不朽の名作!三大ピアノ協奏曲
数々あるピアノ協奏曲。今回は、そのなかでも最も有名な三大ピアノ協奏曲を紹介します。
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アイキャッチ画像出典:www.digitalconcerthall.com
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調『皇帝』
まさに、『皇帝』!!なんて堂々とした曲なのでしょう。でも実は、この『皇帝』というタイトルはベートーヴェン自身がつけたものではありません。この曲を聞いた人たちがその壮大さに感動してこう名づけたのかもしれませんね。ベートーヴェンはナポレオンへの賛同を示して交響曲『英雄』を書いているくらいですから(完成後、ナポレオン皇帝即位に激怒して『ある英雄の思い出のために』と書き換えたのですが…)この曲も自分の思い描く皇帝を描写したものなのかもしれません。
第一楽章:Allegro
いきなりのピアノ独奏。とてもよく知られているフレーズです。ピアノソロとオーケストラの儀式風のカデンツァがとても印象的です。内省的なピアノ協奏曲第4番とは全く異なる力強さが示されています。
第二楽章:Adagio un poco mosso
穏やかな曲調の第二楽章。変奏曲形式になっており、全体は3部から構成されています。
第三楽章: Rondo Allegro - Piu allegro
第二楽章からそのままなだれ込み、快活なリズムで始まります。
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ピョートル・チャイコフスキー作曲、ピアノ協奏曲第1番。クラシック好きならもはや興味の対象外となってしまうほどの有名曲。チャイコフスキーがこの曲を友人のルビーンシュタインに聞かせたところ、即座に酷評されたという話はよく知られているものです。彼はひどく傷つきながらもこの曲を完成させました。
この批判は、第一楽章が主調とは別の調から開始し、さらにその調には戻らないという大胆な構成からくるものなのですが、批判を受けたこの構成こそがこのコンチェルトの緊張感、不安感を高め、この曲の劇的な性格を生んだのです。
第一楽章:Allegro non troppo e molto maestoso- Allegro con spirito
この曲もよく知られたホルンのテーマから始まります。シンフォニックで壮麗です。
第二楽章:Andantino semplice -Prestissimo-Quasi Andante
簡潔な旋律の流れを特色あるロシア風の半音の諸関係で支えています。
第三楽章:Allegro con fuoco
ウクライナ民謡を第一主題としたロンド形式。ソナタ形式の応用も取り入れられています。
グリーグ:ピアノ協奏曲
エドヴァルド・グリーグは優れたピアニストでもあった19世紀半ばの作曲家です。数々のピアノ作品を作っていますが、その中でも特別な位置を占めるのがこのピアノ協奏曲。冒頭のフレーズはクラシック音楽をほとんど聞かないという方でもご存知なのではないでしょうか?このフレーズはノルウェー民俗音楽に特有のものなのですが、このフレーズだけでなく、この曲のいたるところにこのような民俗的フレーズがちりばめられていますね。
第一楽章:Allegro molto moderato
ティンパニのトリルに導かれてピアノが流れ落ちていくような冒頭のフレーズ。民俗的な主題が印象的です。
第二楽章:Adagio
穏やかな旋律と柔らかな管楽器の絡まりがとても美しい楽章です。終盤ではピアノが情熱的に歌い、だんだんと静かに終わりを迎えます。
第三楽章:Allegro moderato molto e marcato
第二楽章との切れ目なく始まる、前楽章とは打って変わった軽快で力強い三楽章。中間部の叙情的なフルートがとても印象的です。
なんといっても、やはり名曲
三大ピアノ協奏曲いかがでしたでしょうか。やはり名曲と言われるものは聞けば聞くほどその良さが体にしみてきます。本当の事を言うと実は、『世界三大ピアノ協奏曲』として周知されているものはありません(笑)(ヴァイオリンとかはあるんですけど…)ただ個人的にこれは名曲!と感じる三曲をセレクトしてみました。この三曲だけでなく、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、ラヴェルのピアノ協奏曲、モーツアルトのピアノ協奏曲第23番などなど名曲は数多くあります。この記事をきっかけに読者の皆様がお気に入りのピアノ協奏曲を見つけられたら幸いです。
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この記事のライター
クラシック音楽と文学と少々のお酒をこよなく愛する20代。現在は筋トレにハマりはじめている。慶應義塾大学在学中。