ミシュランより人気!ガンベロ・ロッソが選ぶイタリアで一番美味しいピザおすすめ15選
イタリアンの中でも人気が高いピザ。日本でもピザ専門レストランができ、クオリティーの高いピザが食べられるようになりましたがやっぱり本場イタリアで食べたいもの。グルメの格付けといえばミシュランが有名ですが、イタリアではガンベロ・ロッソという出版社のものが一番人気。そのガンベロ・ロッソが選ぶ美味しいピザ15選をお届けします。
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本場ナポリとその近郊で食べられる伝統のナポリピザ
ピザといえばナポリというのがイタリアでの常識。ピザを作る人たちはピッツアイウオロと呼ばれるれっきとした職人です。イタリアの他の地域でもナポリのピザ職人が作っているかどうかが人気の決め手になるほど。イタリア最高のピザが集まるナポリの中でガンベロ・ロッソに選ばれた名店を紹介します。
ナポリの伝統的ピザ職人エンツォ・コッチャが手がけるラ・ノーティツィア
ガンベロ・ロッソでは星の代わりにフォークの数が評価基準。ラ・ノーティツィアは3店舗のうち2店が栄光のフォーク3つを獲得した実力のピッツエリアです。経営するのはナポリの下町でピザ職人の息子として生まれたエンツォ・コッチャ。「僕は芸術家や音楽家ではないけれど、ナポリで最も古い伝統のひとつピザ職人なんだ。アイデンティティーと魂、そして頭脳を使ってピザを作っている」というのが彼のポリシー。ナポリが位置するカンパーニア州の原料のみを使用しています。教育にも熱心で日本を始め世界各国からナポリピザを学びに彼の元に集まります。下町から世界のピザに輝いたエンツォの職人技を味わってください。
La Pizzeria la Notizia è il luogo dove Enzo Coccia ritrova se stesso. Dove esiste e vive la sua storia. Premiata come una delle migliori pizzeria al mondo
1935年からの老舗で食べる揚げピザ ソルビッロ
ナポリの老舗ピッツエリア、ソルビッロを経営するジーノの父親は21人兄弟の全員がピザ職人という根っからのピザ職人の家系。そんな伝統的ナポリピザを継承しつつジーノと弟のアントニオは、マルゲリータとマリナーラしかないナポリピザのメニューに独自のメニューを加えました。その中でも人気なのが揚げピザ。通常のピザを作る過程と同じですが、最後に2つに折って大きな餃子のような形にして揚げたもの。手に持って歩きながら食べることもできます。パリパリの皮にアツアツの中身で数倍美味しくなったピザを食べてみませんか?
もちもちのピザクラストにこだわった50カロ
ナポリピザの特徴はピザのクラストがもちもちして分厚いこと。特にピザの端の部分は盛り上がってもっちりしていて食べ応えがあります。ピザの基本とも言えるクラストにこだわったのがこの50カロ。名前の由来は、古代ギリシャ語で「良い」を意味するカロとナポリの占いでパンを意味する50。オーナーのチロ・サルヴォは若いながらも三代続くピザ職人の家系出身。子供の頃からピザが身近にありました。小麦粉の質を指で確認し水を加え、絶妙な柔らかさを作ります。こだわりのクラストは美味しいだけでなく消化がいいのも特徴。胃もたれを気にせず美味しいピザをほおばりましょう。
La pizza di Ciro Salvo è una delle migliori pizze di Napoli. Ricerca del buono, stagionalità e territorio sono la nostra filosofia. La pizzeria di Napoli 50 Kalò, a Mergellina, a Piazza Sannazzaro
皿洗いからトップクラスのピッツエリアになったイ・マサニエッリ
ナポリの下町で代々ピザ職人をしていたピッツエリアを紹介してきましたが、今回のお店のオーナーは違った経歴の持ち主。ナポリから約40分のところにあるヴェルサイユ宮殿を摸したカゼルタ宮殿。その町にあるイ・マサニエッリのオーナー、フランチェスコ・マルトゥッチはお金を儲けるため10歳からピッツエリアで皿洗いを始めました。フランチェスコ少年はやがてピザ職人になり2001年に自分のピッツエリアを開くまでになりました。そんな経歴の彼がこだわるのはオリーブオイル。なんと13種類も使用しているのです。世界遺産にも登録された豪華な宮殿を見た後に、こだわりのピザを食べるのはいかがでしょうか?
Pizzeria I Masanielli, Caserta: su TripAdvisor trovi 1.485 recensioni imparziali su Pizzeria I Masanielli, con punteggio 4,5 su 5 e al n.5 su 429 ristoranti a Caserta.
火山の恵みを受けた原材料で作られたピザ ヴィッラ・ジョヴァンナ
ナポリの景観のひとつであるヴェスヴィオ火山。2000年前ポンペイを火砕流で襲ったこの山の麓にあるのがヴィッラ・ジョヴァンナです。火山灰で育った地元の原料を使っているのがこのお店ならではのこだわり。家族で経営しているのですが、男性が多いピザ職人の中でこのお店では奥さんがキッチンを取り仕切っているのも特徴です。ヴェスヴィオ山で育ったイチジクを使ったピザなど、女性ならではの視点が生かされています。お店で提供されるワインももちろんヴェスヴィオ産。大自然の恵みを受けたピザを存分に味わってみてください。
ナポリに行かなくても食べられる職人が作るナポリピザ
伝統的なピザはナポリが一番とはいえ、旅行ではナポリにまで足を伸ばせないこともあると思います。イタリア人にとってもナポリ職人が焼くピザは格別。ナポリ以外でも食べられる本当に美味しいナポリピザを紹介します。
イタリアの北と南の美味しいコラボレーション ペル・バッコ
イタリアワインの王様とも言えるバローロ。ガンベロ・ロッソの栄光ある3フォークに輝いたペル・バッコは、バローロの産地ピエモンテ州にあるレストランです。ピエモンテ州はワインの産地であるのはもちろん、イタリア特有の白トリュフの産地としても知られています。南イタリアの代表である伝統的なナポリピザに加えて、このお店の特徴はピザに北イタリアならではの白トリュフを使ったり、地元のバローロをメニューに加えている点です。またピザだけではなく他のメニューも充実しています。ピザもパスタも食べたいという方におすすめのお店です。
様々な原材料がまるで音楽のようなハーモニーを奏でる モンテグリニャーナ
ミラノ近郊の町レニャーノ。ここは古く12世紀に北からの外国勢に対してイタリアの各都市が一致団結して戦った場所として知られています。そんな歴史的な町にあるピッツエリアがモンテグリニャーナです。ここの特徴はいろいろな原材料を混ぜて使うこと。クラストには小麦粉だけでなく、とうもろこしやスペルト小麦、くるみや野生種であるエンキル小麦などが使用されています。それらの原料はオーナーのブルーノ・デ・ロッサが昔ながらの石臼で挽き、48時間寝かせて提供されます。口の中で広がるハーモニーを楽しんでください。
ピザにもビールにもこだわったピッツエリア オ・スクニッツォ
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の舞台になったアレッツォ。古い町並みが心落ち着くこの町の真ん中で3フォークに輝いたのがオ・スクニッツォです。食事にはワインが欠かせないイタリアですが、唯一の例外がピザを食べる時。ピザにはビールというのがイタリアでの暗黙のルールです。伝統的な原料を使っていることを保証するS.G.Tを取得しているピザに加え、メニューにはイタリア各地やヨーロッパから集められたビールが並びます。ビールもしっかりこだわって、知名度は低くても伝統的技法で作られたもののみを並べています。ビールを片手にイタリアン・スタイルでピザを食べてください。
11世代に渡って受け継がれてきたイーストを使ったピザ スード
フィレンツェの台所とも言える中央市場。美味しい料理が集まる市場の2階に地元のイタリア人が通うピッツエリアがあります。イタリア語で「南」を意味するスードは柔らかでありながらカリッとしたクラストが特徴。その秘密は11世代に渡って受け継がれてきたイースト菌。口に入れるとなんともいえない風味が広がります。そしてもう一つの楽しみは実際に作っている様子を見られること。筆者自身も何度も通って、人にオススメしているお気に入りのお店です。中央市場の活気に包まれながら南イタリアの香りを頬張ってください。
SUD, la pizzeria del Mercato Centrale Firenze, ha un'ingrediente in più: la passione e il saper fare di Stefano Callegari.
イタリアの最も美しい村で自然と共に食べるピッツエリア・スピリト・ディヴィーノ
人口わずか5000人と少しのイタリア中部ウンブリア州にある小さな村モンテファルコ。「イタリアの最も美しい村」に認定されているこの村にスピリト・ディヴィーノはあります。宿泊施設も併設されているので、ヨーロッパからリゾートとしてくる人たちもたくさんいます。そんな緑いっぱいの中で本場ナポリピザを食べられるのがこのお店の特徴。プールがあり、空には満天の星、そしてジャズの音楽を聞きながら食べるピザは格別。ここでは自然も調味料の一つとして味に彩りを添えています。都会の喧騒では絶対に味わえない綺麗な空気の中で自然を感じながらピザを味わってみませんか?
ナポリだけじゃない!イタリア中にあるその土地ならではのピザ
本場ナポリピザが食べられるお店を紹介してきましたが、ナポリ発祥のピザはイタリア中に広がりその土地ならではの変化を遂げました。イタリア各地で食べられるその土地の特徴が出たピザの名店を紹介します。
ワイン200種類にビール70種類 飲み物も充実しているラ・ガッタ・マンジョーナ
ローマの郊外にある人気のピッツエリアがこちら、ラ・ガッタ・マンジョーナ。オーナーのジャンカルロ・カーザとその妻、そして彼らの高校のクラスメートで経営するこのお店はオリジナルなメニューが豊富です。ピッツア・ビアンカ(トマトソースがないピザ)にひよこ豆のクリームと塩鱈を乗せたものや、モッツアレッラとリコッタチーズの乗ったラザーニャ・ピザなど、名前を聞くだけで食べたくなるメニューがいっぱいです。ここのもう一つの自慢が豊富な飲み物。200種類のワインと70種類のビールから選べます。食べ物も飲み物もバラエティーに富んだローマの名店です。
いろいろな味を試してみたいという気持ちに答えてくれる高級ピッツエリア イン・フチーナ
イタリアでは食事を提供する場所はトラットリア、オステリア、リストランテと分かれていますが、その中でもリストランテは食事もサービスも高いクオリティーが提供されます。お手軽で下町の食べ物のイメージを覆すピザを提供しているのがこのイン・フチーナ。どのメニューを見てもイタリア中から取り寄せた最高の食材が使われており、ピザも一枚20〜40ユーロと通常に比べると高い値段設定になっています。イタリアではピザは一人1枚が基本。でもこのお店では切って提供されます。というのはフルコースを食べるようにいろいろな味を試して欲しいからというオーナーの哲学が反映されています。シェアが好きな日本人にはぴったりのお店です。
グルーテンフリーの生地が胃に優しい ラ・ディヴィーナ・ピッツァ
ピザにパスタに小麦製品が多いイタリアですが、時代の流れとともにグルーテンフリーの食品も人気が高まっています。そんな流行を反映してグルーテンフリーのピザを提供しているのがこのラ・ディヴィーナ・ピッツァ。夫婦と2人の従業員で切り盛りする小さなお店ですが、地元の人がいつも行列しています。通常一人1枚頼むピザですが、ここの嬉しいのは大きなピザを量り売りしてくれること。ショーケースに並ぶピザを指さすと奥さんが大きなハサミで切って、もう一度薪の窯で温め直して出してくれます。どれだけ食べても胃にもたれない、体に優しいピザを味わってください。
La Divina Pizza, Firenze. 1,455 likes · 17 talking about this · 473 were here. Solo lievito madre naturale Farina macinata a pietra
6つの穀類をうまく組み合わせたクラストが美味しい ラ・ブラチェラ
イタリアの南にあるシチリア島。この島の州都パレルモは昔から様々な文化の交差点として栄えました。そのためイタリアの中でも美味しい料理が食べられることで有名です。ラ・ブラチェラはそんな町にあるピッツエリア。ここの自慢は6つの穀類をうまく混ぜ合わせて作ったオリジナルのクラスト。それに加えイースト菌を一切使わず長い時間をかけて熟成されるのが特徴です。ピザだけでなくシチリア特有のパスタ、武士アーティなどがメニューに並んでいるので本場シチリア料理も味わえます。舌の肥えたシチリア人にも人気のピザをぜひ試してみてください。
エミリアロマーニャ州の美味しい素材をうまく使ったピッコラ・ピエディグロッタ
シチリアと並んで美食で有名なのがイタリア中部にあるエミリアロマーニャ州。ピッコラ・ピエディグロッタはエミリアロマーニャ州の豊富な素材を使ったピザを提供しています。通常チーズにはモッツアレッラが使用されますが、ここでは地元のパルメッジャーノ・レッジャーノを使ったメニューがあったり、ボローニャハムの語源となったモルタデッラ・ハムが使用されていたりと南イタリアの文化であるピザに地元の食べ物をうまく組み合わせているのが特徴です。伝統的なメニューももちろん用意されていますが、オーナーのジョヴァンニ・マンダラの遊び心が感じられるメニューをぜひ試してください。
伝統からオリジナルまで本場のピザを食べに行こう!
イタリアで最も人気のグルメガイド、ガンベロ・ロッソが選ぶピザの名店15選をお届けしました。ピザの発祥の地であるナポリで提供される伝統的なナポリピザから、オーナーのオリジナリティー溢れるメニュー、そして流行に合わせたメニューまで様々な種類があります。どれも共通するのは本場イタリアのこだわりがあること。ぜひイタリアで本物のピザを味わってみてください。
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イタリア政府公認観光ガイド。本場イタリアからグルメ、ワイン、そしてイタリア男のカッコイイ生き様をお届けします。大手外資系企業で勤務中のある日「トスカーナの風に吹かれたい!」と思いつき、キャリアを捨ててイタリアに移住。フィレンツェ公認観光ガイドとして、大好きなルネサンス発祥の地フィレンツェで、現代にも通じる芸術、歴史、ライフスタイルを紹介しています。Twitterでほぼ毎日イタリアの「生」の情報を提供中。