大人の食後の特権 厳選したイタリアの食後酒を5つご紹介
グルメの国イタリアでは食後酒を飲む習慣があります。消化を促進する効果があるとされる食後酒。ショットグラスに注がれたリキュールは大人の男の特権。食後酒の種類から飲み方まで紹介していきます。
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消化促進のための食後酒
出典:pixabay.com
世界で一番人気がある料理とも言えるイタリアン。そんな美味しい料理を生み出したイタリア人たちは食事を楽しむ術を誰よりも知っていると言えます。前菜から始まりパスタ、肉料理と続き、最後にはデザートを楽しみます。食事の最後に店員さんが「コーヒーはいかがですか?」と聞いてくれるのですが、時折問答無用にお酒の瓶と人数分のショットグラスを持ってきてくれることがあります。そう、それが食後酒です。イタリア語で「ディジェスティーボ」と呼ばれるこれらのお酒は消化促進の効果があるとされています。料理と同じく様々な種類がある食後酒を一つずつ紹介します。
南イタリアの太陽をいっぱいに取り込んだリモンチェッロ
食後酒の代表格ともいえるのがこのリモンチェッロ。イタリア南部に燦々と降り注ぐ太陽をいっぱいに吸い込んだレモンで作ったリキュールです。特に人気があるのがリゾート地としても有名なアマルフィ海岸で作られたもの。冷凍庫で冷やしておき、食後にショットグラスに注いで一気に飲み干すのがイタリア流の飲み方です。レモンを砂糖とリキュールでつけておく製造方法なので、古いお家では今でも自家製のリモンチェッロを作っています。イタリアの陽気な気分を味わえる一本です。
コーヒーと一緒にも楽しめるグラッパ
イタリアのリキュールで一番一般的なものといえばこちらグラッパ。ブドウの絞りかすを発酵させたものを蒸留したお酒というワインの国ならではのリキュールです。透明な液体ですが、アルコール度数は40〜60度としっかりあり、食後の口直しにはぴったりです。実はグラッパにはもう一つの飲み方があります。コーヒー好きとしても知られるイタリアでは、カフェコレットという名前でグラッパを少し垂らしたエスプレッソを飲みます。食後のコーヒーに少し垂らしてもらうのも乙な飲み方です。
コーヒー豆を浮かべて火をつけて飲むサンブーカ
現代医療が発達するまではハーブは家庭のドクターでした。今でもイタリアではハーブを色々な場面で利用しています。サンブーカとはハーブのなかでも「万能の薬箱」として知られているエルダーを指します。各家庭でエルダーはリキュールに浸けて長期保存されていました。このドリンクの面白い飲み方は、サンブーカ・コン・モスカ。ショットグラスにサンブーカを注ぎ、その上に焙煎したコーヒー豆を浮かべて火をつけるのです。20秒ほど炎を楽しんだ後は火を消して冷めるのを待って飲んでください。ちょっとしたイベントとしても楽しめます。
デザートの代わりにもなるアマレット
締めの1杯として飲みたい食後酒ですが、このアマレットはデザート感覚として飲むこともできます。ミラノ産のクッキー、アマレッティの香り付けとしても使われるこのリキュールはアンズの種を使用しており、独特の香りと甘さとほろ苦さの混じった味が特徴です。デザートは少し胃に重たいけど食後に少し甘いものが欲しいというときにはぴったりの食後酒です。
くるみの香りをたっぷり感じるノチェロ
1945年にイタリア中部のエミリアロマーニャ州で生まれたのがこのノチェロです。語源となったノーチェはイタリア語でくるみを指します。まだ殻に緑の部分が残っている状態のくるみを破砕してスピリッツに入れて作られます。様々なお酒があるイタリアでは比較的歴史が浅いリキュールですが、ナッツの香りが愛されてカクテルやお菓子作りにも利用されています。グラッパと同様、コーヒーに垂らして飲むのもオススメ。ミルクとの相性も良いので食後のコーヒーにノチェロとミルクを少しずつ垂らしてもらうのもいいかもしれません。
ワンショットでカッコよく
色々な種類がある食後酒。紹介したリキュールはどれもアルコール度数が25度以上と強めです。口当たりはいいですが、飲みすぎると逆効果。あくまでも消化促進のためということを忘れず、ワンショットでカッコよく飲んでください。
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この記事のライター
イタリア政府公認観光ガイド。本場イタリアからグルメ、ワイン、そしてイタリア男のカッコイイ生き様をお届けします。大手外資系企業で勤務中のある日「トスカーナの風に吹かれたい!」と思いつき、キャリアを捨ててイタリアに移住。フィレンツェ公認観光ガイドとして、大好きなルネサンス発祥の地フィレンツェで、現代にも通じる芸術、歴史、ライフスタイルを紹介しています。Twitterでほぼ毎日イタリアの「生」の情報を提供中。