本場イタリアで大人気!食前酒として楽しむカクテル5種
イタリアではアペリティーボといって、食事の前に食前酒と軽いおつまみを楽しむ習慣があります。食事にはワインが好まれますが、このアペリティーボではカクテルも大変ポピュラーです。イタリアで人気のカクテル5種を紹介します。
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食事の前にカクテルでリラックス
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イタリアといえば美味しいイタリアンによく合うワインが有名ですが、お酒を楽しむ文化が浸透しているこの国ではカクテルも大人気。特にアペリティーボといって食前にアルコールとおつまみを楽しむ習慣があり、その時にはイタリアならではのカクテルが人気です。カンパリやマルティーニなどイタリアにはカクテルのベースとなるアルコールもたくさんあります。フィンガーフードをつまみながら、カクテルを片手に交流を深めるのがイタリア流。現地でポピュラーとなっているおしゃれなカクテルを見ていきましょう。
アペロルのほろ苦さとスパークリングワインを合わせた一番人気 スプリッツ
アペリティーボで一番注文されるカクテルといっても過言ではないのがこのスプリッツ。アペロルもしくはカンパリをスパークリングワインで割ったものに、オレンジのスライスで彩ります。赤い液体の入ったグラスにオレンジがさしてある様子は、イタリアの明るい雰囲気にぴったり。アペロルのほろ苦さにスパークリングワインの泡が舌の上で心地よく弾けます。このカクテルが生まれたのは1800年代後半。北イタリアがハプスブルグ家の支配下にあった時、イタリアワインに慣れていないオーストリアからの滞在者がワインにソーダを足すようになったことから生まれたそうです。
アルコール強めが魅力 美食家の伯爵が愛飲したネグローニ
ドライジンにチンザノ、そしてカンパリを入れてステアするだけというシンプルなレシピですが、口に入れた瞬間にチンザノの甘みとドライジンのパンチが効いてもう一口飲んでしまう、というカクテル。このカクテルはフィレンツェのカミッロ・ネグローニ伯爵が食前酒として好んで飲んでいたことから名付けられました。少し強めの食前酒で酔いたい人にオススメ。ジンの代わりにスパークリングワインを使ったものを「ネグローニ・ズバリアート(失敗したネグローニ)」と呼び、こちらも人気です。
白桃の甘さが人気の秘密 彼女に勧めたいベリーニ
見どころいっぱいのイタリアの中でも特にロマンチックな街として知られるベネチア。そのベネチアで生まれたのがベリーニです。白桃のピューレにスパークリングワイン、そしてグレナデンシロップを合わせてシェイクしたカクテルは口にも目にも甘く女性に人気です。ベネチア出身のルネサンス画家ベリーニが使用する、美しいピンクの色合いにヒントを得て作られました。スパークリングワインを白桃で割っているので、アルコールも弱め。お酒に強くない彼女にもデザート感覚で勧められるカクテルです。
カクテルの王様 英国の首相チャーチルも愛したマティーニ
カクテルの王様といえばこのマティーニ。ハードボイルドで知られるジェームズ・ボンドが「ステアでなくシェイクで」と注文することでも知られています。イギリスのイメージが強いこのカクテルですが、名前の「マティーニ」はレシピの中のドライベルモットを作っているブランド。そしてグラスの底に沈むオリーブもイタリアが産地。イタリアとは切っても切れない縁があるのです。イギリスの名首相と呼ばれたチャーチルのお気に入りとしても知られるカクテルです。
フレッシュミントをたっぷり入れて味わうモヒート
イタリアのアペリティーボのカクテルとして人気が出てきたのがこのモヒート。カクテルとしては定番ですが、ハーブが身近にあるイタリアではたっぷりのフレッシュミントが入っているのが特徴です。ラムとライム、それにたっぷりの砂糖を加えて作ります。フレッシュミントの爽やかさでどんどん飲んでしまいますが、イギリスの海賊が考案したと言われるだけあってアルコール度が強いのも特徴。ライムやミントの人工香料を使ったものが出回っていますが、家で作る時にはぜひフレッシュミントで爽やかさを味わってください。
とりあえずビールの前におしゃれな食前酒で乾杯を
日本ではまずはビールを注文するという習慣があります。喉ごしも爽やか、食事にも合うので便利ですが、わざわざ「食前酒」というものを味わうのも乙なもの。軽いおつまみにはカクテルもぴったりです。アルコールが入ると気分もリラックスして話も弾みます。そしてリラックスすることによってそのあとに続く食事も楽しめるのです。食事におしゃべりに、人生を楽しむことに貪欲なイタリア人。そんな彼らを見習ってイタリア流に食前酒をたしなみませんか?
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この記事のライター
イタリア政府公認観光ガイド。本場イタリアからグルメ、ワイン、そしてイタリア男のカッコイイ生き様をお届けします。大手外資系企業で勤務中のある日「トスカーナの風に吹かれたい!」と思いつき、キャリアを捨ててイタリアに移住。フィレンツェ公認観光ガイドとして、大好きなルネサンス発祥の地フィレンツェで、現代にも通じる芸術、歴史、ライフスタイルを紹介しています。Twitterでほぼ毎日イタリアの「生」の情報を提供中。