重厚な低音に酔いしれる!パイプオルガンの音楽・宗教抜きで楽しめるおすすめ曲
パイプオルガンの音色は重厚な低音が魅力です。お腹の底から体に響き渡るすさまじい迫力は、1度好きになると虜になります。教会音楽に限らず楽しめるものはあるのです。ジャンルを問わず、パイプオルガンの素晴らしい音楽をご紹介します。
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アイキャッチ画像出典:www.bee-music.jp
パイプオルガンの音色を自宅で楽しむ
パイプオルガンは教会に設置され宗教音楽を演奏するためにありました。バッハやヘンデル、フランクなどオルガンの曲を書いた人は多くいましたが、皆宗教曲が多いことや日本では聴く機会も少なく一般的でないので敬遠する人も多いと思います。
しかし、現在はいろいろな人が楽しむことができるレコードやCDなどの方法があります。教会に出かけずとも音質の良いスピーカーとヘッドホンがあれば再現できるのです。また、ジャンルを問わずパイプオルガンの重厚な音を使って表現するユニークなオルガニストも現れてきました。美しいパイプオルガンの音色をどうぞ聴いてみてください。
フランク作曲 前奏曲とフーガ・変奏曲
セザール・フランクは、1822年にベルギーに生まれました。裕福な銀行家の家庭に育ち、音楽の才能が幼少の頃からあったため、両親は彼をパリ音楽院へ行かせています。後に教会のオルガン弾きになりオルガンの曲をたくさん作曲しました。
彼の代表作として、ヴァイオリンソナタイ長調や、ピアノ曲の「コラールとフーガ」「交響的変奏曲」などと今回ご紹介している曲があります。特にこの曲は、ピアノ独奏用に編曲されるなど人気の高い作品です。パイプオルガンの重厚な響きとメロディの美しさは、「パイプオルガンの音楽はどれもバッハ風の宗教的なもの」とのイメージから離れたものといえます。
Organ Works (Complete) CD, Import
Franck
価格 1,122円
サン・サーンス作曲 死の舞踏
サン・サーンスは1835年にフランスで生まれました。幼少時より神童として有名であり、後にパリ音楽院で音楽の勉強をしています。音楽以外にも博識で、レオナルド・ダ・ヴィンチのように数学、科学などにも精通したに天才型の人であったことが知られていたようです。
代表作は、「動物の謝肉祭」がもっとも有名ですが、今回ご紹介します曲も当時から大変人気がありました。ヨーロッパはペストが流行り多数の人が亡くなりました。「死の舞踏」は人々が「乱舞することにより死から逃れられる」という迷信をイメージしたものといえます。美術界でも、死神を描いた絵を飾るという縁起かつぎもあったということから、音楽も影響を受けたということが推測できます。
サン・サーンスの死の舞踏は元々交響詩ですが、あらゆる楽器に編曲され現代も人気のある名曲です。リストが編曲したピアノ曲は難曲として知られていますが、このパイプオルガンの編曲も低音の重厚さが死神の歩み寄る恐ろしさを連想させ、名編曲になっています。
サン=サーンス:交響曲第3番
デュトワ(シャルル)
価格 6,500円
ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲 トッカータとフーガ ニ短調BWV565
パイプオルガンの名曲をご紹介する上で、このバッハ作曲の「トッカータとフーガニ短調」を外すわけにはいきません。おそらく中学校の音楽で鑑賞曲として聴いた人も多いと思います。出だしの数小節のみで「大事件」を予感させるシーンが思い浮かぶほど有名です。
パイプオルガンの重厚な音は、数小節おきに奏される「両手指すべての和音」により強調され、「低音好き」の人の心を満足させてくれます。10分ほどの短い曲ですので最後までお楽しみください。
Toccata e fuga BWV 565 (1708) in re Toccata e fuga BWV 540 (1708) in FA Toccata adagio e fuga BWV 564 in DO (1708 17) Collection grandes orgues vol.13 Toccatas celebres
Jean Guillou
価格 7,965円
プーランク作曲 オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲 ト短調
フランシス・プーランクは1899年にフランスに生まれました。裕福な家庭に育ち、音楽の才能にも恵まれましたが、父親の反対にあいパリ音楽院で勉強することはできなかったようです。大きな体躯と巨大な手の持ち主で知性とユーモアにあふれ、作品にも随所に性格があらわれています。
しかし、陽気で軽快な音楽は、一瞬で「この世でもっとも美しい」と感じさせる切ないメロディに速変わりします。そのギャップが、新鮮な驚きと共に「プーランクへの恋に堕ちた」と感じさせるのです。ご紹介しますこの曲もプーランクらしい美しいメロディがパイプオルガンのソロ部分に現れてきます。全体は30分近い長い曲ですが、長さを感じさせない名曲です。
Poulenc, F.: Organ Concerto in G Minor / Saint-Saens, C.: Symphony No. 3, "Organ" / Barber, S.: Toccata Festiva
価格 1,500円
ビゼー作曲ホロヴィッツ編曲 カルメンファンタジー
ご紹介します曲は、ピアニストの巨匠ウラディーミル・ホロヴィッツがピアノ用に編曲した「ビゼー作のカルメン」です。ヴィルトゥオーソ(名人級)のホロヴィッツらしい難曲として知られていますが、パイプオルガンで弾くという「難事業」をしたオルガニストがいます。最後は、曲のご紹介というより、大変奇抜ですが素晴らしい技巧の持ち主「キャメロン・カーペンター」をご紹介したいと思います。
1981年アメリカ生まれでジュリアード音楽院で学び、博士号をとりました。ハードロッカーのような、クラシック奏者にふさわしからぬ華美な装飾と超絶技巧とのギャップが興味深いのですが、良くも悪くも注目を浴びています。しかし、一流の演奏技術の持ち主であることは変わりありません。重厚なパイプオルガンの音と「重厚な彼のパフォーマンス」をぜひ1度ご覧ください。
革命~ミラクル・オルガン・イリュージョン(DVD付) CD+DVD
カーペンター(キャメロン
価格 6,000円
パイプオルガンの音色はいろいろ
いかがでしたでしょうか。パイプオルガンに対して、少しイメージが違ったと感じていただければ幸いです。パイプオルガンはいろいろな形があり、音色も操作もそれぞれ違うようです。もしご興味を持ったのでしたら実際に本物のパイプオルガンの音色を聴きに行ってみてください。新しい発見があるかもしれません。
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この記事のライター
検査技師をしておりました。現在は家庭に入り、ライター、アンティークドールのディーラー、人形関連の制作と売買、ピアノ講師などをしています。趣味の薔薇や犬、鳥の世話と夫と子供の世話に忙しい毎日です。