実はこんなに傑作ぞろい!ジャンルごとおすすめB級映画20選
テレビで大々的に宣伝されることもない、大手の映画館でもそうそう上映されない。そんな普段はあまり話題にのぼらない“B級映画”たち。知名度が低いと侮るななかれ、実は隠れた名作がたくさんあるんですよ!今回はのんびり頭をからっぽにしてみたい、友達とでも1人でも楽しめるB級映画を20選ご紹介します。
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なぜ“B級”なのか?
“B級映画”のはじまりは1930年代のアメリカ。低予算、短期間のうちに製作され、上映期間も上映館も限られていた映画のことを指すのだそうです。内容もチープなイメージがあるB級映画ですが、その大作映画には見られないような“ゆるさ”や“しょうもなさ”に、虜になってしまうファンも多数。また低予算だからこその“なんでもあり”な突飛な内容に思わず感心させられてしまいます。
そんな意外と傑作が隠れているB級映画。今回はジャンルごとに、おすすめ20選をご紹介していきたいと思います!
ホラー・サスペンス
B級映画のホラーやサスペンスは興味深いものがたくさん。ホラーが苦手・・・という人でも観ることができるような突飛なものや、低予算で作られたとは思えないほどゾクゾクする作品も。これを観ればあなたもホラー洋画通?
1. CUBE (1997)
ある日突然、謎の部屋に閉じ込められた職業も年齢もバラバラな6人の男女。そこは巨大の立方体の部屋でした。なぜ自分がここに連れてこられたか全く分からない6人は出る方法を探しはじめるのですが、部屋を出てもそこには殺人トラップがしかけられた同じ立方体の部屋が広がっていて・・・
スタイリッシュなビジュアルとグロテスクな映像は、低予算とは思えないほど。一歩間違えれば殺人トラップにひっかかるというスリリングな展開をぜひお楽しみください!
公開 : 1998年9月12日
監督 : ヴィンチェンゾ・ナタリ
出演 : ニコール・デ・ボア、デヴィッド・ヒューレット
2. キンドレッド (1986)
あるマッドサイエンティストが人間と海洋生物の遺伝子を組み合わせ作り上げたのは、恐ろしい人造人間や怪物だった・・・異形の怪物が登場するバイオホラーです。ベトベトしていそうな不気味な生物や、ドロドロの粘着質の物体はチープさもあって気持ち悪さが倍増!また「なぜ科学者は怪物を作りだしたのか?」という思惑も丁寧に描かれているので、他のバイオホラーとは一味違った作品になっています。
公開 : 1988年2月20日
監督 : ジェフリー・オブロウ、スティーヴン・カーペンター
出演 : デイヴィッド・アレン・ブルックス、ロッド・スタイガー
3. 殺しのドレス (1980)
美術館で出会った男と不倫をしてしまった人妻ケイト。そんな彼女が何者かに殺されるという事件が起こり増す。事件を目撃した娼婦のリズは、ケイトの息子と一緒に事件を調べ始めるのですが・・・監督はアルフレッド・ヒッチコック監督の名作『サイコ』を参考にしてこの作品を作ったのだとか。B級映画とは思えないほどの流れるようなカメラワークや印象的な色使い、そしてエロティックな雰囲気に目が離せなくなるサスペンス映画です。
公開 : 1981年4月4日
監督 : ブライアン・デ・パルマ
出演 : アンジー・ディキンソン、ナンシー・アレン
4. パラサイト (1998)
アメリカ、オハイオ州のとある高校。いじめられっ子のケイシーはある日、グラウンドで変な生物を発見します。ケイシーが生物の先生の元へ持っていき、水槽にいれるとその生物は凶暴な本性を露わにして・・・次第にその奇妙な生物“パラサイト”たちに街全体が乗っ取られていく様を描いたホラー映画です。
パラサイトが人間に寄生していく姿はなかなかのインパクトでグロテスク!しかし“気弱な少年と仲間たちが人々を救う”という、どこか応援したくなる青春映画でもあります。ホラー要素も青春要素もこめられた良作です。
公開 : 1999年8月7日
監督 : ロバート・ロドリゲス
出演 : イライジャ・ウッド、ジョシュ・ハートネット
5. アタック・オブ・ザ・キラー・トマト (1978)
直訳すると『進撃の殺人トマト』。こちらはアメリカ政府が極秘に開発していた巨大トマトが人間を襲いだすという物語です。巨大なトマトの下に台車が見えていたり、巨大トマトの弱点の設定であったり、偶然撮影に入り込んだ飛行機事故の映像を使ったりととにかく滅茶苦茶な作品です。しかしそのあまりにも突飛な内容にカルト的人気を根強く残しています。
人類は果たしてトマト達に勝てるのか?「訳が分からない作品を観たい!」という時におすすめです。
公開 : 日本劇場未公開
監督 : ジョン・デ・ベロ
出演 : デイヴィッド・ミラー、ジョージ・ウィルソン
アクション・パニック
あの有名作品の人気にちゃっかりあやかったものや、つっこみどころが満載のハチャメチャな作品まで。笑って、ハラハラして、友達と盛り上がりたい時はB級アクションやパニック映画に限ります!
6. デス・プルーフ in グラインドハウス (2007)
『パルプ・フィクション』や『イングロリアス・バスターズ』など有名作品も手がけるクエンティン・タランティーノ監督。そんな“映画オタク”として知られるタランティーノ監督が数々のB級映画にオマージュを捧げて制作した映画がこの『デス・プルーフ in グラインドハウス』です。
ストーリーは美女を愛車に乗せ、“死のドライブ”を楽しむスタントマンの男を描いたカーアクション。“美女と車”という設定だけでもB級映画らしさがありますよね。しかし低予算映画ながらも、タランティーノ監督のこだわりが詰まった秀作です!
公開 : 2007年9月1日
監督 : クエンティン・タランティーノ
出演 : カート・ラッセル、ゾーイ・ベル
7. シャークネード(2013)
タイトルの『シャークネード』とは、サメ(シャーク)と竜巻(トルネード)の合成語。その言葉の通り、サメが竜巻によって巻き上げられて人々を襲うというパニック映画です。空から降ってくるとはいえ、どんなところからも出現するサメ軍団や食べられるシーンの雑なCGなどは思わずつっこみたくなってしまうこと間違いなし。何も考えずにてんやわんやの展開を楽しめる映画です。
公開 : 2013年11月7日(ドイツ)
監督 : アンソニー・C・フェランテ
出演: タラ・リード、イアン・ジーリング
8. ニード・フォー・スピード (2013)
トビーは昼間は自動車工場で働き、夜はカーレースで名前をはせる天才ドライバー。ある日彼は元相棒のディーノに裏切られ、弟分を事故で失った上にその濡れ衣を着させられてしまいます。トビーはディーノに復讐するべく、スーパーカーが集結するアメリカ最大のストリートカーレースへの出場を決意するのです・・・
人気同名レースゲームを映画化した『ニード・フォー・スピード』。CGを使っていないスーパーカー同士の激突は見応え抜群です。有名作品に負けない迫力のカーアクションをお見逃しなく!
公開 : 2014年6月7日
監督 : スコット・ワウ
出演 : アーロン・ポール、ドミニク・クーパー
9. デス・レース2000年 (1975)
舞台は西暦2000年、荒廃しきったその世界で人々の唯一の娯楽は、毎年恒例のアメリカ大陸横断のレースでした。その名も“デス・レース”。人々を熱狂させるそのレースは、運転しながら人を殺してポイントを稼ぐまさに“死のレース”だったのです・・・2000年から25年前に制作されたこの映画、当時の人が思い描いた2000年の世界にびっくりしてしまいます。『ロッキー』シリーズでおなじみのシルヴェスター・スタローンも出演している伝説的B級アクション映画『デス・レース2000年』。ブラック・ユーモア満載のその魅力に、観れば必ずファンになってしまうはず!
公開 : 1977年6月11日
監督 : ポール・バーテル
出演 : デヴィッド・キャラダイン、シルヴェスター・スタローン
10. トレマーズ (1989)
砂漠地帯に位置するとある田舎町。そこに現れたのは未知なるモンスター!なめくじにも蛇にも見える気持ち悪いモンスターが地表をはいずりまわり、住人たちを襲うパニック映画です。砂の中からいきなり現れるそのモンスターにヒヤヒヤさせられるのですが、なんだか気がぬけてしまうおバカな展開がまさにB級映画。シリーズ化もされた人気パニック映画『トレマーズ』、ぜひハラハラして笑って楽しんでみてくださいね!
公開 : 1990年6月15日
監督 : ロン・アンダーウッド
出演 : ケヴィン・ベーコン、フレッド・ウォード
コメディ
B級映画のコメディは、とにかくお腹を抱えて笑える爆笑ものから、とてつもない脱力感に襲われるゆる〜いものまで盛りだくさん。様々なタイプの“笑い”を楽しめる映画を5作品ご紹介します。
11. コーンヘッズ (1993)
この印象的なビジュアル、見たことがある!という方も多いのではないでしょうか。主人公はとんがり頭の宇宙人の夫婦。征服のためにやってきたのにすっかり地球が気に入ってしまい、身分証も偽造してアメリカ国民として定住!おまけに娘も生まれて・・・というSFコメディです。
テンポの良いストーリーとクスッと笑ってしまうジョーク、何度観てもおもしろい『コーンヘッズ』。宇宙人夫婦のおかしな喋り口調は思わずくせになってしまうかも?
公開 : 1994年3月5日
監督 : スティーブ・バロン
出演 : ダン・エンクロイド、トム・デイビス
12. お!バカんす家族 (2015)
主人公ラスティの家族はどこかマンネリ気味。彼は妻と2人の息子と楽しい休暇を過ごそうとアメリカ大陸横断の旅に出るのですが、次々と災難がふりかかってきて・・・家族の珍道中を描いたコメディです。アメリカンコメディらしい過激なジョークも満載、「これでもか!」と言わんばかりのおバカな展開に爆笑必至!『マイティ・ソー』シリーズでおなじみのイケメン俳優、クリス・ヘムズワースの驚くべきギャップにも注目です。
公開 : 2015年9月26日
監督 : ジョン・フランシス・デイリー
出演 : エド・ヘルムズ、クリスティナ・アップルゲイト
13. ナポレオン・ダイナマイト (2004)
アメリカ、アイダホ州の田舎町に住むナポレオン・ダイナマイトは、ルックスも中身もイケてない高校生。そんな彼にある日、メキシコ人のペトロという友達ができました。女の子にどうしてもモテたいおペトロはなんと学校の生徒会長に立候補することに!ナポレオンは同じく変わり者の友達デビーと共に、ペトロをどうにかして当選させようとするのですが・・・
普通ハリウッド映画の制作費は低くても制10億円。しかしこの『ナポレオン・ダイナマイト』は400万円という超低予算で作られたにも関わらず、アメリカ全土で大ヒットを記録しました。ダサくても憎めない彼らのゆるい脱力系青春コメディ、ぜひお楽しみください。
公開 : 日本未公開
監督 : ジャレッド・ヘス
出演 : ジョン・ヘダー、アーロン・ルーエル
14. シリアル・ママ (1994)
ごく普通の街に住む、夫と子供を大切にする優しい主婦ビバリー。しかし彼女は道徳的な行動をとらない人々を決して許さない!娘をフってすぐに他の女の子に乗り換えた男、ゴミを分別しない人、レンタルビデオを巻き戻さずに返却する老人・・・ルールを守らない彼らには“シリアル・ママ”の制裁が。アメリカの理想的な主婦によるこわ〜いお仕置きを描いた超ブラック・コメディです。ユーモアたっぷりに描かれているけれど、だんだん笑えなくなってくるかも?
公開 : 1995年4月29日
監督 ; ジョン・ウォーターズ
出演 : キャスリーン・ターナー、サム・ウォーターストン
15. 40男のバージンロード (2009)
ピーターは晴れて恋人ゾーイとの結婚がきまり、すっかり勝ち組気分!しかし彼は花婿介添人を務めてくれる仲の良い男友達が1人もいないことに気がつきます。大慌てで親友探しをはじめるピーター。なかなかうまくいかない親友探しでしたが、ある日仕事場で出会った男シドニーと意気投合!バカ騒ぎで盛り上がるピーターとシドニーでしたが・・・?
ギャグ全開ですすむストーリーですが、友達作りの難しさや親友の大切さがしっかりと描かれている今作。最後は思わず感動させられてしまうかも!ぜひお酒をのみながら、友達同士で観て頂きたい映画です。
公開 : 日本未公開
監督 : ジョン・ハンバーグ
出演 : ポール・ラッド、ジェイソン・シーゲル
あのスターもB級映画に!
スクリーンで輝くハリウッドスターも、実はB級映画にいくつも出演しているんです。普段観ている作品のイメージとは全く違うキャラクター、演技を見ることができるのもB級映画の楽しみの1つ。ではさっそく誰がどんな作品に出演しているか、見ていきましょう!
16. ネイバーズ (2014)
幼い娘と共に閑静な住宅街に引っ越してきたマックとケリー夫婦。そんなある日、隣に男子学生たちが引っ越してきます。毎日のようにどんちゃん騒ぎを繰り広げる男子たちをついに夫婦は警察に通報!しかし逆ギレした彼らはマックとケリーに嫌がらせをはたらくようになって・・・“ネイバーズ”お隣さんどうしの戦いを描いたコメディです。
男子学生のリーダー、テディを演じるのは『ハイスクール・ミュージカル』や『WE ARE YOUR FRIENDS 』に出演するザック・エフロン。日頃の爽やかなイメージとは違って、おバカなうるさい男子学生役をコミカルに演じています。
公開 : 2015年1月24日
監督 : ニコラス・ストーラー
出演 : セス・ローゲン、ローズ・バーン、ザック・エフロン
17. ジュニア (1994)
流産防止の薬の研究をしている科学者のアレックスとラリー。完成に近づいた薬ですが、なかなか最終データをとるための人体実験の許可がおりません。しかたなくアレックスは自分の体に赤ちゃんを宿し、データをとることにします。しかし研究を続けているうちに母性に目覚めてしまうアレックス!果たして彼はどうなってしまうのか?というドタバタコメディです。
アレックスを演じるのはなんとアーノルド・シュワルツネッガー。若いシュワちゃんの『ターミネーター』とは全く違うキャラクターに爆笑間違いなしです。
公開 : 1994年12月23日
監督 : アイヴァン・ライトマン
出演 : アーノルド・シュワルツネッガー、ダニー・デヴィート
18. メイフィールドの怪人たち (1989)
郊外の静かな住宅街、メイフィールド。ある日平和に暮らすピーターソン一家の隣に、クロペック一家が引っ越してきます。一ヶ月たっても挨拶にも訪れず、また近所でもクロペック一家の姿を見かける者はありませんでした。怪しいとにらんだレイは友人のアートとマークと共に、彼らの正体をつきとめようとするのですが・・・
主人公、レイ・ピーターソンを演じるのは当時32歳のトム・ハンクス。そして妻を演じるのは『スター・ウォーズ』シリーズのレイア姫としておなじみのキャリー・フィッシャー。ホラーが苦手な人でも楽しめるコメディタッチの作品です。ハリウッドを代表する名優2人の共演を観ることができる、贅沢なB級映画なんです。
公開 : 1989年7月29日
監督 : ジョー・ダンテ
出演 : トム・ハンクス、キャリー・フィッシャー
19. もしも君に恋したら。 (2013)
ウォレスは医大に通っていましたが、こっぴどくフラれてから大学を中退し、ふさぎこむ生活を送っていました。そんなある日、彼を心配した親友アランはウォレスをパーティーに招待します。そこでウォレスはアランの従妹、シャンティーと出会い親しくなるのですが、彼女には同棲中の彼氏がいて・・・男女の間の永遠の疑問“男と女の友情は成立するのか”を描いた恋愛ドラマです。
ウォレスを演じるのは『ハリー・ポッター』シリーズでおなじみのダニエル・ラドクリフ!失恋の傷を負っている青年役を熱演しています。ファンタジックで、ラストは幸せな気持ちになれる作品です。
公開 ; 日本未公開
監督 : マイケル・ダウズ
出演 : ダニエル・ラドクリフ、ゾーイ・カザン
20. リベリオン (2002)
舞台は第三次世界大戦後、人間の感情が薬によって管理されるようになっている近未来。主人公のジョンは、薬の投与を拒否した国民を罰する任務をこなす非情な男です。ある日誤って薬のビンを割ってしまったジョンは、しかたなく投与しないまま仕事をすることに。しかし彼はそこで、自分の本当の感情に気づきはじめて・・・
ジョンを演じるのは『バットマン』シリーズのクリスチャン・ベイル!カンフーアクションとガンアクションを織り交ぜた戦闘シーンが最高にかっこいい作品です。クリスチャン・ベイルはアクションを全てスタント無しでこなし、CGも最低限しか使われていないのだとか。B級映画ならではのリアルな迫力を、ぜひ体感してみてください!
公開 : 2003年3月29日
監督 : カート・ウィマー
出演 : クリスチャン・ベイル、ショーン・ビーン
これであなたも“B級映画”マニア
低予算でも、日本劇場未公開でも、アイディアがとびぬけたおもしろい作品が多いB級映画。観ているうちに何度でも観返したくなる、運命の1作に出会えるかもしれません。ぜひ何も考えずに映画を観たい!楽しみたい!という時、今回ご紹介した作品を手にとってみてくださいね。
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フリーライター。主に映画のことについて執筆中。