒動に巻き込まれていくというドタバタ劇を主軸に、歌姫と青年の恋物語も展開していくという、刺激的でロマンチックな傑作です。展開がスピーディーなので、冗長なフランス映画が苦手、という人でも必ず楽しめます。

『ディーバ』のおすすめスポット「チュイルリー公園」

主人公の青年が憧れの歌姫とデートした場所がこちら。このシーンは、映画のメインビジュアルにもなっています。噴水の周りには映画と同様椅子が置かれており、パリジャンたちは日向ぼっこしながら気ままに過ごしています。ぜひここで『ディーバ』の二人を気取ってみましょう。

チュイルリー公園(Jardin des Tuileries)
住所 113 Rue de Rivoli, 75001 Paris
メトロ 1番線 チュイルリー(Tuileries)
RER C線 ミュゼ・ドルセー(Musée d'Orsay)
オープン時間 9月の最終日曜日~3月の最終日曜日 7時半~19時半
       3月の最終土曜日~9月の最終土曜日 7時~21時

純愛は狂気と共にある『ポンヌフの恋人』(Les Amants du Pont-Neuf)

天涯孤独なホームレスの少年と、失恋の痛手と失明の危機で破れかぶれになり家出した良家の少女。そんな二人が出会うことから物語が動き出します。一途な恋の瑞々しさや相手を失うことへの恐怖など、この世界の残酷さと美しさを見事に描き切った、恋愛映画史上に残る名作です。

『ポンヌフの恋人』のおすすめスポット「ポンヌフ」

ポンヌフとはフランス語で「新しい橋」という意味ですが、実はパリで一番古い橋なのです。作中ではホームレスの溜まり場のような場所として描かれていましたが、実際はとても綺麗で観光名所にもなっています。凛と美しい昼のポンヌフ・夜のライトアップされたゴージャスなポンヌフ、ぜひ両方楽しみましょう。
ちなみに映画の撮影は、昼間のシーンは実際のポンヌフ、夜のシーンはセットを使っていました。

ポンヌフ(Pont Neuf)
住所 Pont Neuf, 75001 Paris
メトロ 7番線 ポンヌフ(Pont Neuf)

真の芸術家の姿とは『モンパルナスの灯』(Les Amants de Montparnasse)

アーティストたちの集うパリのモンパルナスで活躍し、36歳の若さで夭折したアメデオ・モディリアーニ。エコール・ド・パリの画家の一人と目される、彼の数奇な人生を描いた傑作です。今でこそ、モディリアーニは世界的に有名な画家ですが、当時はまったく見向きもされず、貧しさの中でアルコールに溺れながら生涯を終えました。モディリアーニを演じたジェラール・フィリップの、鬼気迫るような演技が印象的です。

『モンパルナスの灯』おすすめスポット「ラ・ロトンド」

モディリアーニをはじめ、ピカソ、ジャン・コクトー、藤田嗣治、ヴェルレーヌ、サルトル、ヘミングウェイなど名だたる文化人たちに愛された、モンパルナスのカフェ「ラ・ロトンド」。店内には当時の雰囲気を伝えるレトロな装飾がなされており、モディリアーニらの作品も飾られています。古き良きパリの雰囲気を濃厚に感じられる、とっておきのカフェです。

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フランス在住です。読書・アート・料理・食べ歩きが趣味。現地の情報や、自分の気になったものをお伝えします。

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