女優を魅力的に映し出すジョージ・キューカー監督のおすすめ作品3選
ジョージ・キューカー監督は1930年代から1981年までハリウッドの名作を次々手がけた有名な映画監督です。女優の扱いが上手く、その魅力を開花させることに長けていました。彼のこの手腕はハリウッドの上層部も認めており、「女性映画ならキューカーに」と言われた程でした。
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女優の長所を引き出す
俳優が映画の中で自分の魅力を最大限に出してくれる監督に恵まれることは、非常に幸せなことでしょう。演技力はもちろん一番必要なことですが、自分でも気づかなかった新しい面に気づくことで女優として益々成長を遂げるのは誰もが望むところでしょう。
その力を持っていたのが、ジョージ・キューカーでした。
若草物語
4人姉妹を主人公としたオルコットの名作を映画化したものです。
この映画の中で、キューカーの手腕が優れているとされるのは、姉妹それぞれの性格を見事に表現しています。
特に次女ジョー役のキャサリン・ヘップバーンの男勝りでありながら、妹達に優しい愛情を示すところや、病弱な三女べスの可憐でありながら芯の強さを感じさせるところは世界中でも絶賛されています。
風と共に去りぬ
この映画の監督はヴィクター・フレミングですが、最初はジョージ・キューカーが務めていました。しかし、キューカーが女優ばかり熱心に指導していると思いこんだクラーク・ゲーブルの不満や、大作の迫力をキューカーが出し切れていないと判断したセルズニックが、彼を降板し、代わりにヴィクター・フレミングを起用しました。
セルズニックは、主演のヴィヴィアン・リーやメラニー役のオリヴィア・デ・ハヴィランドが涙を流しながらキューカー留任を訴える姿に心を打たれたのですが、フレミングに交代する気持ちは変わりませんでした。
そこで、2人の女優は密かにジョージ・キューカーに演技指導を受けることとなり、この映画は陰の監督としてキューカーの演出が入っていると言えます。
ガス燈
イングリッド・バーグマン主演のサスペンス映画です。
バーグマンが夫に依り精神的にどんどん追い詰められていく過程を見事に演じると共に、そんな中でも彼女の美しさをキューカーは充分に出しています。
話は息もつけない展開で、最後はハッピーエンドになっています。
監督の女優の演技に対するこだわり
いかがでしたでしょうか。ハリウッドの黄金時代、女優を見事に育て上げると共に、誠実な態度で格調高い映画を数多く世に送り出した天才が、ジョージ・キューカーでした。
映画の中身だけでなく、監督の女優に対するこだわりにも注目して映画を見てみるのもいいかもしれません。
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