ピアノ初心者でも弾ける名曲とおすすめ練習曲・教則本20選
ピアノを始める方におすすめの初心者向けピアノ練習を紹介します。楽譜の読み方から、初心者におすすめの曲、左手の練習におすすめの曲、両手の練習に最適な楽譜など動画を交えながら紹介します。独学でもピアノは上手になりますが、より時間を効率的に使った上達方法をご紹介いたします。
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ピアノを弾くこと
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「ピアノを弾くことは憧れだった」という人が大人になって、時間的な余裕ができて意気揚々とピアノの練習をしようとしたとき、あらためて疑問がいろいろと出てくると思います。まず、「ピアノは本来小さい頃から始めないと弾けないのではないか」「到達するまで時間がかかり過ぎるのではないか」「教材は何を使うか」などではないでしょうか。
ただし、小さい頃から始めなくとも根気よく練習すれば必ず楽器は上達します!今回は、ありがちな疑問に答えるような、初心者でも弾けるような楽譜や、上達のためのメソッドなどをご紹介します。
まずは楽譜選びから始めよう!
まずは、ピアノを練習するにあたって最も重要な楽譜の選び方から考えてみましょう。
■基礎からコツコツやりたい人向けの楽譜選び
■簡単な楽譜を楽しみながら始めたい人向けの楽譜選び
の2パターンをご紹介いたします。
基礎からコツコツやりたい人向けの楽譜選び
日本でピアノの初歩で使用される曲は、一般的に年齢が小さい場合は除いて以下のような楽譜が使われています。音楽教室によりそれぞれ使用される楽譜は違いますが、下記のものは50年以上伝統的に使われているものです。
ただしこれから紹介するような楽譜を全て網羅して練習して行くのは、どうしても長い時間が必要になってしまいます。あまり時間をかけずに上達したい場合は、これらの中から適当に「飛ばしながら」進む方法もあります。
バイエル
片手ずつ音符の長さを学習しながら進み、拍子や音階などが親しみやすい曲となって学習できる教則本です。
ブルグミュラー
子供たちに人気の曲集。難易度はバイエルよりも一段階上ですが感情を豊かに表現することを学べます。
ソナチネ
ソナチネは「小さなソナタ」という意味です。より本格的な古典の形式「ソナタ」の小規模なものを学びます。ピアノの初歩の学習者にとっての最初の目標となる曲集です。
ハノン
音階や指の動きの訓練をする教則本です。指のラジオ体操のようなものと思ってください。
ツェルニー
ピアノのテクニックを学ぶ教則本として名高いものですが、音楽としては楽しいものではないので、敬遠されがちです。
バッハインベンション
バッハを学ぶ上で重要な曲集です。右手で奏でられるメロディーは左手も同様に弾くことを求められます。繊細なレース模様のようなバッハ作品の比較的初心者向けの作品です。
簡単な楽譜を楽しみながら始めたい人向けの楽譜選び
上のような練習曲をコツコツやって行くのは膨大な時間と根気が必要です。そこまでは時間がかけられない場合はこれからご紹介するような練習曲を楽しみながら練習していきましょう。
子供のピアノ名曲集
ピアノの初歩の曲はたくさんありますが、大人が練習する場合はあまり幼い感じのする曲は気恥ずかしく感じるかもしれません。大人でも楽しめるものを少しご紹介します。難易度はバイエルからソナチネ程度です。
■古いフランス民謡から「月の光に」
■バッハ作曲 「メヌエット」ト短調
■ラモー作曲「タンブラン」
■ギロック作曲「サラバンド」
■シューマン作曲「トロイメライ」子供の情景より
■サティ作曲「ジムノペディ 第1番」
古いフランス民謡から「月の光に」
バッハ作曲 「メヌエット」ト短調
ラモー作曲「タンブラン」
ギロック作曲「サラバンド」
シューマン作曲「トロイメライ」子供の情景より
サティ作曲「ジムノペディ 第1番」
有名曲の中から一部
ショパンやリストの曲は難解なものが多いですが、その曲のほんの一部分であれば、初心者でも弾くことが可能です。初心者でも弾くことができるような有名曲の「一部分」を以下にご紹介いたします。
■ショパン作曲 「24のプレリュード」から第4番ホ短調
■ベートーベン作曲 ピアノソナタ「月光」から第1楽章
ショパン作曲 「24のプレリュード」から第4番ホ短調
ベートーベン作曲 ピアノソナタ「月光」から第1楽章
左手の練習におすすめの曲
だんだんとピアノを弾くことに慣れてきたら、少し変則的な練習を入れてみましょう。特に右利きの人は左手の指でキーを弾くことに難しさを感じるのではないでしょうか。そんな壁にぶち当たった時に、左手の練習が効率的にできるような曲をご紹介いたします。
■バッハ作曲 平均律第一集一番からプレリュード
■バッハ作曲 メヌエットト長調
左手がよく動く曲は、上のようなバッハのものが有名です。有名な曲なので聴いたことがあるのではないでしょうか。やさしくゆっくりとしたテンポですので初歩におすすめの曲といえます
バッハ作曲 平均律第一集一番からプレリュード
バッハ作曲 メヌエットト長調
少し上達した際の左手の練習法とピアニストに人気の曲
左手の指の練習方法として、録音という手法は、おすすめです。右手のメロディーを録音しておいて、それを再生しながら左のパートを演奏するという方法です。また、左手の上達に役立つ曲として、以下のような曲があります。
しかし、残念ながら、左手のみの曲は数が少なく、知られているものは技巧的に難易度が高いものばかりです。それらもご紹介しますので、ぜひ参考までに聴いてみてください。
■スクリャービン作曲 左手のための前奏曲とノクターン 作品9
■ブラームス編曲 バッハ作曲シャコンヌより
スクリャービン作曲 左手のための前奏曲とノクターン 作品9
ブラームス編曲 バッハ作曲シャコンヌより
両手でメロディーを弾く練習に最適な楽譜
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ピアノを演奏している人を見て、「右手と左手で違うメロディーを弾くなんてすごい」と思ったことはないでしょうか。しかし、それは逆。ピアノを学習して行くにつれて、実は「両手そろって同じことをする方が難しい」のだということを知ります。実は、右手がメロディを受け持ち、左手が伴奏部を弾くという標準的なスタイルは「弾きやすい」パターンです。
両手の練習は「ハノン」がおすすめ
左手が動くようになってきたら、「両手そろって同様な動きを与えている」ような楽譜を練習してみましょう。その練習には、「ハノン」という教則本がおすすめです。これはメロディがあるというものではなく、同じパターンの音階などを両手で弾くための教則本です。
このような練習するにあたって大事なポイントは同様の指の動きや力の入れ方を均一にすることです。一小節のパターンを繰り返しながら、指を慣らしていくます。いわばストレッチのようなものといえますでしょうか。キーに対してのタッチを変えたリズムを変えたり、様々なヴァリエーションにより柔軟に指を動かせるようになるでしょう。
好きこそものの上手なれ
「好きこそものの上手なれ」という諺があります。人は好きなことに関してはどんな努力も惜しまないので上達も早いという意味ですが、ピアノに関しては、まさにそれが当てはまります。「この曲を弾けるようになりたい」という夢の曲をひとつ思い描いてください。
例えば、ショパンの幻想即興曲を弾きたいと思ったなら、それは初心者にとって例えるとエベレスト登頂よりはるかに難しいかもしれません。しかし、ドレミの第一歩からでもコツコツと努力を続ければ、いつか近づくことは夢ではありません。
千里の道も一歩から
いかがでしたでしょうか。ピアノが上達する最短の道は、諦めずに目標の曲に向かって努力し続けること以外にはありません。ピアノへの情熱が強ければ強いほど、道のりは楽しく短いといえます。
そして、付け加えるとしたら、短い時間であってもできるだけ毎日練習を怠らないこと、でしょうか。また、ピアノの曲をたくさん聴くこともおすすめの方法です。どうぞ、少しでもこの記事が役に立ち、まず一歩踏み出してピアノの上達の楽しさを感じていただければと思います。
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この記事のライター
クラシック音楽と文学と少々のお酒をこよなく愛する20代。現在は筋トレにハマりはじめている。慶應義塾大学在学中。