男の美学を学ぶならこの映画を!おすすめ西部劇15選

保安官やカウボーイの活躍、銃撃戦や決闘・・・西部劇は男性なら誰でも心踊る映画のジャンルなのではないでしょうか。今回は古いものから新しい作品まで、おすすめマカロニ・ウエスタン15選をご紹介します。

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“西部劇”や“マカロニ・ウエスタン”とは?

西部劇の舞台は南北戦争後の19世紀、アメリカ。フロンティアと呼ばれた未開拓地を舞台に、カウボーイや保安官たちが活躍する姿を描いた映画や小説のジャンルの1つです。アメリカの古き良き時代を描いた、アメリカ版時代劇のような作品です。

西部劇(ウエスタン)がたくさん製作されたのは、主にハリウッド黄金期の1950年代。しかし1960年代に入ると、それまで映画の中で先住民たちを悪者として描いていたことが徐々に問題視されるようになり、ハリウッドの西部劇は勢いが弱まります。そこで人気に火がついたのが、イタリアの映画界が製作した西部劇。こちらが“マカロニ・ウエスタン”と呼ばれるものなんです。マカロニ・ウエスタンは日本の映画評論家、淀川長治さんが名付けた造語。アメリカでは“スパゲッティ・ウエスタン”と呼ばれているんです。

古い作品が多い西部劇ですが、今でも根強いファンが多い傑作ばかり。今まで観たことがないという方もぜひ、様々な人間ドラマが詰め込まれた西部劇に触れてみましょう!今回は西部劇全般の中から、厳選15作品を年代順にご紹介します。

1. 壮烈第七騎兵隊 (1941)

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作品概要・あらすじ

南北戦争、西部開拓時代に実在した軍人ジョージ・アームストロング・カスターの半生をエンターテインメントとして脚色して描いた映画が『壮烈第七騎兵隊」です。
陸軍学校で成績は最低だったものの、その勇敢さはお墨付きだったカスター。南北戦争に出征した彼はその実績が認められて昇進、戦争が終わってからも“第七騎兵隊”の指令に就任します。付近のインディアンたちと平和条約を結ぶカスターですが、近くに金鉱が眠ると聞いたネッドという男がインディアンの地域に乗り込もうとしていて・・・実在の人物を扱っていますが、娯楽映画として楽しめる作品です。

西部劇を観るならこの映画から!

1941年、今から70年以上も前に制作されたこの『壮烈第七騎兵隊』。やんちゃで勇敢な青年が騎兵隊を取り仕切る軍人へと成長していく姿、そしてカスターとその妻エリザベスの恋がドラマチックに描かれています。1人1人インパクトが強いキャラクター、コミカルではつらつとした前半から、シリアスで重みあふれる後半へと勢いを増して展開されていくストーリー。140分近い長い作品ですが、観ていて全く飽きることがありません!まずは『壮烈第七騎兵隊』を観て、西部劇の世界に入りましょう。

公開 ; 1953年6月6日
監督 : ラウール・ウォルシュ
出演 : エロール・フリン、オリヴィア・デ・ハヴィランド

2. 荒野の決闘 (1946)

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作品概要・あらすじ

西部開拓時代の最も有名な決闘“OK牧場の対決”を情緒たっぷりに描いたのが、『荒野の決闘』です。
カリフォルニアに牛を運んでいたワイアット・アープと兄弟。途中でアリゾナに寄った兄弟たちは、留守番をしていた末の弟が殺され、牛も盗まれているのを目にします。クラントン一家が犯人だとにらんだワイアットはアリゾナにとどまることに。賭博師のドク・ホリデイとの友情、そして美しい女性クレメンタインとの恋。そしてもつれこむ伝説の対決・・・西部劇の古典ともいえる作品です。

詩的な美しい西部劇の傑作

このワイアット・アープやドク・ホリデイ、そして宿敵クラントン一家は実在の人物。この“OK牧場の対決”は保安官が盗みを働く悪しき一家を成敗するという、日本でいう“忠臣蔵”のような事件なのです。
この『荒野の決闘』はアクションだけでなく、どのシーンを切り取っても絵のような美しい作品です。また各キャラクターの心情や恋心も丁寧に描かれており、切ない哀愁を帯びた人間ドラマにはため息が出てしまいます。そしてラストの銃撃戦はまさに圧巻!この作品を観ずに西部劇は語れません。

公開 : 1947年8月30日
監督 ; ジョン・フォード
出演 : ヘンリー・フォンダ、リンダ・ダーネル、ヴィクター・マチュア

3. 真昼の決闘 (1952)

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作品概要・あらすじ

舞台は西部とある町、日曜日の午前のこと。保安官ウィルは新妻のエミイと結婚し、この日を境に退職して町を出ていくことになっていました。しかしそんなウィルのもとに、彼がかつて逮捕した悪党フランク・ミラーが釈放され仲間3人と共に町に向かっているとの情報が入ります。彼らはウィルに復讐するために戻ってきたのです。一度はエミイと町を離れようとしたウィルでしたが、やはり4人に立ち向かうことに決めて・・・

主人公ウィルを演じたのは映画史に名前を残す名俳優、ゲイリー・クーパー。新妻のエミイを演じるのはハリウッド女優からモナコ公国公妃となったグレース・ケリーです。グレース・ケリーのまばゆいばかりの美しさは必見です!

たった1人で立ち向かえ!保安官の戦いの行方はいかに

西部劇に登場する保安官やガンマンたちは、皆強く正義感に溢れた“理想のヒーロー”として描かれているのが特徴です。しかしこの『真昼の決闘』の保安官ウィルは、“等身大の1人の男”として描かれています。味方が現れないことに苦悩したり、自分の責任感と妻の気持ちの間で葛藤したり・・・他の西部劇と比べて派手さがなく、あっさりとした雰囲気ですが、主人公の気持ちによりそって観ることができる作品です。
またこの映画は作品の中での時間経過と上映時間がほぼ同じという、リアルタイム劇ならではのおもしろさもあります。アカデミー賞二冠を達成した西部劇の名作、ぜひご覧ください!

公開 : 1952年9月17日
監督 : フレッド・ジンネマン
出演 : ゲイリー・クーパー、グレース・ケリー

4. 大いなる西部 (1958)

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作品概要・あらすじ

主人公は東部出身の紳士、ジム・マッケイ。ジムがテキサスのとある町に、地元の有力者テリルの娘パットと結婚するためにやってくるところから物語は始まります。その町では豊かな水源地“ビッグマティ”を争って、パットの父のテリル少佐と大地主のヘネシー家が対立していました。パットに想いをよせるテリルの牧場で働くスティーヴ、ビッグマディを所有する学校教師のジュリー。様々な町の人物の思惑が入り混じる町全体の争いに、ジムも巻き込まれていくことになるのです・・・
この『大いなる西部』を手がけたのは、あの名作『ローマの休日』の監督ウィリアム・ワイラーです。

この物語が本当に意味するものとは?

銃撃戦やアクション。悪を制裁する正義感にあふれた保安官やガンマンたち。西部劇といえばそんな要素が欠かせませんが、この『大いなる西部』の主人公、ジムは保安官なわけでも凄腕ガンマンでもありません。他の映画のように派手な銃撃戦があるというわけでもありません。『大いなる西部』は西部時代に舞台をおいた群像劇なんです。

東部からやってきた1人の青年、ジムは暴力と憎悪が入り混じる町の争いにどう関わっていくのか。“大いなる”が意味するものとは一体?美しい景色と壮大な音楽が胸に焼きつく名作『大いなる西部』。長い作品ですが、一見の価値ありです。

公開 : 1958年12月25日
監督 : ウィリアム・ワイラー
出演 : グレゴリー・ペック、ジーン・シモンズ

5. リオ・ブラボー (1859)

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作品概要・あらすじ

主人公の保安官のチャンスは、ある日殺人犯の男ジョーを逮捕します。しかしその町のボスであるジョーの兄が彼を釈放するようチャンスを脅迫!チャンスの味方はアル中の保安官デュード、足の悪い老人牢屋番のスタンピー、それに美しい女賭博師のフェザードと少数だけ・・・彼らはジョーの兄率いる大勢の敵に、果たして勝つことができるのでしょうか?

歌あり、恋あり、アクションあり!痛快西部劇

セリフがいっさいない、爽快な冒頭のすべり出しではじまるこの『リオ・ブラボー』。大勢力の悪者に少人数で立ち向かうという典型的な物語ですが、その中に魅力的な要素が詰め込まれています。

チャンスの仲間たちはみんな一癖も二癖もある者ばかり。そんな“はみ出し者”たちが力を合わせて戦う姿に、どんどん引き込まれてしまうはず!ドキドキする敵との交渉シーンや、チャンスとフェザードの恋の行方・・・そして劇中で流れる『皆殺しの歌』も耳に残ること間違いありません。痛快ウエスタン『リオ・ブラボー』、とにかく楽しい作品が観たい!という時におすすめです。

公開 : 1959年4月22日
監督 : ハワード・ホークス
出演 : ジョン・ウェイン、ディーン・マーティン

6. 荒野の用心棒 (1965)

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作品概要・あらすじ

舞台はアメリカとメキシコの国境近くにある小さな町。この町ではロホ兄弟とバクスター保安官一派の2つの勢力が反目し合い、戦いも日常茶飯事でした。そこに現れたのは流れ者の凄腕ガンマン、ジョー。ジョーはバクスター保安官の手下を殺したことによりロホ兄弟の元に身をよせるのですが、町の住人たちから煙たがられる2大勢力を滅ぼそうと考えて・・・

西部劇を観たことがなくとも、この作品の名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。ガンマン、ジョーを演じるのは監督、俳優として現役で活躍し続けているクリント・イーストウッド。黒澤明監督の『用心棒』を勝手にリメイクしたことで問題にもなりましたが、高い人気を誇るマカロニ・ウエスタン作品の1つです。

とにかく渋い!ダークヒーローが大活躍!

いきなりとある町にやってきた、流れ者の凄腕ガンマン。その設定だけで十分に心惹かれてしまいますよね。『荒野の用心棒』は西部劇作品の中でもとくに、男の“渋い格好よさ”がにじみ出ている作品です。
テンガロンハットにポンチョというファッション、無口でクールの一匹狼、しかし女性と子供には優しい男。若きクリント・イーストウッド演じるジョーの早撃ちシーンには思わずしびれてしまうはず!町を救うために死闘を繰り広げるダークヒーローを描いた『荒野の用心棒』。クリント・イーストウッドはこの映画で、知名度が急上昇したのだそうです。

公開 : 1965年12月25日
監督 : セルジオ・レオーネ
出演 : クリント・イーストウッド、ジャン・マリア・ヴェロンテ

7. 夕陽のガンマン (1965)

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作品概要・あらすじ

主人公は2人の賞金稼ぎです。1人は“名無しの男”。もう1人は“黒づくめの男”と呼ばれるダグラス・モーティマー大佐。そんな2人が麻薬中毒のギャング、エル・インディオの首にかけられた賞金を狙うことに!2人の凄腕のガンマンが時に協力しあい、時には騙しあいながらギャングの首を狙う姿を描いたマカロニ・ウエスタンです。
“名無しの男”を演じるのは、『荒野の用心棒』に続いて主演を務めたクリント・イーストウッド。“黒づくめの男”を演じたリー・ヴァン・クリーフは、先ほどご紹介した『真昼の決闘』にも出演しています。

敵?仕事仲間?男同士の魅力的な関係

同じギャングを狙う2人のガンマン。“名無しの男”とモーティマー大佐はとても不思議な関係です。ライバルでもあり、時にはエル・インディオの首をとるために協力し、余計な干渉をすることはせず、でもお互いを認め合っている。単なる仕事仲間とも、奇妙な友情ともいえるその不思議な関係が大変魅力的です。2人の間を流れる絶妙な緊張感から、一瞬たりとも目を離すことができません!
いったいどちらが賞金を手にすることになるのか?西部劇をあまり観たことがなくとも楽しめる作品です。

公開 : 1967年1月27日
監督 : セルジオ・レオーネ
出演 : クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ

8. 怒りの荒野 (1967)

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作品概要・あらすじ

主人公、スコットは娼婦の子ということから蔑まれ、孤独な毎日を送っていました。そんなある日町に凄腕のガンマン、タルビーが現れます。ガンマンに憧れていたスコットはタルビーを追いかけ、彼の弟子にしてもらいます。しかしタルビーが過去の裏切り者たちに下す非情な制裁の方法に、スコットは次第に疑問を持つように。そしてスコットの恩人で元保安官のマーフをタルビーが射殺したことをきっかけに、スコットはタルビーと戦うことを決意するのです。
イタリアの名映画監督トニーノ・ヴァレリが手がける、マカロニ・ウエスタンの傑作です。

“ガンマン十ヶ条の心得”

孤独な青年が師匠と出会い、立派なガンマンへと成長し、そして師と決別する・・・若く熱い青年ガンマンのスコットと、徐々に非情な行動に走りつつも渋さが光るスコット。少年漫画のような王道なストーリーですが、魅力的なキャラクターや派手な音楽と演出が、作品をいっそう盛り上げています。
『キル・ビル』や『パルプ・フィクション』で有名なクエンティン・タランティーノ監督は、この作品にオマージュを捧げて『ジャンゴ 繋がれざる者』を製作したのだとか。『怒りの荒野』を観る時は、冒頭で語られる“ガンマン十ヶ条の心得”をよく心に留めてラストまで注目してくださいね!

公開 : 1968年3月8日
監督 : トニーノ・ヴァレリ
出演 : リー・ヴァン・クリーフ、ジュリアン・ジェンマ

9. 群盗荒野を裂く (1968)

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作品概要・あらすじ

舞台は1910年代、メキシコ革命の真っ只中。主人公エル・チュンチョは革命軍を支持する山賊団。ある日彼らは政府の護送列車を襲い、武器を革命軍に売ろうとしていました。列車の襲撃をする時、エル・チュンチョ率いる山賊団はアメリカ人青年のビルと出会います。冒険を求めてメキシコにやってきたというビルを交えて一行は旅をすることに。革命軍の元までたどり着くのですが、予想もつかない展開が待っていて・・・

メキシコを舞台にしたこの作品ですが、イタリアで製作されたマカロニ・ウエスタンです。メキシコを舞台にしたイタリア映画は他にも多く、マカロニ・メキシカンと呼ばれることもあります。

考えさせられる社会派ウエスタン!

メキシコ革命を背景に描かれる『群盗荒野を裂く』。当時のメキシコの動乱やアメリカとの関係が浮き彫りになっている社会派西部劇です。もちろん派手な銃撃シーンもあり、コメディ要素もあり、仲間同士の熱い友情もあり。しかしラスト3分の衝撃に、度肝を抜かれること間違いありません!
革命、正義、金、人情・・・動乱の時代の中で様々な葛藤を抱えながら歩んでいくエル・チュンチョ。彼と山賊団、そしてアメリカ人青年のビルはいったいどこへ向かうのでしょうか?骨太なメキシカン西部劇『群盗荒野を裂く』。熱い魂を感じることのできる作品です。

公開 : 1968年1月27日
監督 : ダミアーノ・ダミアーニ
出演 : ジャン・マリア・ヴォロンテ、ルー・カステル

10. 豹 / ジャガー (1968)

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作品概要・あらすじ

主人公のガンマン、ビル(セルゲイ・コワルスキ)はその凄腕っぷりから「ジャガーのようだ」と称されていました。ある日ビルは鉱山を所有する大富豪から、銀を移送する際の護衛を頼まれることになります。しかしその間にビルの商売敵の殺し屋、エラムが割り込んでくることに。ビルは革命軍のために一仕事するのですが、そのせいで政府軍からも追われることになり・・・とにかく強い流れ者のガンマン、“ジャガー”の破天荒な活躍を描いたマカロニ・ウエスタンです。

どんな仕事も引き受ける!“ジャガー”の暴れっぷりを目撃せよ

主人公の“ジャガー”と呼ばれるビルは、金次第でどんな仕事も引き受けます。ビルが鉱山に到着した時、すでに鉱山はパコという男率いる革命軍に占拠されていました。しかし商売敵が雇い主の用心棒になったことで、ビルはパコたち革命軍の仲間になることに。ビルとパコのやりとりや、思わず真似したくなってしまうような名言の数々。たくさん登場する魅力的な銃器にも、思わずテンションがあがってしまうこと間違いなし!ハードボイルドな西部劇を観たい!という時、おすすめしたい作品です。

公開 : 劇場未公開
監督 : セルジオ・コルブッチ
出演 : フランコ・ネロ、ジャック・パランス

11. ワイルドバンチ (1969)

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作品概要・あらすじ

舞台は1913年、メキシコ革命の最中。パイクに率いられた強盗団“ワイルドパンチ”が、メキシコ政府軍の将軍マパッチからアメリカ政府の列車の襲撃を依頼されます。報酬はなんと1万ドル。見事武器の強奪に成功したパイク達でしたが、仲間の1人が反政府軍に武器を流していたことが明らかになって・・・アウトローたちの“滅びの美学”を描き、後々のアクション・バイオレンス映画に莫大な影響をもたらした伝説的な作品です。

男たちによる“滅びの美学”

この『ワイルドバンチ』の最大の見所は、スローモーションで描かれるラストの銃撃戦のシーンでしょう。“デス・バレエ”と呼ばれるそのシーンに影響された映画は数え切れません。全編にわたって激しい銃撃戦や殺戮シーンが絶えませんが、どこか情緒的で美しく描かれているのが『ワイルドバンチ』です。
流れゆく時代の中に取り残されている5人の男たち。男の美学、死の美学を感じることのできる作品です。深い哀愁、胸になんとも言えない余韻が残る『ワイルドバンチ』。見応え満点の大傑作です。

公開 : 1969年8月15日
監督 : サム・ペキンパー
出演 : ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン

12. 盲目ガンマン (1971)

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作品概要・あらすじ

主人公は“座頭市”のような盲目の凄腕ガンマン。盲目ガンマンは鉱夫のために50人の女性をつれてテキサスに向かう途中でしたが、悪党たちに美女たちを全員奪われてしまいます。盲目ガンマンは悪党一味のボスの弟を人質にとって取り返そうとするのですが・・・なんとこの映画にはビートルズのメンバー、リンゴ・スターも出演!かなり異彩を放つマカロニ・ウエスタンです。

なんでもあり!ぶっ飛び西部劇

主人公のガンマンがまず盲目という異色な設定の『盲目ガンマン』。このガンマン、座頭市のように亜圧倒的に強い・・・というわけではないんです。確かに射撃の腕はピカイチなのですが目が見えないことを利用されて騙されたりリンチされたり、最終的にはダイナマイトを持ち出したりとつっこみ所が満載。また美女たちが砂漠を逃げまどったり水をかけられたりと、ぶっ飛んだお色気シーンもてんこ盛りです。リンゴ・スターも盲目ガンマンに誘拐されるへっぽこな役。なんでもありなB級マカロニ・ウエスタン『盲目ガンマン』!娯楽映画としてぞんぶんに楽しめる作品です。

公開 : 劇場未公開
監督 : フェルディナンド・バルディ
出演 : トニー・アンソニー、リンゴ・スター、アグネタ・エクミール

13. レッド・サン (1971)

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作品概要・あらすじ

なんとアメリカ、フランス、そして日本を代表するスターが共演した西部劇が存在するんです!それがこの映画『レッド・サン』です。
強盗のリンクと相棒のゴーシュが郵送電車を襲い、金貨を奪うところから物語は始まります。実はこの電車には、日米修好のために日本からアメリカに送る“宝剣”を届ける任務を背負った日本国大使一行乗っていました。リンクを裏切って宝剣を盗み出すゴーシュ。宝剣を取り返そうとする護衛の重兵衛、ゴーシュへの復讐を誓うリンク・・・日本刀をめぐる戦いは、いったいどこに行き着くのでしょうか?

豪華スター共演!異色の西部劇

リンクを演じるのは『大脱走』や『荒野の七人』に出演するアメリカの俳優、チャールズ・ブロンソン。宝剣の奪還を試みる日本の武士、重兵衛を演じるのは黒澤映画やハリウッド映画にも数多く出演、日本のみならず世界中の映画人から評価された大スター三船敏郎。そしてゴーシュを演じるのはフランスの俳優アラン・ドロンです!信じられないくらい豪華スターによる共演が実現しているんです。

リンクと重兵衛の間に芽生えていく奇妙な友情や、アラン・ドロン演じるゴーシュの悪役っぷり。スター3人が彩る異色の西部劇を、ぜひお楽しみください。

公開 : 1971年11月26日
監督 : テレンス・ヤング
出演 : チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、三船敏郎

14. ヤングガン (1988)

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作品概要・あらすじ

舞台は1878年、アメリカのリンカーン郡。その地方ではイギリス人牧場主のタンストールと有力者、マーフィーが対立していました。そんなある日、タンストールは大勢から追われている1人の青年を救います。彼の名前はウィリアム・H・ボニー。タンストールの牧場に身をおくことになったウィリアムは、タンストールの自警団“ヤングガン”の仲間5人と友情を育むようになります。しかしタンストールが宿敵マーフィーの策略によって殺されてしまって・・・ウィリアムたち、ヤングガン6人は復讐を決意するのでした。

この『ヤングガン』にはテレビドラマ『24』でおなじみのキーファー・サザーランドやチャーリー・シーンなど、今も現役で活躍している俳優が出演しています。タンストールを演じるのは『スター・ウォーズ』のヴァローラム最高議長役で有名なテレンス・スタンプです。

伝説のアウトローの戦いを描いた物語

若きアウトロー、ウィリアム・H・ボニー。彼はのちに“ビリー・ザ・キッド”と呼ばれるようになります。このビリー・ザ・キッドは12歳でアウトローとなり、10代のうちに21人もの人を殺し、そして21歳という若さで亡くなった伝説の男なのです。そんなビリー・ザ・キッドの名が一躍有名になった“リンカーン郡の戦い”を描いたのがこの『ヤングガン』です。

伝説のアウトローの戦いを歴史に忠実に、また仲間のアウトローたちとの心の交流を丁寧に描いた群像劇。きっと観たらビリー・ザ・キッドの虜になってしまうこと、間違いありません!

公開 : 1988年11月12日
監督 : クリストファー・ケイン
出演 : エミリオ・エステベス、チャーリー・シーン、キーファー・サザーランド

15. 許されざる者 (1992)

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作品概要・あらすじ

最後にご紹介するのは、クリント・イーストウッドが自ら師とあおぐドン・シーゲルとセルジオ・レオーネに捧げて制作した『許されざる者』です。この映画をクリント・イーストウッドは「最後の西部劇」と語っています。
かつてはその名を轟かせたアウトロー、ウィリアム・マニー。悪事からは足を洗い、幼い子供とともにひっそりとした生活を送っていました。ある日そんな彼のもとに若いガンマン、キッドが現れて賞金稼ぎをもちかけます。ウィリアム、キッド、ウィリアムの昔の相棒ネッドは追跡に出発するのですが・・・

正義とは?命とは?“美学”がつまった最後の西部劇

この映画で描かれているのは、“人間の生き様”。復讐心や誰かを憎む心が、また別の憎悪を引き起こすものなのか。誰でも罪を抱えているものなのか。そして人はずっとその罪を背負っていくものなのか・・・そんな人生の本質的なテーマが、濃密に描かれています。重くずっしりとした雰囲気がただよっていますが、すっきりとした構成や巧妙なカメラワークによってとても観やすい作品となっています。

アカデミー賞作品賞、監督賞、助演男優賞、編集賞など。数々の賞を総なめにした西部劇の集大成ともいえるこの『許されざる者』。名優たちの共演や渋く男らしい格好よさにあふれた作品、ぜひゆっくりとご覧ください!

公開 : 1993年4月24日
監督 : クリント・イーストウッド
出演 : クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマン、ジーン・ハックマン

近年では『マグニフィセント・セブン』も!

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いかがでしたでしょうか。アクションを楽しむだけでなく、友情や恋愛など厚い人間ドラマを観ることができる西部劇。近年では黒澤明監督の『七人の侍』を基にした『荒野の七人』のリメイク作品、『アグニフィセント・セブン』も大きな話題になっていましたよね!ぜひこの機会に古い傑作西部劇の数々にも触れてみてはいかがですか?きっと観ているうちにカウボーイのファッションやガンマン達のピストルなど、お気に入りのポイントが増えていくかも・・・

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Moeka Kotaki

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