証券マン直伝!日経新聞の読み方
大学生からビジネスマン、企業経営者に至るまでみんなの共通の話題「日経新聞」。でもなんだか難しくて読めない、という人のためにどうやって読むべきか。経済初心者から中級者向けの読み方をご紹介します。
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ビジネスマン同士の会話に日経新聞は絶対必要
取引先や上司、同僚との会話の中で最新の経済動向や企業情報を織り交ぜながら話すことは、アンテナの高いビジネスマンには常識です。しかし、日経新聞の文字数は新書二冊分とも言われており、読み方を工夫する必要があります。手元に今日の朝刊をひとつ用意して、一歩踏み込んだ読み方を学んで、クールなビジネスマンを目指しましょう。
見出し→リード→本文
まず最初のページからパラパラと見出しを追っていきます。自分に関係がありそうな記事があれば、その次の段のリードや図、チャートなどを見ていきます。概要が理解できたり、興味がない記事であれば、また次の見出しを追う作業に戻ります。全文しっかり読むことは、分量的に難しいので、取捨選択が大事です。
ちなみに、重要そうな記事は奇数ページの左側にあることが多いです。新聞を縦に折って読む「電車読みスタイル」に対応しているのでしょう。
点から線、線から面で読む
ひとつひとつの記事はニュースの点でしかありません。記事が頭に入ってこないという人は、その記事で話を完結させてしまいがちです。
しかし、同じテーマのニュースは連日出てくるものです。(ex:ギリシャのデフォルト懸念)それを毎日追うことで、ニュースの線が見えてきます。(ex:ギリシャの債務残高、国債の償還期限→それの政治対応)さらに、それに波及するニュースを同時に追うことで、そのテーマの理解度が一気に上がるでしょう。(ex:デフォルト懸念によるユーロの為替レートの変遷。ユーロ安による恩恵受ける企業とは)
最初は理解ができなくても、継続して読んでいくことで、あるタイミングで一気に理解が進む瞬間が来るはずです。証券会社では、新聞をスクラップしたり、ニュースについてディスカッションやプレゼンさせたりして、トレーニングをさせられます。時間のある方はやってみたらいかがでしょうか。
ここは読むべき!というポイント
WORLD MARKETS
一面を開いたときに「WORLD MARKETS」という欄があります。ここにある6つの指標は必ずチェックしておきましょう。
・「日経平均株価」とは日本を代表する225社を対象として平均株価を算出したもので、一番メジャーな株式指標です。日経225と称されたりもします。それに対し米国を代表する30社を対象として平均株価を算出したものが「NYダウ」です。
・「円・ドル」、「円・ユーロ」は代表的通貨の為替です。FXなどをやっている人はユーロ/ドルも手掛けたりしますが、割り算をすれば、それも概算値が分かります。
・「ドバイ原油」は1バレルあたりの原油価格です。仮に原油50ドル/バレル、為替123円/ドルとすると、1バレルは約160Lなので、原油1L=約38円になります。身近なガソリン価格と比較すると面白いですね。
・「長期金利」とは日本の10年国債利回りです。投資の世界は超々簡単に言うと、株型投資(インフレ対応)と債券型投資(デフレ対応)の2つしかありません。株型投資の代表的な指数が日経平均株価、債券型投資の代表的指数がこの「長期金利」になります。金利と債券価格は反比例しており、金利が低くなればなるほど、国債の値段は高くなり、日本国債が買われているということになります。普通預金や保険の金利などもここから算出されますし、株式マーケットよりも国債マーケットの方が何倍も巨大な市場なので、チェックしておくと一歩進んだビジネスマンになれるでしょう。
私の履歴書
最後のページには「私の履歴書」という月替わりのコラムがあります。様々な経営者や著名人が一月かけて半生を綴っていきます。直近ではニトリ社長の似鳥昭雄氏の破天荒な人生が面白い!と話題になっていました。このコラムには根強いファンが多いのも有名で、年配の上司や取引先の人はチェックしている率が結構高い印象です。
日経ヴェリタス
どうしても平日日経新聞が読めない、という方は毎週日曜日に発行される「日経ヴェリタス」があります。一週間の出来事と来週のイベント、最近話題のトピックなどが深堀りされていたりと、日曜日にゆっくりと読むには最適です
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この記事のライター
中の人①神奈川県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、国内最大手証券会社に入社。個人富裕層・法人向けに資産運用コンサルティングを行う。その後、特定の金融機関に属さない独立系フィナンシャル・アドバイザー(IFA)の存在を知り、IFAとして独立。正しい金融知識と資産運用法を顧客に広めることを目標に活動中。大学や小学校で起業家教育やキャリア教育の授業も行っている。②京都府出身。国内大手証券会社勤務の後、英国マンチェスター大学ビジネススクールへ留学し経営マネジメントを学ぶ。帰国後に独立系フィナンシャル・アドバイザー(IFA)として独立。過去に世界200都市を回り、現在は金融都市スイスを行き来しながら世界一裕福な国で学んだ知識を日本に還元する活動もしている。新しい金融の切り口をお届けします。③愛知県出身。国内最大手証券に勤務後、独立系フィナンシャル・アドバイザー(IFA)になる。富裕層に対し、株や投資信託を活用した資産運用の提案を行う傍ら、若い世代に対する金融教育の必要性を感じており、ふるさと納税セミナーや積立投資セミナーを開催している。