メンズコートの種類・選び方を徹底解説
おしゃれの基本でもあるメンズのおすすめコートを春・秋・冬で分けて徹底解説します。コートは素材や形が様々あり、選ぶ際には苦労しますよね。今回は、季節別にスーツの上から着られるコートやカジュアルシーンでおしゃれに映るコート、ビジネスシーンで活躍するコートまで幅広く紹介します。コートの選び方も解説するので参考にしてください。
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アイキャッチ画像出典:theidleman.com
コート、アウター、ジャケットの違いとは?
そもそもコートとは一体何なのでしょうか?
日本では古くから外套(がいとう)と呼ばれ、防寒などのために着る外衣のことを指してきました。現在では羽織りもの全般のことをアウターと言い、その中でも膝丈や腿丈の物をコート、腰丈の物をジャケットと呼ぶようになりました。
見分け方
出典:www.gq.com
つまり、上の写真の男性が着ている羽織りものは全てアウターであり、そのうち真ん中の男性だけはジャケット、両端の男性はコートを着ている、ということになります。
今回はそんなメンズコートの種類を、季節別に分けて紹介!春、秋、冬の三つの季節に合ったコートを、写真と共に徹底解説します。
コートの選び方
素材
コートを選ぶ際に注目したいのが素材です。
基本的に、春秋向けの暖かいシーズンのコートは、コットンやナイロンなどの薄手のものを使用しており、冬向けの防寒性の高いコートには、ウールやダウンなどの素材がよく使用されます。
基本的なポイントですが、生地が分厚くなればなるほど暖かくなり、薄ければ薄いほどさらっとした着心地になります。また、見た目にも季節感が出るので、取り入れる季節を間違えないようにしてください。
デザイン
大人の男性が着こなすのであれば、シンプルな色でダークトーンのコートを選ぶのがおすすめです。
定番のデザインであれば、カジュアルはもちろんビジネスでも着ることができるので、コーディネートの幅が広がります。
基本的に、装飾や使われている色が増えれば増えるほどカジュアルになるので、ポイントとして覚えておいてください。
シルエット
最近では、ビッグシルエットのアウターもトレンドですが、大人の男性が着こなすには注意が必要です。
トレンド感は出るものの、一歩間違えると野暮ったい印象になってしまうので、シルエット選びにも気を付けましょう。少し地厚のものであれば、着ぶくれしないようにすっきりめを、さらりと羽織るコートであれば、貧相に見えないように気持ちゆったりめを選ぶのがおすすめです。
春におすすめのコート
トレンチコート(コットン)
出典:www.ebay.com
トレンチコートは、腰元と肩部分にベルトの付いたコートのこと。素材は防水加工したコットン生地やウール、合成繊維等を用いて作られます。春先は特にコットンがおすすめです。
その起源は古く、第一次世界大戦のイギリス軍が寒冷な欧州での戦いに対応する、防水型の軍用コートとして開発したものが始まりです。これによって一般市民へと広がっていきました。「トレンチ」とは日本語で「塹壕」の意味があり、このコートが第一次大戦で多く生じた泥濘地での塹壕戦で効果を発揮したことによって付けられました。現在でも軍服としての名残を多く残しています。トレンチコートの元祖は、イギリスのバーバリーとアクアスキュータムの2社とされています。
ステンカラーコート
出典:wear.jp
ステンカラーコートとは、襟付きのラグラン袖でゆったりとした着心地が特長のコート。他の呼び方にバルカラーコート、バルマカーンコート、スタンドフォールカラーなどがあります。後ろの襟が高く、前が低く折り返す形が特徴です。
「ステンカラー」は和製英語で、「ステン」はフランス語の「支える」と言う意味に由来すると言われています。素材はウール、カシミア、綿、ポリエステル、ナイロン等があり、コットン製の物が一般的です。ステンカラーコートはスーツに着用してもOK。綺麗目ファッションアイテムのひとつです。
ショップコート
出典:wear.jp
ショップコートは、カジュアルテイストなコートの一種。見た目はステンカラーコートと似ていますが、こちらはよりスッキリとしたシルエットになります。使われている素材は、デニムや綿、シャンブレーなど様々です。
元々、アメリカの作業着として使われており、ショップコートの名前の由来はそこから着ていると言われています。ポケットが多く付いているので、ファッションアイテム以上にとても便利なアイテムです。作業着とはいえ、接客用のアイテムとして使われていたため、程よいカジュアルさが魅力です。
秋におすすめのコート
キルティングコート
キルティングジャケットはその名の通り、キルティング素材を使ったジャケットのこと。
キルティングとはそもそも、キルトトップ、キルト綿、裏布の3層を重ねてミシンや手で一緒に縫い合わせ、部分的に綿や毛糸を入れて模様を浮き上がらせる技法のことです。2000年代以降、秋冬物の軽いジャケットの素材として広がり始めています。キルティング素材を用いることによって、丈夫にするという機能性と浮き彫りになった立体的デザイン効果を楽しむことができ、一気におしゃれに見えます。
モッズコート
モッズコートはコットンナイロン地のフード付きコートのこと。その多くが膝丈のアイテムになります。ドラマ「踊る大捜査線」シリーズの主人公青島さんが着ていたことでも有名です。
モッズコートの起源は1950年代、戦争真っ只中のアメリカ。「M-51」として知られていている、軍用パーカのことです。この「51」とは、アメリカ軍の極寒防寒衣料の51年型モデルのことを指します。フードと両脇の大型ハンドポケットが特長。生地はほとんどがオリーブグリーン色で、現在ではカジュアルファッションアイテムとして取り入れられています。
ガウンコート
出典:wear.jp
ガウンコートとはその名の通り、バス用ローブやガウン等の形をしたコートの事。レディースを中心に流行していましたが、最近ではメンズ物も多く販売されており、モードなファッションアイテムとして取り入れられています。
主に肌触りの良いウールなどを用いているので、着心地の良さは抜群。腰元に付いている紐は取り外し可能なので、紐を付けずに羽織るスタイルとしてもコーディネートすることができますよ。
冬におすすめのコート
ダウンコート
ダウジャケットは、保温性・防寒性の優れた、実用性の高いアイテムです。
メンズを中心に、街中のファッションアイテムとして一般的にも普及している「ロングダウン」の先駆けとなったのは1990年代。当時、原宿や代官山に店舗があったデプトカンパニーが発売したと言われています。ちなみにお手入れ方法はクリーニングがベスト。基本的には洗わずに着通すものであり、汚れないよう注意して着用しましょう。
チェスターコート
チェスターコートとは、襟付きシングルボタンのコートのこと。膝丈やそれよりもやや長い丈が特長です。
正式名称はチェスターフィールドコート。19世紀に、チェスターフィールド伯爵が初めて着用したことから、この名前が付けられたとされています。襟がビロードな理由は、かつてフランス革命で処刑されたルイ16世と、妃マリー・アントワネットを弔う気持ちを表したものでした。現在は礼装や普段着など関係なく着用される、ファッションアイテムです。その見た目は背広に近いため、おしゃれの苦手な男性でも取り入れやすく、非常に人気があるコートの一種になっています。
ダッフルコート
ダッフルコートはオーバーコートのひとつ。フードとループ状のボタンが特長の防寒着です。
その起源は、北欧の漁師の仕事着。第二次世界大戦時にイギリス海軍で防寒着として使用され、その余剰在庫品が戦後市場に出回ったことで一般市民へと広まりました。「ダッフル」という言葉は、メルトンウールの原産地、ベルギーのアントウェルペン近郊の都市・デュフェルに由来しているとされています。フロントはトグルと呼ばれる浮き型の留め具とループによって留められるため、ボタンとは違って手袋をしたまま服を脱着衣できるのが特長です。ダッフルコートの基礎となったイギリス海軍用の製品は、キャメル色の生地、木製トグル、麻紐のループ、帽子の上から被れる大きなフード、膝までの丈を備え、制服や隊服の一番上に着用される被服としてとてもゆったりした作りになっていました。
ピーコート
ピーコートとは、ウール素材のダブル前で腰丈のオーバーコートのこと。
19世紀末からイギリス海軍が艦上用の軍服として着用していたことがきっかけで、それ以降漁師たちの間でも愛用され始めました。特にフランスのブルターニュ地方の漁師などが着用しています。オランダ語で毛織物のコートという意味の「pij jekker」の頭文字を取ったとされており、パイロットコートとも呼ばれています。手を温めるために縦に切り込みを入れたマフ・ポケット、海軍のマークでもある碇をあしらったボタンなどが特徴です。艦橋や甲板などの厳しい気象条件で使用することから、風向により左右どちらでも上前を変えることが可能となっており、これは片方のボタンが破損しても、もう片方で止められるという機能性も考慮されています。
トレンチコート(ウール)
春用トレンチコートも、ウール素材であれば真冬向きに変わります。
今はファッションアイテムとして用いられていますが、もともと軍用コートでもあるため、今も各所に名残がある点が特長。肩にはボタン留めのエポレットが付いており、かつて水筒や双眼鏡などを吊ったり、ベルトを掛けたりしていました。また、仲間が倒れた時にこのストラップを持って引っ張ることにも役立ったとされています。腰回りに備え付けられているベルトの金具は、もともと手榴弾を吊り下げる用途の名残とされています。
N-3B
出典:stayhard.eu
N3-Bとは、ナイロン製の膝上丈のフード付きカジュアルジャケットのこと。
そもそもN3-Bとは、フライトジャケットと呼ばれる、航空機に搭乗するパイロットおよびクルーが着用するジャケットのうちのひとつ。1950年代アメリカ空軍のゾーンタイプのうち、下から2番目のタイプである「ヘビーゾーン」向けに作られたフライトジャケット「N3-A」の後継モデルです。ヘビーゾーンは-30℃~-10℃の極寒地であるため、その頑丈さが伺えます。ファッション用として愛用され始めたのは1980年代。映画やドラマの登場人物が着ていたフライトジャケットが若者の間で広まり、今に至ります。
ムートンコート
出典:zoee.shop
ムートンコートとは、表地が革、裏地が総ボアになっているコートのこと。
ムートンとはそもそも羊の毛皮のことです。非常に薄くて軽く、温かい点が特長。その独特の質感が好きな方も多いですよね。ムートンコートの起源は、寒冷地域での作業用として使われたコートが徐々に実用的に使われていったことです。その後、アメリカ空軍のフライト・ジャケットとして使用されてから、一般的にも広がり、ファッションアイテムとしても注目されるようになりました。毛皮としてはお手頃な価格や実用面でも優れています。
ランチコート
出典:zozo.jp
ランチコートはムートンコートと同じく総ボアですが、表地がスエードやコーデュロイになっている点が特長。
そもそも「ランチ」とはアメリカでいう「大牧場」のことで、牧場で働くカウボーイたちが着ていた防寒用コートをいいます。もとは毛を付けたままの羊の一枚革(ムートン)を裏返しにして着ていたことから、シアリング・コートとも呼ばれていました。現在では、表地部分にスエードやコーデュロイを貼っている物が多いので、アメリカ西部のウエスタン・スタイルを思わせる、カジュアルファッションアイテムとして用いられています。
これで貴方もおしゃれ上級者!
気になるアイテムはありましたか?流行によって年々さまざまな形のコートが生み出されていきます。形や素材など、名前の種類は無限大。その中でも流行り廃りの無いおすすめの15種類を集めました。
コートはアウターなので、第一印象にも繋がるアイテム。個性の出る場所であり、休日のお洒落はコートで決まるといっても過言ではありません。ご自身の身体の形や雰囲気にあったお気に入りのアイテムを是非見つけてみてください。
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この記事のライター
経営学を学びながら、シャツ屋でアルバイトをしています。スーツ・シャツ・ネクタイ・革靴などに興味をもって、フォーマルブランドからカジュアルブランドまで、日々多くのものに触れながらセンス磨き中。