人類の新境地へ!宇宙を舞台にした本格SF洋画おすすめ10選
SF映画と一口にいっても、洋画の中にはさまざまなジャンルがあります。その1つに入ってくるのが、宇宙を舞台にしたものでしょう。圧倒的なビジュアルによって構築された世界観は、現代映画にも通用するものがあります。今回は、宇宙を舞台にしたSF洋画を紹介しましょう。
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今でも語り継がれる宇宙を舞台にしたSF洋画
洋画の中でもSF洋画の歴史は長く、中でも宇宙を舞台にしたものは意欲的な挑戦を続けたものがたくさんあります。現代監督に今なお影響を与えるものまで存在している作品や、現代の技術力で生まれた新しい世界観を堪能しましょう。
2001年宇宙の旅
地球に生命が生まれ、人がまだサルの段階だった時代。地球に「モノリス」と呼ばれる、長方形の大きな石板がやってきます。モノリスはサルに知識を与え、骨を道具にして動物としての進化を促します。さらに人類は進化すると、地球から宇宙へと生活の舞台を変えて「モノリス」に近づいていきます。
スタンリー・キューブリック監督による脚本によって撮影されたSF洋画。今でもなお「宇宙を舞台にした映画」で一番に名前が上がる作品で、多くの監督がキューブリックの影響を受けたと言われています。はじめて上映されたのは1968年でありながら、圧倒的なビジュアルは現代の下手な映画よりも引き込まれること間違いなしです。音楽もCMや別の作品で耳慣れたものが多く、未だにキューブリックが影響しているのがわかります。物語の解釈は難しいですが、映像を見るだけでも価値のある一作です。
2010年
2001年、ディスカバリー号による木星探索が失敗に終わってから9年後の世界。アメリカ合衆国とソ連は、木星探索の失敗の原因と思われる「HAL 9000」の原因を突き止めるため、共同で再び木星へと向かう計画が浮上します。世界は再び、モノリスの意思を確かめるために宇宙への旅がスタートするのです。
「2001年宇宙の旅」の続編に当たる作品で、アーサー・C・クラークの「2010年宇宙の旅」が元になっている洋画です。監督はキューブリックではありませんが、「モノリス」の謎を巡る世界観は相変わらず見ていて楽しくなる作品となっています。人類の飽くなき探求心と、機械技術へのアンチテーゼとも取れる内容は今の時代だからこそ見ておきたい内容です。
エイリアン
西暦2122年、人類は資源を求めて宇宙を航海するようになっていました。宇宙貨物船ノストロモ号も発掘した鉱石を載せて地球に帰る途中でしたが、メインコンピューターの異常によって知的生命体が存在すると思われる惑星に不時着してしまいます。船に乗っていたメンバーは困惑しながらも惑星を調査しようとするが、彼らは未知の生命体である「エイリアン」と出会うことになるのです。
1979年にアメリカで公開された映画で、シガニー・ウィーバの出世作となった作品です。同時に、地球圏外で生命体と出会うパニック映画の古典と言われており、宇宙の描写だけでなく巨大生物にジリジリと襲われるシーンは胸を鷲掴みにされるでしょう。長く続いていくエイリアンシリーズの始祖的存在なだけあって、エイリアンによってパニックを陥っていく恐怖感はシリーズ中一番です。
惑星ソラリス
人類が惑星ソラリスを発見し、宇宙ステーション「プロメテウス」を中心に探索をしていた時代。ある日、プロメテウスと通信が取れなくなり、心理学者のクリスが調査に向かうことになります。しかし、そこには友人が自殺したと思われる死体と、いないはずの人間の痕跡でした。困惑するクリスでしたが、目の前に現れる「ソラリスの海」がさらに彼を混乱させていきます。
ロシアで作られた映画で、1972年3月20日に初めて公開されました。1972年カンヌ国際映画祭審査員特別賞や、1978年には第9回星雲賞映画演劇部門賞に輝いている作品となっています。内容は「2001年宇宙の旅」よりもさらに難解で、実在しない概念だけの存在「ソラリスの海」と人類がどのように歩み寄るのか描かれています。「未知の存在との対話」は宇宙映画の1つのテーマで、人間同士でも到達できていない「相互コミュニケーション」の難しさを「惑星ソラリス」でも感じ取れるでしょう。
猿の惑星
宇宙飛行士のジョージ・テイラーは、宇宙船に乗ってオリオン星座の調査を行っていました。その調査には大きな時間を要し、コールドスリープで眠って地球に帰ることになっていました。しかし、宇宙船は謎の惑星へと不時着し、そこでは猿が進化して二足歩行をして生活していたのです。
1963年にアメリカで制作された映画で、原作はフランス人のピエール・ブール。人間と猿の立場が逆転した世界は様々な人の度肝を抜く設定になっており、これは著者の経験に基づいたものといわれています。フランスっぽい風刺の利いた内容で、人間が猿に囚われるシーンは映画とわかっていながらも衝撃を受けるでしょう。ラストの映像をまだ見たことない人は、ぜひチェックしていただきたいです。
月に囚われた男
地球人は資源を求めて月に進出しており、その一端をルナ産業が請け負っていました。その会社と3年契約していた宇宙飛行士のサムは、近々宇宙での勤務を終えて地球に帰る予定です。ですが、サムの容態は急に悪化し始めて、仕事中に重症を負ってしまいます。急いで基地に運ばれるサムですが、そこで彼は自分のクローンと出会ってしまうのです。
2009年にイギリスにて公開された映画で、SFとサスペンスが混じった作風が特徴になっています。いつまでも変わらない労働体制を行う人類への批判も含まれており、SFが苦手な人でもサスペンス物として楽しめる作品です。クローンが存在している理由がわかったときには、人類の業の深さを思い知らされるでしょう。
ウォーリー
ゴミだらけになって人類もない地球にて、未だに活動しているのはロボットがあった。そのロボットはウォーリーと呼ばれており、今でも地球に山積するゴミ処理を行っていました。変化のない日々の中で感情を持った彼ですが、ある日「イブ」と呼ばれるかわいいロボットが地球に降り立ちます。ウォーリーは彼女に一目ぼれしてしまい、はじめて自分の意思で「彼女と宇宙に行きたい」と感じます。
2008年に公開されたピクサー映画の1つです。ピクサー映画ということで子ども向けの内容かと思いきや、地球を捨てて生活する人類の末路は大人が見ても衝撃を受ける映像になっています。同時に、劣悪な環境で生き抜いたウォーリーとイブの恋愛模様もしっかり作られており、全体的にほっこりできるSF映画になっています。
アバター
アルファ・ケンタウリ系惑星ポリフェマスにある衛星パンドラ。そこは地球の熱帯雨林密林のような環境となっており、地球のエネルギー資源を解決するであろう希少鉱物があった。人類はその鉱物を採取しようとするが、先住民族である「ナヴィ」に阻まれてしまう。そこで、人類はナヴィと人類の遺伝子を掛け合わせた人造人間を作り出し、一時的に「ナヴィ」になれるアバター計画を始めることになります。
「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督が、アメリカとイギリスの合同で作った映画です。壮大な設定と共に、人類が異星人にコンタクトを取るための過程を描いた作品となっています。その圧倒的な映像美で表現されるパンドラは本物の原生林のようで、映像を観るだけでも価値があります。自分たちが生存するためだけに、他の惑星の先住民に成りすまして支配しようとする人類を痛烈に批判しているのもポイントです。
インターステラー
地球から植物が枯渇し、水さえも無くなりつつある未来。人類はワームホールを使って新天地を探す実験を繰り返していました。元宇宙飛行士であるクーパーは現場から離れていましたが、娘であるマーフが家の中で「幽霊が勝手に本を落とす」と言い出します。その現象を子供のイタズラと思っていましたが、クーパーはそれが人類を助けるためのメッセージである可能性に気付くのです。
2014年11月7日にアメリカで上映された映画で、「インセプション」で知られるクリストファー・ノーラン監督の作品です。クリストファー・ノーランらしい映像美はもちろん、練りに練られた客品が秀逸な作品。はじめは近未来の地球から物語がスタートしますが、娘が見た「幽霊」の話からどんどん壮大な展開につながっていきます。本が落ちることにも理由があったことが判明するシーンは、SFらしいギミックになっており見ごたえ十分です。
ゼロ・グラビティ
医師技師を務めるライアン・ストーンは、はじめてスペースミッションに参加する女性。彼女は宇宙空間にて作業をしている中、宇宙ゴミの飛来に巻き込まれてスペースシャトルから離れてしまいます。何もない宇宙空間に放り出されたライアンは、無重力空間で生存するための方法を模索し始めます。
2013年にアメリカで公開されたSF映画で、主演はサンドラ・ブロックです。無重力空間に放り出される恐怖と、そこから何とか助かろうとする人間ドラマが中心で、奇跡的な生還を果たす過程を描き切った新しいSF映画です。ライアンが何も知らない宇宙に放り出されてパニックになる姿は、未知の世界の出来事とはいえ思わず見入ってしまう緊迫感を持っています。
未知の世界を表現した世界に飛び込もう
邦画の中にも様々なSF作品がありますが、宇宙を舞台にした作品の数で言えば洋画のほうが圧倒的に多くなっているでしょう。徹底してリアリティを追求して作られた世界観を、ぜひ楽しんでみてください。