【ジャズ入門】これだけはおさえたい!5人の偉大なジャズピアニスト聴き比べ
みなさんはジャズピアニストといったら誰を思いうかべますか?
ピアニストによって弾き方が全く異なり、それぞれの特徴を味わえるのもジャズの醍醐味。
ジャズなんて全く聞いたことがない、全部同じに聴こえる…。
そんな方は、今から紹介する5人のピアニストの特徴に注目して、聴いてみてください。
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アイキャッチ画像出典:www.flickr.com
1.バド・パウエル/Bud Powell
1924年ニューヨーク生まれのバド・パウエルは、ピアノトリオのスタイルを確立させたピアニストでもあります。ピアノによるビバップスタイル(コード進行に合わせて即興演奏を行う)を広めたことでも有名。天才的でありながら安定したスタイルで、バド・パウエルをベースに他のピアニストと聴き比べをすると分かりやすいかもしれません。声を上げながら演奏するのが特徴的で、CDを聴いていても全身で演奏をしているのが伝わるほど。
日本では『Cleopatra's Dream』が有名ですが、筆者がオススメするのは『Tea For Two』や、ソロで弾いている『Over The Rainbow』です。彼のアレンジ・技術・表現力の素晴らしさがぎゅっと詰まっています。
他の曲も聴いてみたい、という方にはこのアルバムがオススメです。バド・パウエルの名曲が詰まっています!
2.ビル・エヴァンス/Bill Evans
1929年ニュージャージー州生まれのビル・エヴァンスは、モダンジャズを代表する一人。マイルス・デイヴィスなどとも交流があったビル・エヴァンス。後期はヘロイン中毒に陥りながらもピアノの演奏を続けています。クラシックの印象主義を思わせる和音と優雅なピアノタッチが特徴的で、ポロンとした繊細な音は本当に聴き心地がよいです。ビル・エヴァンスは知っている!という人は多いはず。
『Autumn Leaves』、『Someday My Prince Will Come』は初心者でも聴きやすい曲。なかでも『Waltz For Dabby』はぜひとも聴いてほしい名曲。
エディ・ゴメスのベースソロもかっこいいです。
ビル・エバンスのCDはたくさんありますが、初心者にはまずこのアルバムをオススメします。12枚分のアルバム曲のほとんどが収録されている、贅沢なアルバムとなっています。ぜひお気に入りの曲を見つけて下さい!
3. オスカー・ピーターソン/Oscar Peterson
1925年カナダのモントリオール生まれのオスカー・ピーターソン。クラシックからジャズの世界に入った彼は独特な演奏スタイルが特徴で、圧倒的な演奏技術を誇っています。大柄な彼ですが、その手から演奏される超絶技巧には虜になること間違いなしです。1993年に脳梗塞で倒れ、左手を不自由にしていますが、生涯演奏を続けました。
そんな彼の超絶技巧を楽しめる曲は『Chicago』、『Just friends』など。
なかでも筆者がオススメするのは『Over The Rainbow』、『Hymn To Freedom』といったバラード曲。その技術と優しさ溢れる表現力に心打たれます。
超絶技巧の連続。手の動きを見ているだけでも面白いです。
脳梗塞を乗り越えたオスカー・ピーターソンとオリバー・ジョーンズとのセッション。感動します!!
こちらのアルバムに収録されている『Waltz For Dabby』は明るく軽快な仕上がりとなっており、ビル・エヴァンスと聴き比べてみると面白いです。
4. チック・コリア/Chick Corea
1941年アメリカのマサチューセッツ州生まれのチック・コリアは日本でも人気のジャズピアニスト。上原ひろみと日本武道館公演を行ったことでも有名です。
チック・コリアの特徴は、なんといってもラテン調かつエレクトリックなスタイルであること。彼が活躍を始める1960年代以降は、モダンジャズの行き詰まりを見せていた時代でもあったため、彼の演奏はフリーの要素が強いのも特徴です。
代表曲はなんといっても『Spain』や『La Fiesta』です。これらを聴けばラテン系ジャズを存分に楽しめます。
アコースティックバンドで奏でる『Someday My Prince Will Come』もぜひ聴いてみてください。タッチはビル・エヴァンスと似るところがありますが、リズムやメロディはチック・コリアならではのラテン系の独特な雰囲気が光っています。
5. ハービー・ハンコック/Herbie Hancock
1940年アメリカのシカゴ生まれのハービー・ハンコックはフュージョンの代表者とも言えます。フュージョンとは、ロックやラテンなどを融合したジャンルであり、モダンジャズの行き詰まりとともに新たなジャズの試みとして生まれました。フュージョンからジャズにはまる人も多くいます。
彼の代表作は『Watermelon Man』、『Cantaloupe Island』など。どれを聴いても、とにかくクール。エレクトリックな音楽が好きな方にはオススメです。
スイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルでの豪華演奏。ハービー・ハンコックのショルダー・シンセサイザーがカッコいいです。
こちらのアルバムはエレクトリック要素が満載で、今まで紹介したジャズアルバムとはかなりテイストが異なります。
誰の演奏がお好きですか?
いかがでしたか?ジャズピアニストや、時代によって、弾き方やフレーズ、リズム、雰囲気が全く異なります。同じ曲なのに、全然違う音楽として楽しめるのもジャズならでは。ぜひお気に入りのジャズピアニストを見つけてみてください!
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この記事のライター
その辺にいる大学生。旅行と写真と音楽と映画と散歩が好きです。興のおもむくまま、気まぐれに書きます。