これが極道じゃき!日本男児なら一度は観たい「仁義なき戦い」の魅力
日本が誇るやくざ映画の金字塔「仁義なき戦い」シリーズ。「チャララー、チャララーン」というテーマソングは誰でも耳にしたことがあるのではないでしょうか。公開から40年以上経てもその人気は衰えることがありません。「仁義なき戦い」を見たことのない方も思わず見たくなってしまうような、魅力と作品にまつわる雑学を紹介します!
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日本映画史に残る名作
映画「仁義なき戦い」シリーズは1973~74年の間に5作に渡って制作された広島を舞台としたやくざ同士の抗争と、その興隆を描いた日本を代表するやくざ映画です。監督は深作欣二。近年では「バトルロワイアル」シリーズを監督し、そのショッキングな内容と共にかなり話題になりましたね。
男同士の泥臭く、血塗られた命がけの争いは全編を通して迫力満点で、シリーズが完結してから40年ほど経過した現在でも日本中に根強いファンたちが存在します。特に主人公を演じた菅原文太の人気はファンの間ではカルト的と言えるほどの人気です。「仁義なき戦い」なんて興味がないよという方も、見てみたいけれどなかなか手が伸びない、という方も、今すぐレンタルに走りたくなる「仁義なき」シリーズの魅力を解説します!
「仁義なき戦い」シリーズは嘘みたいな本当の話
銃声が鳴り響き、日本刀と血しぶきが舞う…。「仁義なき」シリーズが好きだと公言している人の中にもなかなかこの事実を知っている人はいないですが、一連のシリーズは実は実際に起こった抗争事件を元に制作されたのです。登場人物の名前はもちろん仮名ですが全員戦後の広島で構想を繰り広げたやくざたちがモデルになっています。実話がベースというだけあって、登場人物ひとりひとりの描写がとても細かく、それが作品の面白さにもつながっています。
主人公のモデルとなった美能幸三が、獄中で記した広島抗争の記録が週刊サンケイに連載されていたものを脚本化し、撮影されたのが映画「仁義なき戦い」シリーズなのです。それまでの任侠映画というと、武士の延長のような義理人情に厚く、正しい任侠道を歩むヒーローが描かれているものが主流でしたが、「仁義なき戦い」は、現実的な殺伐とした暴力の世界を描いた新鮮さで爆発的な人気を博すようになったのです。
元ネタになった「広島抗争」って?
「仁義なき」シリーズの広島抗争は1950~1972年にかけて広島で起こった暴力団の抗争事件の総称です。第一次広島抗争、第二次広島抗争を経て、一連の対立が落ち着く第三次広島抗争の終結まで何と20年以上も要した日本中に衝撃を与えた大規模な抗争事件でした。
最も大きな被害を出した第二次広島抗争では、半年で8人の死傷者と14人の負傷者を出したそうです。白昼の広島で銃撃戦が勃発するなど市民生活にも大きな衝撃と不安を与えたことにより、警察の暴力団への監視を厳しくするキッカケにもなった事件でした。それまでの日本では芸能人や野球選手が暴力団などの反社会組織と親交があることも珍しくなかったのです。今では想像もできませんね。
主演の菅原文太はこんな人
昭和期の名優の1人である菅原文太。代表作には「仁義なき」シリーズの他に「トラック野郎」シリーズがあります。1931年に東京で生まれ、仙台に疎開したのち、早稲田大学在学中に中原淳一のモデルになったことをきっかけに、当時立ち上げられてから間もない劇団四季の1期生として所属することに。ファッションモデルとして活動していましたが、新東宝の宣伝部員にスカウトされたことを機に映画俳優になることを決意し、俳優の道に進むことになります。
1967年に東映に移籍しますが、大きい役が回ってくることがなく、しばらく退屈な日々を過ごしますが、1969年に「現代やくざ」シリーズの主演を務めたことで転機が訪れました。この「現代やくざ」シリーズは後の「仁義なき戦い」のような現実的な悪人を主人公する実録モノの礎として、現代でも日本映画史において重要な作品の1つです。そして1973年から始まった「仁義なき」シリーズによって東映と日本を代表するスター俳優としての立ち位置を確固たるものにしました。
2009年に俳優を半分引退したと宣言し、農業を初め、その後映画に出演することはありませんでした。そして2014年にがんによる肝不全によって亡くなりました。
「仁義なき戦い」のストーリーを簡単に紹介
”敗戦直後の広島の闇市、食堂にいた広能昌三(菅原文太)の元に暴漢に襲われ、負傷した友人が駆け込んで来る。山守組への連絡を頼まれ、そのまま組員と共に現場に駆け付けた広能は暴漢を射殺する。そのまま逮捕されるが、山守組に保釈金を払われ出所。山守組の若衆となった広能は仁義なき極道の世界へと足を踏み入れ、やがて裏社会で誰もが一目置くようなやくざへと成り上がっていくのであった。”
「仁義なき戦い」には他にも松方弘樹や田中邦衛、渡瀬恒彦、梅宮辰夫などの現在でも大物として名を馳せる俳優が出演しています。ヤクザを演じる名優の面々は現在のイメージとは一味違い、まるで本物のヤクザのように迫力満点です。
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日本男児ならぜひ一度鑑賞しよう
「仁義なき戦い」シリーズ、観たくなりましたか?全5作とかなりの長編ですが、あまりの面白さにあっという間に観終わってしまいますよ。広島抗争を通して日本のやくざ社会の興隆と衰退を描いた作品ですが、そのストーリーとは別に、広能たちの硬派で筋の通った姿勢は日本男児として見習いたいものがあります。今度の予定のない週末や、眠る前のリラックスタイムにぜひ鑑賞してみてくださいね!
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この記事のライター
映画と焼肉がだーいすき。健康が気になるけどお酒は絶対にやめられない新米社会人。