これだけは聞いておけ!有名クラシック作曲家5人とその代表曲・名曲15選【初級編】
クラシック音楽なんて知らないけど聞いてみたい!というあなたに送る定番名曲15選。ピアノ曲からオーケストラまで様々なジャンルから、最も有名で演奏機会の多い曲を集めました。
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アイキャッチ画像出典:ninchisho-online.com
ヨハン・セバスティアン・バッハ
「音楽の父」と呼ばれるバッハ。今では誰でも聞いたことがあるその名ですが、その生涯は恵まれたものではありませんでした。作曲家としてよりは演奏家として活動しており、生前には彼の作曲していた曲が有名になっていたわけではありません。そんなバッハですが、今ではその数学的とも言える精巧な曲で名を馳せています。バッハは特に室内楽の曲が有名です。
無伴奏チェロ組曲
バッハの曲としても有名ですが、チェロの代表曲とも言えるこの曲。世界の代表的なチェリスト達が競って演奏、録音をしています。その音楽自体は情緒に訴えて来る種類のものではないので、演奏家自身の技巧が聞いている側に伝わりやすいのです。
第1番ト長調 BWV1007
第2番ニ短調 BWV1008
第3番ハ長調 BWV1009
第4番変ホ長調 BWV1010
第5番ハ短調 BWV1011
第6番ニ長調 BWV1012
アヴェ・マリア
バッハの平均律クラヴィーア曲にラテン語の聖句「アヴェ・マリア」を歌詞に用いた声楽曲。グノーが編曲をしています。ピアノとチェロ・ヴァイオリン用に編曲された曲などもあり、「シューベルトのアヴェ・マリア」「カッチーニのアヴェ・マリア」と並べて三大アヴェ・マリアとも称されています。そもそもアヴェ・マリアというのは「こんにちは、マリア」という意味で、聖母マリアへの祈祷の言葉。この祈祷のための音楽がこの「アヴェ・マリア」という曲なのです。
G線上のアリア
「G線上のアリア」バッハの作曲した『管弦楽組曲第3番ニ長調』の第二曲「アリア」を編曲したもの。この曲の名前はヴァイオリンの4本の弦のうち、G線だけで演奏可能なことからこの名称が来ています。テレビ番組やアニメなどでも多用される曲なので聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
映画「アマデウス」でも取り上げられたモーツァルト。ハイドン、べートーヴェンと並べて古典派の三大作曲家として数えられています。まさに「天才」。幼少時から世界各国を父親と音楽演奏旅行をして回りました。モーツァルトの後を追随してその後の音楽家達は皆子供を引き連れて各国音楽演奏旅行をするようになります。短い生涯にもかかわらず数多くの曲を作曲しました。
オーボエ協奏曲
のだめカンタービレでも取り上げられていたこの曲。天に昇るようなオーボエの倍音の深い音が響き渡ります。CMなどでもよく使われている曲です。フルート協奏曲にも編曲されており、フルート奏者、オーボエ奏者にとっては定番の曲です。
交響曲第39番、40番、41番
モーツァルトの三大交響曲第39番、第40番、第41番。その中でも交響曲第40番は数ある交響曲の中でもたった二曲しかない短調の曲。これらの三曲、動画を見ての通り全部で二時間もの大曲なのですが、たった6週間で書かれたと言われています。しかも、この交響曲は死の直前に書かれた晩年の曲。最期までいかに精力的に作曲を続けていたかが伺えます。
きらきら星変奏曲
「♪きらきらひかる夜空の星よ」
この『きらきら星』の原曲でもある、きらきら星変奏曲。変奏曲というのは1番目の主題を元に数々のバリエーションを生んでいく音楽のことです。この曲には12のバリエーションがあります。明るく弾むようで、まさにモーツァルトと言えるようなピアノ曲。『のだめカンタービレ』や『四月は君の嘘』などいろいろな漫画や番組においても取り上げられる有名な曲です。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
古典派音楽の集大成の作曲家であると同時に、ロマン派音楽の先駆けと言える作曲家ベートーヴェン。ベートーヴェンもモーツァルト同様に父親から音楽を学びました。ただし、その教育はほとんど虐待。苛烈な教育を経てこの天才作曲家は生まれました。
交響曲第5番「運命」
ダダダダーン!!!
ベートーヴェンはこのフレーズだけでこの曲を作ってしまうのですからやはり天才です。
世界三大交響曲の一つとしても数えられる有名すぎる交響曲、ベートーヴェン作曲交響曲第5番『運命』。
有名な「ダダダダーン」というのは「運命の動機」と呼ばれています。この「運命の動機」は第一主題として使われるだけでなく、第二主題、第三主題、と様々な主題が登場してもなお、バックでまとわり続けます。この「運命の動機」が穏やかな旋律の裏に流れ続けることによって、この交響曲に緊張感を生み出ているのですね。
交響曲第9番
ベートーヴェンの「第九」!みなさんは「第九」を聴いたことはあるでしょうか?
「第九」といえば年末に聞くことが多いですよね。でも実はこの風習は日本だけなんです。
NHK交響楽団がまだ有名でなかった頃、年末に「第九」を演奏して、大成功。それから日本では「第九」を演奏することが流行しはじめました。「第九」は合唱つきであることから「合唱」もしくは「合唱つき」として副題をつけられることが多く、4人の独唱もついています。これほど大編成なのにこれほど頻繁に演奏される交響曲は稀ですね。
ピアノ協奏曲第5番『皇帝』
まさに、『皇帝』。かなり壮大な曲です。ただ、実は、この『皇帝』というタイトルはベートーヴェン自身がつけたものではありません。この曲を聞いた人たちがその壮大さに感動してこう名づけたのかもしれませんね。ベートーヴェンはナポレオンへの賛同を示して交響曲『英雄』を書いているくらいですから(完成後、ナポレオン皇帝即位に激怒して『ある英雄の思い出のために』と書き換えたのですが…)この曲も自分の思い描く皇帝を描写したものなのかもしれません。
ヨハネス・ブラームス
ブラームスはバッハ、ベートーヴェンと並び、ドイツ音楽の「3大B」と称される作曲家です。作風は主にロマン派音楽ですが、古典主義的な形式美を尊重する傾向もあります。ドイツ音楽といえばアーフタクトの強い音楽が特徴ですが、バッハ、ベートーヴェンよりもかなりその色彩が濃く、その点においては、ロマン派音楽の作曲家らしいと言えるでしょう。
ハンガリー舞曲第5番
ハンガリー舞曲は、ロマの民族音楽であるジプシー音楽を編曲して作られたものであり、伝統的音楽からかなり影響を受けています。ブラームスはこのハンガリー舞曲でかなりの成功を収め、ドヴォルザークにスラブ舞曲を作曲することを勧めたほどです。
交響曲第1番
4曲あるブラームスの交響曲の中で最も有名な「交響曲第1番」。
ベートーヴェンを尊敬してやまないブラームスはベートーヴェンを超える交響曲を書こうと奮闘し、「ベートーヴェンの10番目の交響曲」と言われるほどの大曲を作曲することに成功しました。この曲の最初の短調の主題はなんだか「運命」と歩調が似ていますが、実は第一楽章の終盤では先ほどの「運命の動機」が使われています。本当にベートーヴェンを強く意識して作曲されている曲なのですね。
愛のワルツ
ピアノ連弾曲集「16のワルツ」の15番目の曲。16のワルツの中には、スラブ的な民族音楽をモチーフにしたもの、ハンガリーをモチーフにしたもの、子守唄的なものなど様々な色彩を持つワルツが集められています。この曲も『のだめカンタービレ』やCMなどに使われています。
ドヴォルザーク
「ドヴォコン」の通称で親しまれるドヴォルザークのチェロ協奏曲。ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲も作曲しているにもかかわらず、「ドヴォコン」の名で呼ばれるのはこの協奏曲がドヴォルザークの代表曲としてふさわしいからでしょう。エルガーのチェロ協奏曲と並んで最も演奏される機会の多いチェロ協奏曲です。新世界や弦楽四重奏「アメリカ」同様に民族的な音楽がふんだんに取り入れられており、ドヴォルザークらしい曲調になっています。
交響曲第9番
テレビCMなどでもこの曲の第2楽章、第4楽章のテーマがよく用いられていますね。新世界とはアメリカのこと。新世界アメリカに滞在していたドヴォルザークが故郷ボヘミアに向けて作った曲です。彼はボヘミアの音楽とアメリカ黒人の音楽が似ていることに刺激を受け、この楽曲を作成したと言われています。そのためボヘミアやアメリカ黒人の古い民謡のモチーフがふんだんに取り入れられています。
チェロ協奏曲
「ドヴォコン」の通称で知られるドヴォルザーク作曲のチェロ協奏曲。ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲も作曲されているにもかかわらず、その名で親しまれているのはその認知度の差から来ています。新世界や弦楽四重奏「アメリカ」と同様に、民族的な音楽をモチーフに作られており、ドヴォルザークらしい曲調を持ち合わせています。チェロ協奏曲としてはエルガーのチェロ協奏曲と並んで最も演奏機会の多い曲です。
弦楽四重奏『アメリカ』
弦楽四重奏曲第12番作品96「アメリカ」。ドヴォルザークといえば交響曲第9番「新世界より」ですが、この曲にも「新世界」と同じように民謡風のフレーズがいたるところに散りばめられています。最初のヴィオラによるフレーズなどはまさにそれですね。なんとなく、懐かしい響きが感じられます。明るく温かく優しい曲となっています。
クラシック音楽を築き上げた巨匠たち
古典派からロマン派における有名すぎるクラシック作曲家たちを5人紹介しました。同じクラシック音楽でも時代によって全く音楽が変わって来ます。もともと教会の宗教音楽から始まったクラシック音楽。そのため最初は官能性や情緒とはかけ離れた数学的とも言える音楽でした。にもかかわらずロマン派後期まで行くとかなり情緒に溢れていますね。時代によって曲調も様々なので色々と聞いて、お気に入りの音楽を探してみてください。
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この記事のライター
クラシック音楽と文学と少々のお酒をこよなく愛する20代。現在は筋トレにハマりはじめている。慶應義塾大学在学中。