こんな時代だから考えたい「LGBT」を題材に扱った映画5選
同性同士のカップルをパートナーとして認めてくれる自治体が日本にも増えてきましたが、それでもまだまだ日本における「LGBT」への理解は欧米に比べて浅いのではないでしょうか。LGBTについて考えるきっかけをくれる映画5選をご紹介します。
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なんとなく知ってはいるけど…
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ここ数年でLGBTという言葉が社会に浸透してきました。LGBTとはレズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの頭文字をとって作られた言葉です。日本でも同性同士のカップルを婚姻関係とほぼ同等に扱う制度を持つ自治体が増えてきましたが、それでもまだまだLGBTは誰にとっても身近な存在とは言えないのが現状です。LGBTへの理解や関心を深めることの出来る映画5選をご紹介します。
1.『アデル、ブルーは熱い色』(2013/アブデラティフ・ケシシュ監督)
高校生のアデルは、ある日街ですれ違った青い髪の女性に一目惚れする。彼女の名前はエマ。お互いに一気に惹かれあい、熱い愛で結ばれる2人だったけれど、気持ちのすれ違いからアデルの取った行動で、2人の関係は取り返しのつかないことに…。
フランスらしい情熱的な愛と、アートな雰囲気が魅力の映画です。「レズカップル」というフィルターで何だか特殊なストーリーのようにも見えますが、同性同士であろうと、愛し合う気持ちは異性同士の交際と何も変わらないことを感じます。むしろ女同士の方が熱いくらいかも…!
2.『彼は秘密の女ともだち』(2014/フランソワ・オゾン監督)
親友のローラを亡くし、ふさぎ込むクレール。そんな気分を変えようと、ローラの家を訪ねると、そこにはローラの服に身を包み、女装した姿で子供をあやすローラの夫、ダヴィットがいた。そんな姿に嫌悪や戸惑いを覚えながらも2人は分かち合い、まるで女友達のように買い物に出かけたり、旅行したりするまでに。でも、女同士の友情を楽しんでいるはずだったのに、その間には次第に複雑な感情が芽生え始めて…。
フランス映画の巨匠フランソワ・オゾン監督の作品です。女装した男性、または男装した女性と同性同士の友情を築くことが出来るのかはかなり興味深いですね。
3.『チョコレートドーナツ』(2012年/トラヴィス・ファイン監督)
とあることから出会い、同棲を始めたルディとポールのゲイカップル。隣の部屋に暮らすマルコというダウン症の少年が、薬物中毒の母親によって育児放棄されていることを知り、養護施設を説き伏せて2人で面倒を見ることにする。1度は監護者として承認を得た2人であったが、再び司法の力によってマルコと引き裂かれることに。果たして3人の運命は…?
実話を元に制作された作品です。母親に見捨てられながらもけなげに生きるマルコの姿や、ルディ達の愛情に胸を打たれます。衝撃的で悲しいラストは涙なしでは観られません。
4.『キャロル』(2015年/トッド・へインズ監督)
百貨店のおもちゃ売り場でアルバイトをしていたテレーズは、客として訪れたキャロルという裕福な女性に心奪われる。もう一度彼女に会って話をしたいという欲求を抑えられずに、テレーズは伝票から控えたキャロルの住所にクリスマスカードを送り、そこから2人の交流が始まる。自由で強かなキャロルに惹かれていくテレーズ。キャロルもまたテレーズに対して特別な感情を抱いていたが、2人の関係は離婚協議中のキャロルの夫にバレてしまい、こじれていくことに。
自由で、情熱的で、既存の価値観にとらわれないキャロルの姿がとても魅力的です。LGBTに関しては先進国のようにも思えるアメリカですが、50年代はやはり社会から迫害されうるものだったのですね。ルーニー・マーラーの演技がとても可愛らしいです。
5.『ベニスに死す』(1971年/ルキノ・ヴィスコンティ監督)
静養のためにベニスを訪れた老音楽家のアッシェンバッハは、行きの船の中で出会ったタジオという美少年に心奪われる。到着したベニスでは疫病が流行し、アッシェンバッハも感染し、命を蝕まれていくが、タジオの姿を求めてベニスを彷徨う。
美少年に心奪われる老人という当時にしてみれば衝撃的すぎる設定のストーリーですが、今もなお名作として語り継がれる作品の1つです。この作中、アッシェンバッハはタジオと接触することはもちろん、会話すらすることがありません。触れられない禁断の恋だからこそ、強烈さが増すのですね。
LGBTを扱った名作映画を鑑賞しよう
いかがでしたでしょうか?LGBTを扱っているという点を除いても、映画として非常に面白い作品ばかりです。気になったものがあればぜひ観てみてくださいね。
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この記事のライター
映画と焼肉がだーいすき。健康が気になるけどお酒は絶対にやめられない新米社会人。