懐かしい日本の光景が垣間見える”幸せの国”ブータン  

ブータンと聞いて多くの人が思い浮かべるのは「国民が皆幸せ」というイメージではないでしょうか。今回はなかなか忙しくて旅に出れない方のために、もう少し踏み込んだ情報をお伝えしたいと思います。

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日本人が懐かしさをおぼえやすい国・ブータン

出典:pixabay.com

ヒマラヤの山々を望む地で、チベット仏教を国境とするのどかな国・ブータン。同じアジアといえども1970年代半ばまで鎖国していたブータンは、日本とは違った独特の文化を持っています。しかし、ブータンを訪れる日本人は、その文化や光景に懐かしさを覚えることが多いといいます。日本とブータンはどのような点が似ていて、どのような点が違うのか。何が人々をひきつけるのか。いくつか例をあげてご案内したいと思います。

ブータンでは唐辛子は野菜扱い

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ブータン人が日頃最もよく口にするものの一つが唐辛子です。チベット語を元にしたブータンの国語・ゾンカ語では唐辛子はエマと言います。日本人にとっては唐辛子は香辛料というイメージですが、ブータン人にとっては野菜です。唐辛子をまる一本パクリと食べることも日常茶飯事です。
唐辛子料理で最もポピュラーなのはエマ・ダツィという料理です。ダツィとは一体何だと思いますか?実は意外や意外、チーズなのです。唐辛子とチーズ?と半信半疑で口にしたが最後、やみつきになること間違いなしのハーモニーです(もちろんかなり辛いですが…)。唐辛子とチーズならば日本でも簡単に手に入るので、ブータン料理だということでホームパーティーで辛い物好きのお知り合いにふるまってみるのもユニークでよいかもしれません。

ブータンの農業と日本人

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ブータン人は日本人と同じく米(赤米)をよく食べます。ブータンを訪れた日本人が郷愁を覚えるのは、水田が広がる光景によるところが大きいでしょう。この光景が現在見られるのは、西岡京治という一人の日本人の努力が大きく影響しています。ブータンがまだ鎖国状態にある時に、ブータン政府から正式に招かれた西岡氏は稲作や野菜の栽培の技術を伝え、栄養不足や冷害に困っていた人々を救いました。ブータンの人々はいまだに彼の功績に感謝していて、それゆえに日本人にとてもフレンドリーな感情を抱いているといいます。

ブータン人って本当に皆幸せなの?

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ブータンを世界で有名にしたことのひとつにGNH(国民総幸福量/グロス・ナショナル・ハピネス)という概念があります。ブータンはGDPではなくGNHを追求していくという考え方で、国王によって提唱されました。2005年に国勢調査が行われ、「あなたは今幸せですか?」という質問に対して97%の人が「はい」と答えたということが話題になりました。しかし、アンケート実施方法や質問の設定のしかた、そしてそもそも幸福を数字で計れるのかなどという点に疑問が呈されていることも事実です。実際、失業問題や、グローバル化と伝統の対立が社会問題となっています。
ブータン人が皆幸せかというと、もちろん必ずしもそうではないと思います。その真相は視点次第で変わってきますが、その真偽よりも「その質問を聞かれた時、自分ならばどう答えるだろう?」と自分の身に置き換えて考えてみると、誰かと話す時の話題のひとつになるかもしれません。

ブータンに行かないでブータンを体験する方法

まず最初の方法は映画鑑賞です。
『マトリックス』シリーズでおなじみのキアヌ・リーブスが出演している映画『リトル・ブッダ』では、劇中にブータンの首都・パロにあるお寺パロ・ゾンが登場します。映画はアメリカのある少年のもとにチベット仏教徒の僧侶が来て、その少年が高僧の生まれ変わりであると告げてドラマが展開していきます。映画を見ることで、ブータンの光景を見るとともに、チベット仏教の世界観を体験できる名作です。

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次に、先述した料理を実際に食べてみるという方法があります。
代々木上原に、「ガテモタブン」というお店ではブータン料理を食べれることができます。

GatemoTabum-ガテモタブン

ガテモタブンは代々木上原の商店街にある、ブータン料理をはじめとした家庭料理のお店です。

ブータン料理の他にも、モモ(チベット風餃子)やチョウメン(チベット風焼きそば)などといったチベット料理や世界のお酒も楽しむことができる、こぢんまりとした素敵なお店です。

日本と似ているようで全然違う国・ブータン

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いかがだったでしょうか。もちろん現地に行くことが一番効率的にブータンのことを理解できる方法だと思いますが、ブータンというひとつの小さな国に関することで、このように私たちの身近なことにまで話題を広げることができます。パーティーなどでふとブータンのことを話題にすれば、思わぬことにまで話が発展するかもしれませんね。

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東京出身。大学入学後、世界の映画・音楽に興味を持ち、特に50-60年代のフランス映画やイラン映画、ジプシー音楽等の民族音楽に衝撃を受ける。 在学中にイギリスに留学。 卒業後、旅行会社に就職しインド・ブータン・チベット・パキスタン・バングラデシュ等の地域に足繁く通う。2013年からフリーランスで活動を開始。2016年、第一子の誕生を機に福岡に転居。福岡と出身地の東京、二箇所を拠点に活動中。

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斉藤情報事務

信州の曲者が集まるCLUB Autistaに所属する道楽者。車と酒と湯を愛し、ひと時を執筆に捧げる。

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