異世界ストーリーを描かせたら日本一?!恒川光太郎のおすすめ作品3選
幻想的な雰囲気、日常に潜む異世界への入り口、あっさりとしながらもしっかり読者を引き込む恒川光太郎の手腕は、異世界ストーリーを描かせたら日本一と言っても過言ではない作家です。そんな恒川光太郎のおすすめ作品をご紹介します。
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人々を魅了する異世界ストーリー
日常の隣にあるひっそりと存在する異世界。ふとしたきっかけでその世界に取り込まれ、振り回される人間を表現させたら日本一の作家、恒川光太郎。
ホラーファンタジーの定番である恒川光太郎の作品は読んでいるうちに自分がその異世界に入り込んでしまったかのような不思議な体験ができる作品ばかりです。
夜市(2005年 角川書店)
第12回日本ホラー小説大賞受賞し、第134回直木賞の候補にも挙がったデビュー作。大学生二人がふと紛れ込んでしまった異世界の『夜市』。ここでは何か取引をしない限り出ることができないというルールがあり、子どものころに弟を取引に使って夢を得ていた裕司は、なんとかして弟を取り戻すために人攫いの店へ行き…というストーリー。誰もが感じる『夜市』のほんのり漂う不気味さや異空間の冷やかさを繊細かつ丁寧に描いた作品。ストーリー展開の意外さも魅力です。
雷の季節の終わりに(2006年 角川書店)
第20回山本周五郎賞の候補に挙がった作品。異世界・穏(おん)に暮らす少年が、こちらの世界に逃げてきて、異世界とこちらの世界がリンクし物語が展開していきます。恒川光太郎ならではの「風わいわい」など独特な言葉もスムーズに入ってくるなど大人が読んでも違和感を全く感じさせない「不思議な世界の物語」です。
秋の牢獄(2007年 角川書店)
第29回吉川英治文学新人賞候補となった作品。何度も同じ毎日を繰り返す人々。同じ日を何度も繰り返さなければいけない、抜け出せないとわかったときの絶望や彼らに迫る影など、読めば読むほど息苦しくなる作品です。表題作を含む3本が収録されていますが、どの作品も「囚われた人」をテーマにしています。
平凡な日常が一番なのかもしれない…
恒川光太郎の描く幻想的な雰囲気、日常に潜む異世界への入り口、あっさりとしながらもしっかり読者を引き込む手腕は、日本一と言っても過言ではありません。もしかしたらこの世界のすぐそばに異世界があるのかもしれない、ちょっとしたきっかけでもしかしたらそちらの世界に引きずり込まれてしまうのかもしれないとヒヤリとしつつ、毎日の平凡な日常が一番なんだと実感するはずです。
現状の生活に満足していない人は一度手に取り、今のありがたさを再認識してみてはいかがでしょうか。
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