こんな香港見たことありますか?在住者が選ぶ、歴史好きのための香港ベストスポット10選

ビルの森、大都会、夜景、飲茶、ピークトラム。香港といえば、まず思い浮かぶのはこんなキーワードではないでしょうか。そんな香港をひと通り楽しんだ方におすすめしたいのが、歴史に関連したスポット。香港の今までとは違う横顔を知り、ちょっと香港通になれること請け合いです。

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歴史好きなら見逃せない、ちょっと違う香港観光のすすめ

出典:lesliebloom.wordpress.com

中国清朝が第一次アヘン戦争に敗北し、英国に渡されたところからその歴史が始まった土地、香港。清朝以前の何千年の歴史、英国統治時代、そして1997年に中国へと返還されてから現在までと、さまざまな環境の変化をくぐり抜けてきた地域でもあります。

もちろんその背景が、国際貿易の中心地であり、世界有数の経済都市である今の香港を作ってきたわけです。せっかく香港を旅するのなら、そういった歴史的背景に注目してみるのも楽しいもの。かつて無法地帯と言われた九龍城砦の跡地など、歴史好きならきっと心が踊る場所をご紹介します。

1.かつての一大スラム街を偲びつつ、九龍寨城公園でのんびり

出典:udarico

「一回入ると出て来られない」と言われた迷路のようなスラム街、九龍城をご存知でしょうか? かつて日本でもその謎めいたイメージが人気を呼び、盛んにメディアで伝えられたので知っている方も多いと思います。1950年代ぐらいから80年代ぐらいまで栄え、各地から犯罪者や逃亡者が集まり、麻薬や売春、無免許の歯医者などが横行していた、悪名高き無法地帯です。

その無法地帯も1993年から取り壊しが始まり、今では中国建築が美しい公園になっています。当時の建物の模型や、貴重な文化財、資料館などもあり、当時に思いを馳せながら散策してみてはいかがでしょうか。コーヒーなどの飲み物を持って行って、ぼーっとするのもいいですね。周辺は、タイ料理を始め各国料理が有名な下町。食べ歩きも楽しめます。

住所:Tung Tsing Road, Kowloon City, Kowloon
アクセス:MTR楽富駅より徒歩12分

2.タイオーヘリテージホテルのガイドツアーに参加

出典:www.discoverhongkong.com

1902年に警察署として建てられた、瀟洒な建物を改装して作られたこちら。客室数は8つと少なく、アクセスがいいとはお世辞にもいえない立地にある、知る人ぞ知るホテルです。ホテルに宿泊するのは少々ハードルが高くても、最上階にあるレストラン「Tai O Lookout」でパノラマビューを楽しみながら食事を取るのはいかがでしょうか。

無料のガイドツアーも行っており、公式ホームページから申し込むことが可能です。のどかな漁村で、ビルが乱立する中心部とはまるで違った顔を持つタイオーの町をそぞろ歩くのも、忘れられない旅の思い出となりそうです。

住所:Shek Tsai Po Street, Tai O, Lantau Island
アクセス:MTR東涌駅より11番バスで大澳巴士総站下車後、徒歩12分。

Tai O Heritage Hotel

3.歴史博物館で香港の歴史を総括する

出典:udarico

充実した展示で香港の歴史を学ぶことができるのが、歴史博物館。独特の文化、お祭りや日本統治時代など、貴重な資料や映像を交えて香港の歴史をわかりやすく解説してくれています。長州島の饅頭祭りを再現した巨大な饅頭タワーは圧巻!

また、館内にはカフェもあり、香港の昔ながらのチャーチャンテン(ファミリーレストランと喫茶店を足して2で割ったような存在)のスタイルを忠実に守ったインテリアとメニューが楽しめるので、展示を見終わったあとにぜひ休憩してみてください。九龍半島側一の繁華街、尖沙咀に位置しているので旅行者も行きやすく便利です。

住所: 100 Chatham Road South, Tsim Sha Tsui, Kowloon
アクセス:MTR尖沙咀駅より徒歩10分、ホンハム駅より徒歩8分

Hong Kong Museum of History - Home

4.ダデル・ストリートの最後のガス灯を見物

出典:www.amo.gov.hk

前世紀から使われている、現役のガス灯がセントラルの街にあります。ガス灯ができた時期は不明(少なくとも1922年には存在が確認)、御影石の石段は1875〜1889年の間に作られたもので、合わせて香港法定古跡に認定されました。ロマンチックな雰囲気で、映画やドラマ、PVなどに頻出。デートスポットとしても人気なんですよ。

ガス灯が点灯するのは夕方6時から翌朝6時。すぐ近くに、レトロ香港をテーマにした特別仕様のスターバックスがあるので、そちらもぜひ訪れてみてくださいね。

住所:Duddell Street, Central
アクセス:MTR中環駅より徒歩8分

5.かつての船上生活者たちを思いつつ、渡し船で対岸へ

出典:udarico

2016年12月に開通したばかりのサウスアイランドライン。今まではバスやタクシーなどでしかアクセスできなかった島の南側のエリアに、電車で行くことができるようになりました! これは旅行者にとっては嬉しいニュースですよね。そこでぜひ行ってみて欲しいのがこちらのエリア。金鐘(アドミラリティ)駅からサウスアイランドラインに乗り、利東(レイトン)駅で下車。A2出口から外に出て、海沿いを目指してください。

海沿いに遊歩道があり、そぞろ歩きをしても楽しいですし、対岸のアバディーンへの渡し船に乗るのもいい思い出になるでしょう。このあたりは、かつて水上生活者がたくさんいたエリア。今ではその数は大幅に減り、ほぼ水上生活をしている人はいないと言われます。冬の間も10℃程度までしか気温が下がらない香港なら、水上生活も快適だったのかもしれませんね。

住所:Ap Lei Chau Promenade, Ap Lei Chau,
アクセス:MTR利東駅より徒歩5分

6.カイタック空港跡地で壮大な景色を見ながらリラックス

出典:zh.wikipedia.org

前述した九龍城のほど近くにあったのが、旧カイタック空港。ビルすれすれを飛びながら着陸する様子が有名で、世界一着陸の難しい空港と呼ばれていました。そんなカイタック空港も1998年に現在の空港が完成すると閉鎖され、73年の歴史に幕が下りました。

閉鎖されてから15年後の2013年、跡地の一部にクルーズ船用のターミナルがオープン。大型の客船も停泊できる、海の玄関口になっています。ターミナル内にはレストラン、カフェなど、また隣には公園があり、船を利用しなくても楽しめます。公園には、かつてここが空港だったことから飛行機型のベンチなどが設置されていて、素晴らしい景色を楽しむことができますよ。アクセスが少し難しいので、九龍湾駅からタクシーで行くのがおすすめです。タクシーを利用する際は、「啟德郵輪碼頭」と紙に書いて見せるといいですよ。

住所:33 Shing Fung Rd, Kowloon Bay
アクセス:MTR九龍湾駅よりタクシー、または86番バスにて啓徳郵輪碼頭卸貨区で下車後、徒歩4分


7.ハリウッド映画の登場人物のモデルになった、有名な海賊の隠れ家を散策

出典:www.pocketpageweekly.com

19世紀に活躍した有名な海賊、張保仔の隠れ家だったと伝えられる洞窟「張保仔洞」が香港の離島のひとつ、長州島にあります。最盛期には部下数千人、千隻以上の大船団を率いたと言われる大海賊だったのに、自身が貧しい出身だったため貧乏人に食べ物や金品を与えたといわれ、庶民からは義賊として人気がありました。

「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」に出てくる中国人海賊の長、サオ・フェンは張保仔をモデルにしたものだそうです。香港では彼をモデルとして何度も映画が作られており、彼の名前を知らない香港人はいないとか。足場があまりよくないので、動きやすい服装と靴はマスト。入口近くで懐中電灯の貸し出しサービス(有料)があるので持って入ることをおすすめします。長州島は、饅頭祭りが有名なのどかな島。海や食べ歩きも有名なので、合わせて楽しんでくださいね。

住所:Cheung Chau Family Walk, Cheung Chau
アクセス:中環フェリーターミナルより高速船で35分、普通船で55分。長州島フェリーターミナルより徒歩40分、または「西湾渡船」と書かれた船で5分+徒歩10分。

8.香港初期の移住者が暮らしていたピンサン・ヘリテージ・トレイル

出典:www.discoverhongkong.com

昔の街並みを大事にするヨーロッパなどの文化と違って、いつも街のあちこちで工事が行われ、常に新しい建物が立つ香港では、昔ながらの風景を見つけるのはなかなか困難といえます。そんな貴重な風景が保存されている、数少ない場所が香港郊外、新界(ニューテリトリー)と呼ばれるエリアにあります。1000年以上前に中国大陸から移住してきた人々が作った建物が、数多く残されているんですよ。

MTR天水園駅を降りると、すぐに見えるのが聚星樓。香港最古の仏塔と言われています。そこから屏山文物徑(ピンサン・ヘリテージトレイル)を歩けば、周辺の歴史的な建物を巡ることができます。お客様の宿泊施設や寺院、古い井戸、一般の住居(現在も人が住んでいる)など多様な用途のものがあり、ぶらぶらと歩いていると昔にタイムスリップしたかのよう。ビルが立ち並ぶ中心部とは、まったく違う景色を楽しめますよ。帰りは軽鐵(ライトレール)の屏山駅から、軽鐵に乗ってMTR元朗駅まで出るのがわかりやすいでしょう。

住所:Ping Shan Heritage Trail, Ping Shan, Yuen Long, New Territories
アクセス:MTR天水園駅より徒歩3分

9.ザ・ブルーハウス

出典:www.discoverhongkong.com

再開発が進む湾仔というエリアにありながら、1920年代に建てられた昔ながらの建物を保存しているのが、ここブルーハウス。香港一級歷史建築物に認定されたこの真っ青な建物には未だに住民が住んでいますが、一階には「香港故事館」として地域の人々が実際に使ってきたレトロな家電や家具、昔の写真などを展示するスペースがあります。香港の昔の生活を感じることができますよ。なぜかこのあたりの建物にはブルーハウスに対抗しているのか、緑やオレンジ、黄色など、カラフルな建物が多いです。

カフェやセレクトショップなどが立ち並ぶ、小洒落たエリアとして有名な星街(スターストリート)のあたりも徒歩圏内なので、新旧の香港の顔をぜひ体験してみてください。

住所:72 Stone Nullah Ln, Wan Chai
アクセス:MTR湾仔駅より徒歩8分

香港故事館 Hong Kong House of Stories

10.レトロなレストランで洋食を

出典:udarico

出典:udarico

移り変わりの激しい香港。そんな香港で昔からずっと続いているレストランのひとつがここ、太子餐庁です。重厚感あるインテリアにクラシックな洋食が、古きよき香港を感じさせてくれます。店内には昔のこのエリアの写真が飾られ、スタッフも(香港には珍しく)にこやかでサービス満点。フラワーマーケットの中にあるので、すぐ近くのバード・ガーデンとセットで訪問するのがおすすめコースです。

住所:162 Prince Edward Road, Mong Kok
アクセス:MTR太子駅より徒歩5分

歴史や文化を知ると、もっと香港が近くなる

近代的な建物が多く、古いものはどんどん壊されていってしまう印象の香港。でも古いものを残そうとする人々も確実にいて、注意深く町中を歩いていると、趣きある建造物に出会えることもあります。こちらに挙げたスポットは、どれも歴史を感じられるものばかり。すべては難しくても、香港を訪れた際にはぜひ興味を持ったスポットを自分の目で見てみてくださいね。きっと香港に対する理解が一段と深まることでしょう。

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旅好き、カメラ好き、二児の母です。現在香港在住。

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都内在住。コーヒーとサンドイッチが大好きで1日1カフェ生活を送っている。夏の定番はレモネード、冬の定番はホットチョコレート。オシャレやヘルシーという言葉に敏感なミーハー系女子。

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