フランス文学が原作の映画おすすめ15選

「タイトルは知ってるけど内容まで知らない」というフランス文学、ありませんか?フランス文学は有名な作品が多いですが、内容を詳しくは知らないという人がたくさんいます。そこで、ここではフランス文学を読み解くヒントとして、映画も一緒にご紹介していきます!

satsuki210皐月虫
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映画『星の王子さま』としてこちらの作品をおすすめします。子供でも分かりやすく、アニメーションでとても見やすく作られています。原作は内容も少し難しく、よくわからない、という感想が多いかもしれませんが、こちらの映像化はその点もうまく回収しているので、ぜひ原作と合わせてご覧ください。

フランス文学の魅力

フランス文学は、実に繊細なものが多く、フランス語の発音が柔らかいのから察することができるように、文章や表現も実に柔らかく作られています。「人の心」や「人間関係」を大事に表現しようというものが感じられるでしょう。日本語訳を見てからフランス語の方を確認して見比べる、という読み方が二つの表現を見つけられるのでおすすめです。
フランス文学と言ってもあまり馴染みのないものとして受け取られるかと思いますが、実は『星の王子さま』や『レ・ミゼラブル』『美女と野獣』などがフランス文学の代表として挙げられます。タイトルを聞いたことがあったり、実際に何かのコンテンツで知っていたりする人は多いと思います。今回はこのような有名な作品から少しコアなおすすめ作品までを、文学と映画を揃えてご紹介していきます。

出典:littlehand.ocnk.net

知名度の高いフランス文学原作

『惡の華』

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こちらはボードレールの『惡の華』です。手に取った方は分かるかもしれませんがかなり毒気の多い作品となっています。好き嫌いがはっきりと分かれる、と言ってもいいかもしれません。しかし一度読んで気に入った方は何度でも読んでしまうという中毒性も兼ね備えて、内容も心に刺さるものが多数含まれています。パラパラと読んでみるだけでもおすすめです。詩集になっているので、一つ一つはとても読みやすく、日本語訳もかなり多くされています。↓
桜沢如一訳『NAYAMI NO HANA』
多田道太郎篇(京都大学人文科学研究所)『悪の花 註釈』3巻(平凡社)
堀口大學訳『悪の華』(新潮文庫)、近年に改版
鈴木信太郎訳『悪の華』(岩波文庫)、近年に改版
安藤元雄訳『悪の華』(集英社文庫)
杉本秀太郎訳『悪の花』(彌生書房)
阿部良雄訳『悪の華 ボードレール全詩集1』(ちくま文庫)、元版「全集1」筑摩書房
福永武彦訳『悪の華 ボードレール全集1』(人文書院)
齋藤磯雄訳『悪の華』(東京創元社、のち創元選書)

図書館にも蔵書がありますので、最初のページを開いてみるだけでも違うと思います。読んだ人分も感想が存在する作品なので、一度は触れてみることをおすすめします。

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『惡の華』の映画化でおすすめするのがこちらの映画です。ポスターからも分かる通り、とてもかわいく美しいのですが、その中に溢れるドロドロした恐ろしさをボードレールの詩集『惡の華』から敏感に感じ取って映像化したものとなっています。ぜひ合わせてチェックしてみてください。

【あらすじ】

ほとんどの作品は1850年までに書かれた。初版は1857年に刊行。「憂鬱と理想」「悪の華」「反逆」「葡萄酒」「死」の5章に、序詩(読者へ)を含めた詩101篇を収録する。このうち6編が反道徳的であるとして、有罪・罰金処分を受け、該当詩の削除を命ぜられる。その6篇は『レスボス』、『地獄に落ちた女たち』『レーテー』『陽気すぎる娘へ』『宝石』『吸血鬼の変身』で、後に「禁断詩篇」と呼ばれた。
第2版は1861年に刊行。禁断詩篇6篇を削除し、32篇を追加。「パリ情景」を加えた6章構成として配列を変更し、全127篇を収録する。現在はこの第2版が定本となっている。
ボードレール死後の1868年に、友人たちが編集しゴーティエの序文論考[1]を加えた『悪の華』(ミシェル・レヴィ版全集第1巻)が刊行された。補遺詩集『漂着物』(1866年)の詩篇を含め152編を収録し、第3版と呼ばれる。ボードレール自身も第3版を構想していたが、全集は死後の刊行であり、必ずしもボードレール自身の意に沿ったものではないとされる。なお、禁断詩篇6篇は第3版にも収録されていない(1866年刊行の『漂着物』、1869年の『悪の華・補遺』に収録)。

出典:ja.wikipedia.org

『美女と野獣』

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『美女と野獣』はディズニーでも映画化されていて、とても有名な作品かと思います。ただ、こちらをフランス文学として見ていた人は案外少ないのではないでしょうか?内容はとても多くの人がすでに知っているので、文学として読むのもあまり苦ではないと思います。
フランスの異類婚姻譚として有名なこの作品はヴィルヌーヴ夫人が最初に書いたとされ、現在多く知られているほうはボーモン夫人が書いたものです。
日本語訳も多くの方にされています。↓
ボーモン夫人版
小林正訳 穂高書房 1948年
鈴木豊訳 角川文庫 1971年
中島和子訳 東洋文化社 1981年
北村太郎訳 王国社 1992年
村松潔訳 新潮文庫 2017年

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『美女と野獣』の映画と言えば最近実写映画化したこちらがやはりおすすめです。アニメの映画では分からない人と獣の空気感と少しの切なさがあります。全体的に美しく儚く作られているのでおすすめです。

【あらすじ】

3人の娘と3人の息子を持つ商人が、町からの帰り道にある屋敷に迷い込み、そこで体を温め料理にありつくというもてなしを受ける。商人が、「ラ・ベル(フランス語で「美女」という意味の一般名詞)」と呼ばれている心の清い末娘がバラを欲しがっていたことを思い出し、庭に咲いていたバラを摘むと、彼の前に屋敷の主である野獣が現れ、「もてなしてやったのにバラを摘むとは何事だ」と言う。そして野獣は娘を要求した。末娘は身代わりとして野獣のもとに赴き、野獣は娘に慇懃に求婚するが拒否される。
父親が床に臥せっていることを知ったラ・ベルの一時帰郷の申し出に、野獣は嘆きながらも許可を与える。ラ・ベルは一週間で戻ると約束をした。2人の姉は里帰りした末娘から豪邸での生活を聞き、嫉妬して妹を引き止め、日限に間に合わないよう仕向ける。10日目の夜、ラ・ベルは野獣が死にかかっている夢を見、屋敷に戻った。
ラ・ベルは瀕死の野獣に再会し、「これで幸せに死ぬことができる」という野獣に「いいえあなたはわたしの夫になるのです」とラ・ベルが叫ぶと野獣は本来の姿に戻る

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『星の王子さま』

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こちらはサンテグジュペリの『星の王子さま』です。内容も知っている人が多いのではないでしょうか。フランス文学の中では、「文学」として有名なこの作品ですが、実は訳によってかなり日本語のニュアンスが違っていたりと、訳した人が違うだけで好き嫌いが分かれてしまうかもしれません。色んな訳の本を読んでみるとその違いも分かって面白いです。
日本語訳↓
論創社『星の王子さま』(ISBN 4846004430)
訳者:三野博司(2005年6月)
中央公論新社『新訳 星の王子さま』(ISBN 412003643X)
訳者:小島俊明(2005年6月)
宝島社『新訳 星の王子さま』(ISBN 4796646957)
訳者:倉橋由美子(2005年6月)
みすず書房『小さな王子さま』(ISBN 4622071584)
訳者:山崎庸一郎(2005年8月)
集英社『星の王子さま』(ISBN 408773434X)
訳者:池澤夏樹(2005年8月)絵本2006年10月 他

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映画『星の王子さま』としてこちらの作品をおすすめします。子供でも分かりやすく、アニメーションでとても見やすく作られています。原作は内容も少し難しく、よくわからない、という感想が多いかもしれませんが、こちらの映像化はその点もうまく回収しているので、ぜひ原作と合わせてご覧ください。

【あらすじ】

操縦士の「ぼく」は、サハラ砂漠に不時着する。1週間分の水しかなく、周囲1000マイル以内に誰もいないであろう孤独で不安な夜を過ごした「ぼく」は、翌日、1人の少年と出会う。話すうちに、少年がある小惑星からやってきた王子[2]であることを「ぼく」は知る。
王子の星は家ほどの大きさで、そこには3つの火山と、根を張って星を割いてしまう程巨大になるバオバブの芽と、よその星からやってきた種から咲いた1輪のバラの花があった。王子はバラの花を美しいと思い、大切に世話していた。しかし、ある日バラの花とけんかしたことをきっかけに、他の星の世界を見に行くために旅に出る。

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『レ・ミゼラブル』

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こちらはヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』です。ミュージカルや映像化が有名で、フランス文学として本を手に取った方は少ないかもしれません。
日本語訳↓
豊島与志雄訳 『レ・ミゼラブル』 岩波文庫全4巻 改版1987年。初訳は大正期で数度改訳
佐藤朔訳 『レ・ミゼラブル』 新潮文庫全5巻 改版1997年
辻昶訳 『レ・ミゼラブル』全5巻 潮出版社「潮文学ライブラリー」、2009年
他に「ヴィクトル・ユゴー文学館 第2巻~第4巻」(潮出版社、2000年)、講談社版「世界文学全集」全3巻などで刊
西永良成[19]訳『レ・ミゼラブル』 ちくま文庫全5巻、2012年-2014年
井上究一郎訳 『レ・ミゼラブル』 〈河出世界文学全集 9・10巻〉河出書房新社、新版1989年
坪井一・宮治弘之訳 『レ・ミゼラブル』 〈世界文学全集 12・13巻〉集英社、新版1986年
石川湧訳 『レ・ミゼラブル』 角川文庫全4巻、改版1999年。

登場人物が多く、ストーリーも広がっているので一気に読むのがおすすめです。

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ミュージカルが有名ですが、映画はこちらがおすすめです。美しい作品をより美しく映像化したもので、本だと何巻もあり読み応えがありますがこの映画では一気に綺麗に見ることができます。先に観て内容把握するのがおすすめです。

【あらすじ】

1本のパンを盗んだために19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンの生涯を描く作品である。作品中ではナポレオン1世没落直後の1815年からルイ18世・シャルル10世の復古王政時代、七月革命後のルイ・フィリップ王の七月王政時代の最中の1833年までの18年間を描いており、さらに随所でフランス革命、ナポレオンの第一帝政時代と百日天下、七月革命とその後勃発した六月暴動の回想・記憶が挿入される。当時のフランスを取り巻く社会情勢や民衆の生活も、物語の背景として詳しく記載されている。
日本では始め、森田思軒が一部を「哀史」の題名で訳したが完訳には至らず、黒岩涙香による翻案が『噫無情』(ああむじょう)の題で1902年(明治35年)10月8日から1903年(明治36年)8月22日まで『萬朝報』に連載され、これによってユーゴーの名が広く知れわたることになった。

出典:ja.wikipedia.org

『モンテクリスト伯』

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こちらはアレクサンドル・デュマの『モンテクリスト伯』全七巻です。『モンテクリスト伯』は多くの映像化で取り上げられていて、映画はもちろんアニメも『巌窟王』というタイトルとして作られています。そしてそんな数多く取り上げられている『モンテクリスト伯』ですが、この原作を元に作られた多くがその派生として有名で、原作と内容が違うというのが特徴です。『巌窟王』というアニメも、まず主人公が違っていたりラストも原作とは変えられています。なので、映画を観たりアニメを観たり原作を読んだり、とたくさんのラストやストーリーを見ることができます。

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舞台も多い『モンテクリスト伯』ですが、映画も幾度となく放映されています。内容が少しずつ違っているので、どれを見ても新しい気持ちで見ることができ、この男の復讐劇にハラハラしながらストーリーを追うことができるでしょう。ぜひ原作の方のラストも確認してみてください!

【あらすじ】

主人公エドモン・ダンテスが無実の罪で監獄に送られ、そこで長い年月を過ごした後、脱獄して巨万の富を手にし、モンテ・クリスト伯爵を名乗って自らを陥れた者たちの前に現れ、復讐する物語である。1844年から1846年にかけて、フランスの当時の大手新聞「デバ」紙に連載され、同じく1844年から1846年にかけて18巻本として出版された。
日本では、明治時代に黒岩涙香が『史外史伝巌窟王』の題名で翻案し、1901年(明治34年)3月18日から1902年(明治35年)6月14日まで『萬朝報』に連載。1905年(明治38年)に大阪の出版社・青木嵩山堂が全4巻で刊行した。以後、日本では長く『巌窟王』(がんくつおう)の名で一般に親しまれることとなった。なお、黒岩涙香の『巌窟王』は、当時の日本人がなじみやすいように人名や船の名前を日本風に変えているが[1]、舞台はヨーロッパのままであり、ストーリーも原作とほぼ同じである。

出典:ja.wikipedia.org

一度は読んでおきたいフランス文学原作

『八十日間世界一周』

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こちらはジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一周』です。80日間で世界を一周しよう!という波瀾万丈で古典的な所謂冒険物語になっています。世界一周は一度は夢を見てもなかなか現実では実現しにくいものです。ですがこれを読むと、まるで自分が世界を80日間で巡ってきたような気分になります。

日本語訳も多く出ていて、それぞれの訳で個性があるので何回でも楽しむことができます。

川島忠之助訳『新説 八十日間世界一周』前後編 私家版 1878、1880年[3]
井上勤訳『通俗 八十日間世界一周』自由閣 1888年[4]
江口清訳 東京創元社 1957年 のち角川文庫
吉岡光雄訳 南雲堂 1966年
田辺貞之助訳 集英社 1967年 のち創元SF文庫・創元推理文庫
内田庶訳 学習研究社 1969年
木村庄三郎訳 旺文社文庫 1973年
古賀弘人訳 小学館 1977年
鈴木啓二訳 岩波文庫 2001年
高野優訳 光文社古典新訳文庫 2009年

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画像を見ているだけでなんだか楽しくなってきます。フランス映画には少し珍しいぐらいの明るい作品です。アカデミー賞も受賞している有名な作品です。ぜひご覧下さい!

【あらすじ】

物語は1872年10月2日のロンドンに始まる。主人公フィリアス・フォッグは裕福で独身貴族的な人生を謳歌していた。彼には、物事を尋常ではない正確さで行う習慣と、トランプゲームに傾注する癖があった。それ以外の私生活は全く謎で、なぜ大金を持っているかも詳らかでない。が、ロンドンの紳士クラブ「リフォームクラブ」(The Reform Club)のメンバーは一部を除き気にしていないようだ。
そのせいで彼の元執事はフォッグのひげそりに使うお湯の温度を1°C間違えたために解雇されてしまい、新たにこれまた規則正しい生活を望んでいるフランス人のパスパルトゥーが雇われた[2]。
パスパルトゥーが雇われた日の遅く、「リフォーム・クラブ」でフォッグは他の紳士らと『デイリー・テレグラフ』紙のある記事について議論をした。同紙に載っていた「イギリス領インド帝国に新たに鉄道が設けられた」という記事について、フォッグは「これで世界を80日で一周することが可能になった」と主張したのだ。

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『赤と黒』

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こちらはスタンダールの『赤と黒』という作品です。彼がこれを書いたのは、ベルテ事件などを訴訟記録で知って庶民にも上流階級を打ち破る力が蓄積されているのではと考えたのがきっかけです。出版された当時は革命などもあって様々な批判なども集まりましたが、代表的なフランス文学の一冊としておすすめです。

日本語訳↓
桑原武夫・生島遼一訳 『赤と黒』 岩波文庫 上下、初版1933年。数度改版
小林正訳 『赤と黒』 新潮文庫 上下、初版1957年。数度改版
野崎歓訳 『赤と黒』 光文社古典新訳文庫 上下、初版2007年。数度改版

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映画はドイツとフランスの二種類のバージョンが作られています。フランス文学の映画化なので、まずはフランスバージョンがおすすめです。また、舞台版も幾度かされていて、宝塚歌劇団によって複数回行われています。

【あらすじ】

スタンダールの本作品は一時期の人々の精密な観察とその帰結の予測から成り立っており、フランスのリアリズム小説の出発点となった。また、階級闘争を通して人間を描写するという新しい小説観を打ち出した。
青年の青春や恋愛を描いた作品ではあるが、背後には「少数の幸福な人」にむけたメッセージも含まれている。また、野心的な青年、ジュリアン・ソレルの目を通して来るべき革命(七月革命)を恐れながら堕落した生活を送る、王政復古下の聖職者・貴族階級の姿をあますところなく表し支配階級の腐敗を鋭くついている。
なお、ジュリアンが終生愛するレナール夫人は、作者スタンダールの母がモデルと言われている。
幾度も映画化、舞台化されている。

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『異邦人』

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こちらはアルベール・カミュの『異邦人』です。”不条理”をテーマに書かれた作品で、ノーベル文学賞を43歳の頃に受賞しています。「きょう、ママンが死んだ」から始まる日本語訳は広く知られていて有名です。冒頭を読んだ途端に、「なんだろう?」という主人公への興味についページをめくってしまう、そんな一冊です。ぜひ新潮文庫版の窪田啓作訳をお手に取ってみてください。

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まさにフランス映画らしい、心に直接語りかけてくるような作品です。母親の死と、自分が人を殺してしまった、という二つの感情がうまく映像化されている作品です。文章と空気感の違いを比較しながら観てみるとおもしろいかもしれません。

【あらすじ】

アルジェリアのアルジェに暮らす主人公ムルソーの元に、母の死を知らせる電報が、養老院から届く。母の葬式のために養老院を訪れたムルソーは、涙を流すどころか、特に感情を示さなかった。葬式の翌日、たまたま出会った旧知の女性と情事にふけるなど、普段と変わらない生活を送るが、ある日、友人レエモンのトラブルに巻き込まれ、アラブ人を射殺してしまう。ムルソーは逮捕され、裁判にかけられることになった。裁判では、母親が死んでからの普段と変わらない行動を問題視され、人間味のかけらもない冷酷な人間であると糾弾される。裁判の最後では、殺人の動機を「太陽が眩しかったから」と述べた。死刑を宣告されたムルソーは、懺悔を促す司祭を監獄から追い出し、死刑の際に人々から罵声を浴びせられることを人生最後の希望にする。

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『悲しみよこんにちは』

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こちらはサガンの処女作である『悲しみよこんにちは』です。
22か国で翻訳されているベストセラーな小説で、映画化されてからはさらに人気が高まりました。
「死」というものを丁寧に謎に描いていて、先が気になってしまう小説になっています。

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こちらは『悲しみよこんにちは』の映画になります。
『悲しみよこんにちは』の映画は世界中でヒットし、彼女の短い髪型が大流行しました。1957年に映画化されたので少し古いですが、原作にあった雰囲気が出ている映画に仕上がっています。

【あらすじ】

18歳になるヒロインのセシルとやもめである父のレエモン、その愛人のエルザはコート・ダジュールの別荘で夏を過ごしていた。セシルは近くの別荘に滞在している大学生のシリルと恋仲になる。そんな彼らの別荘に亡き母の友人のアンヌがやってくる。アンヌは聡明で美しく、セシルもアンヌを慕う。だが、アンヌと父が再婚する気配を見せ始めると、アンヌは母親然としてセシルに勉強のことやシリルのことについて厳しく接し始める。セシルは今までの父との気楽な生活が変わってしまったり、父をアンヌに取られるのではないかという懸念に駆られ、アンヌに対して反感を抱くようになる。やがて、葛藤の末にセシルは父とアンヌの再婚を阻止する計画を思いつき、シリルと父の愛人だったエルザを巻き込んで実行に移す。アンヌは自殺とも事故とも取れる死に方をする。

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『椿姫』

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こちらはアレクサンドル・デュマ・フィスの長編作品である『椿姫』です。自身が交際していた女性をモデルに書かれたもので、舞台化、映画化が幾度もなされた世界に愛された作品です。タイトルからはどこか日本風な雰囲気を感じますが、舞台はしっかりパリで白い椿、赤い椿、という女性を表すイメージが内容に盛り込まれています。
日本語訳もいくつか出ています。↓
新庄嘉章訳 『椿姫』 新潮文庫、初版1950年12月、改版2004年 ISBN 978-4102009017
吉村正一郎訳 『椿姫』 岩波文庫、改版1971年1月 ISBN 978-4003254011
西永良成訳 『椿姫』 光文社古典新訳文庫、2008年8月/角川文庫、2015年6月 ISBN 978-4041031940
永田千奈訳 『椿姫』 光文社古典新訳文庫、2018年2月

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『椿姫』の映画化は何度もされていて、その中でも有名なのはサイレント映画として作られたものです。サイレントなのですべてを画面の雰囲気から探り出す感覚、音のない世界で感じるフランス文学がなんとも言えない気持ちにさせてくれます。『椿姫』は舞台化やオペラも有名です。

【あらすじ】

19世紀中ごろのパリ。夜の世界(ドゥミ・モンド、裏社交界(en))に生き、月の25日間は白い椿を身に付け、残り5日の生理期間には赤い椿を身に付けたために人々から『椿姫』と呼ばれた高級娼婦マルグリット・ゴーティエは贅沢三昧の生活に心身共に疲れ果てていた。そこに現れたのが友人に紹介された青年、アルマン・デュヴァルだった。青年の正直な感情に最初は戸惑いを覚えていたマルグリットだったが、今まで感じ取ったこともない誠実な愛に気づき、二人は相思相愛の仲となった。マルグリットは享楽に溺れる生活を捨て、パリ近郊にあるアルマンの別荘で幸福の時を過ごすが、それは長くは続かなかった。息子のよからぬ噂を聞いて駆けつけたアルマンの父親がマルグリットに息子と別れるように告げた。それを聞いて彼女は驚いたが、それでも真実の愛に満たされた彼女はある決意をした。
何も知らないアルマンはマルグリットに裏切られたと思い込む。アルマンの酷い仕打ちに毅然として耐え続けていたマルグリットだったが、ある夜、アルマンの家を訪れる。

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『パピヨン』

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こちらはアンリシャリエールの書いた『パピヨン』という作品です。フランス文学で映画化されたと言えばまず名の上がる小説となっています。パピヨンとはフランス語で「蝶」や「耳が大きく蝶のような犬の一種」という意味を持ちます。この単語がタイトルになったわけとは、という事を考えながら読むと面白いと思います。

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こちらは日本では1974年に公開された映画『パピヨン』です。フランス文学ですがアメリカ合衆国が映画化したものなので英語になっています。胸に蝶の刺青をしていることからパピヨンと呼ばれている男の話で、アカデミー賞にもノミネートされた作品になります。

【あらすじ】

ケチな金庫破りで捕まった男。その男は胸に蝶の刺青を入れていることから「パピヨン(蝶)」とあだ名されていた。パピヨンは仲間の裏切りに遭い、幾つもの罪を着せられた末に終身刑の判決を受けてしまう。この刑を受けた人間は、祖国フランスを追放される上に南米ギアナのデビルズ島で過酷な強制労働が科せられるのだった。パピヨンは脱獄を決意。しかし、それには看守を買収した上、ボートや食料を入手するための多額の資金が必要だった。そこでパピヨンは同じ服役囚のドガという男に目を付ける。ドガは国債偽造で逮捕された男で、今もその腕が噂される偽札作りの天才だった。当初パピヨンはドガと取引することで逃亡費用を稼ごうとするが、やがて二人は奇妙な絆で結ばれてゆく・・・。

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『オペラ座の怪人』

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こちらはガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』です。本とは違った媒体で知っている人がほとんどではないでしょうか?ミュージカルとして有名だと思います。小説は「ゴシック小説」としてジャンル分けされています。ミステリーなので、先の読めない展開を求めている時はぜひ読んでみてください!映像とはまた違った解釈や読み方があると思います。

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『オペラ座の怪人』映画は全部で九つほどあり、とても多く作成されている作品ですが、どれを見ても特徴がそれぞれあり楽しむことができます。特に1989年版などは過激なシーンが多いなどの特徴もあります。
映画と共にミュージカルもあるので目を通してみると、より『オペラ座の怪人』を楽しむことができます。

【あらすじ】

舞台は1905年のパリ。年老いたマネージャーの退職日の夜、オペラ座の若手オペラ歌手のクリスティーヌはガラに出演して喝采を浴びる。幼馴染のラウルはクリスティーヌの歌を聴き、彼女への愛を思い出す。この頃オペラ座には謎の怪人が住み着いているという噂があり、月給2万フランと5番ボックス席の常時確保などを支配人に要求するなど手紙や行動でマネージャーに自身の存在を知らせていたという。怪人は音楽の才能に溢れ、投げ縄や奇術の達人でもあり、そしてクリスティーヌに恋をしていた。ガラの数日後、パリ国立オペラでは『ファウスト』を上演し、怪人の望みに反してカルロッタがプリマドンナとなり主役を演じる。上演中、カルロッタは声を失い、豪華なシャンデリアが客席に落下する。

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こちらも合わせてチェック!

『地底探検』

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こちらはジュール・ヴェルヌの『地底旅行』、日本語訳では『地底探検』と訳されている作品です。『気球に乗って五週間』という冒険小説を書いた作家で、この作品も冒険小説となっています。日本ではおそらく「センター・オブ・ジアース」として有名なのではないでしょうか?原作となったこのフランス文学もぜひ手に取ってみてください。

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そしてこちらが『地底探検』原作の有名な映画でもある『センターオブジアース』です。ディズニーシーのアトラクションとしても有名です。丁寧に作られたアメリカ映画で、ハラハラドキドキが止まらない、そんな作品に仕上がっています。原作を読んだ後でも読む前でも、そしてまったくの別物としても楽しむことができます。日本語吹き替えもあるので日本語でも見ることができます。

【あらすじ】

ヨハネウム学院の鉱物学教授であるオットー・リーデンブロックは、骨董店で購入した本に、以下のようなルーン文字が記された暗号文のメモが挟んであることに気づく。



キノコの森
そのメモには、ᛐᛦᚳᛅ ᛋᛐᚴᚳᚢᛋᛋᛅᛯ(Arne Saknussemm、アルネ・サクヌッセンム)という16世紀の著名な錬金術師の名(架空。後述)が記されていたため、教授は何かを察知し、「わたし」こと甥のアクセルとともに暗号解読を試みた。時間こそかかったが、アクセルが偶然にも解読に成功した。そこには、
「アイスランドのスネッフェルス山の頂にある火口の中を降りていけば、地球の中心にたどり着くことができる」
という趣旨のラテン語文が書かれていた。これに感激したリーデンブロック教授は、早くも旅支度をすませ、嫌がる「わたし」を供にアイスランドへ向かった。現地で雇った有能な案内人ハンスと共に、彼らは火口を下る。

出典:ja.wikipedia.org

『海底二万里』

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こちらもSFの祖であるジュール・ヴェルヌが発表した作品『海底二万里』です。日本語訳では『海底二万マイル』などとも訳されています。こちらもディズニーシーでアトラクションがあったりするので有名かもしれませんが、原作を知っている方はなかなかいないのでぜひ原作の方も手に取ってみてください。
日本語訳↓
『海底二万里』石川湧訳、岩波書店〈岩波少年文庫〉。1956-1957年。上下巻。
『海底二万リーグ』村上啓夫訳、早川書房〈ハヤカワ・SF・シリーズ〉。1962年。
『海底二万海里』花輪莞爾訳、角川書店〈角川文庫〉。1963年。 ISBN 4-04-202204-9-C0197
『海底二万マイル』波多野完治訳 旺文社。1970年。
『海底二万海里』清水正和訳、福音館書店〈福音館古典童話シリーズ〉。1973年。 ISBN 4-8340-0400-7 - 原書の挿絵を収録

出典:ja.wikipedia.org

『海底二万哩』という映画はウォルトディズニーが映画化したものが有名で、『海底20000マイル』というタイトルが一般的です。ですが、わりと子供よりも大人向けに作られたもので、これまでに作られたSF映画の中で最高なものだ、とも言われています。

【あらすじ】

1868年、世界各地の海で船舶が謎の怪物に襲われ沈没する事件が相次いだ。船乗りたちは怪物を怖がり出港を拒み、港には出港できない船と乗客が溢れていた。出港できずに途方に暮れていた海洋学者アロナクス教授の元をアメリカ政府の役人ハワードが訪れ、怪物の正体を調査する軍艦への乗艦を依頼する。アロナクスは助手のコンセイユと共に調査艦に乗り込むが、3か月間の調査にも関わらず怪物は発見できず、元々怪物の存在に懐疑的だったファラガット艦長は調査の打ち切りを決定する。その夜、調査艦の近くを航行していた船が爆発を起こし、怪物が姿を現す。ファラガット艦長は攻撃を命令するが、怪物に体当たりされ調査艦は沈没し、アロナクスとコンセイユ、銛打ちの名手ネッドの三人は海に投げ出されてしまう。

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『女の一生』

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こちらはギ・ド・モーパッサンの長編小説である『女の一生』です。それを原作とした映画・ドラマ化が有名で、原作よりもそちらをチェックしている方が多いかもしれません。多くの日本語訳が出ていますが、その中でもおすすめのものを載せておきます。
日本語訳↓
杉捷夫訳『女の一生』岩波文庫、1934年 / 改版、1956年 / 改版、1993年
新庄嘉章訳『女の一生』新潮文庫、1951年 / 改版、1984年
永田千奈訳『女の一生』光文社古典新訳文庫、2011年

出典:www.bing.com

美しく作られた作品『女の一生』の映画を観るならこちら。フランス映画らしい繊細な表現と、女の美しさを多分に盛り込んだ作品になります。比較的新しく、画質も良いので見やすくなっています。文学でも傑作だと言われている『女の一生』ですが、こちらは映画の方も傑作なので、ぜひどちらにも触れてみてください。

あらすじ
修道院を出て両親と共にレ・プープルの屋敷で暮らし始めた17歳の少女ジャンヌは、美しく素晴らしい人生が自分の前にあると心躍らせ、美青年ジュリアン子爵と結婚する。だが結婚すると夫はジャンヌに対する愛情を無くし、金に執着するようになる。夫はジャンヌの乳姉弟のロザリや、友人のフルヴィル伯爵の妻とも関係を持ち、さらにジャンヌの母もかつて父の友人と不倫関係にあったことを知り、ジャンヌは人生に対する希望を失っていく。妻の不倫を知ったフルヴィル伯爵は、ジュリアンと伯爵夫人が逢瀬している移動小屋を斜面から突き落とし、二人は死ぬ。
未亡人になったジャンヌは息子ポールを溺愛するが、ポールは外国で女と暮らし、金の無心にしか手紙をよこさなくなる。両親も死に、ひとりきりになったジャンヌの元に、屋敷を追い出されたロザリが戻ってくる。ロザリの助力でジャンヌは財産を整理し、屋敷を売って小さい家に移り住む。やがて、ポールから、恋人が子供を産んで死にそうだと手紙が来る。ロザリはポールの元に行き、女の子の赤ん坊を連れて戻り、明日ポールも帰ってくるとジャンヌに告げる。

出典:ja.wikipedia.org

フランス映画たちの魅力

いかがだったでしょうか?フランス文学で有名な作品から生まれた映画15をご紹介しました。フランス映画は、その国柄からとても繊細で魅力的なものが多いです。特に「愛」や「死」などが絡むものは特にフランス映画を観てほしいと思います。原作でも言葉が美しく紡がれているのですが、やはりそこを踏まえた上で映像を見るとよりその雰囲気を味わえておすすめです。ぜひお手に取ってみてください!

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皐月虫

太宰治、三島由紀夫を愛する本の虫武蔵野大学文学部所属フランス映画にハマっていますフランス語3級とるため勉強中

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太宰治、三島由紀夫を愛する本の虫 武蔵野大学文学部所属 フランス映画にハマっています フランス語3級とるため勉強中

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イラストも文章も手掛けるフリーのイラストレーター。

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