元金融マンが薦める!これから投資を始める人が読んでおくべき本6冊
これから投資を始める人が読んでおくべき本をご紹介します。株式投資やFX投資、不動産投資などといった資産運用を考える人だけでなく、保険には入るべきか、家は買うべきかなどお金について考えるすべての人に読んでいただきたい名著ばかりです。投資初心者向けのおすすめの入門書から少し難しい専門的な本までご紹介します。
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30歳前後なら最低限のファイナンシャルリテラシーは必須
社会人になると、お金の面からも将来のことを考えるようになります。
保険に入るべきかどうか、家を買うべきかどうか悩んだり。大きな買い物をしてローンを組んだり、日々の生活の中でカードローンやキャッシングサービスを利用したり。
一方で、投資・資産運用といったことも考えるようになる頃でしょう。
今回は、そんな「お金」についての基本的な知識を得られる基本書から、これから投資・資産運用を始める人が読んでおくべき入門書・専門書まで、厳選した6冊をご紹介します。
どの本も金融機関の人間が太鼓判を押す名著ばかりです。金融機関に勤める若手の方にも読んでおいてほしい本です。
最初に読みたい入門書(2冊)
お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方2015 知的人生設計のすすめ(橘玲)
2002年にベストセラーとなった本の全面改訂版です。
資産運用だけでなく、不動産は持つべきかどうか、保険には入るべきかどうかといったお金についての基本的な考え方を非常に中立的・客観的な視点で書かれているファイナンスに関する良著・基本書と言えるでしょう。
著者の橘玲は、経済小説作家でもあり、彼の小説も読み物として非常に面白く、おすすめです。
なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方(藤沢数希)
元外資系投資銀行マンであり、『金融日記』でも有名な著名ブロガー藤沢数希による投資・資産運用に関する入門書。
こちらも上記『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』と同じく、お金についての考え方を非常に論理的かつ分かりやすく説明しています。
また、著者特有のシニカルかつユーモアたっぷりな表現も読んでいて痛快です。
株式投資における名著(3冊)
ウォール街のランダム・ウォーカー(バートン・マルキール )
過去のバブルの歴史から、市場で使われている多くの理論までを解説しながら投資についての方法論を書いた本。現在長期投資の主流の考え方の一つである「インデックス運用」の正当性を、インデックスファンドがまだ存在していなかった1973年に著者のバートン・G・マルキールが本書で主張。本書によってインデックス投資というのが知られるようになりました。
投資スタイルには、本書が主張する「インデックス投資」の他には、この後ご紹介する「ファンダメンタル投資」「テクニカル投資」が主流ですが、筆者個人的の考え方は本書が一番近く、入門書でご紹介した2冊も本書よりの考え方を示していると言えるのではないかと思っています。
賢明なる投資家(ベンジャミン・グレアム)
本書の著者であるベンジャミン・グレアムはアメリカの経済学者で、「バリュー投資の父」と呼ばれています。世界的な大富豪であり、投資家として世界で最も有名な人物の一人でもあるウォーレン・バフェットが師と仰ぐ人物としても有名です。
グレアムは短期的な値動きで利益を取りに行くスタイルを「投機」であると批判し、企業の本質的価値を分析した上で、市場で割安となっている株に投資する「バリュー投資」というスタイルを主張します。
長期投資の知識を身につけるための代表的な名著であると言えるでしょう。
『賢明なる投資家』を読んで興味が深まったなら、同じくベンジャミン・グレアムの『証券分析』に挑戦してみてはいかがでしょうか。かなり分厚い本ですが、バリュー投資についての知識はこの一冊を読めば十分であると言えるほどの名著です。
先物市場のテクニカル分析(ジョン J.マーフィー)
インデックス投資、ファンダメンタル投資(バリュー投資)と来たら、残る手法はテクニカル投資です。
本書はテクニカル分析における基本的な理論からトレンドや移動平均線の見方、エリオット波動理論、フィボナッチ分析など、ほぼすべてのテクニカル分析に必要な知識を網羅しています。
初心者にとってはかなり難しい内容かもしれませんが、テクニカル分析の古典的名著と言えるので、この一冊を繰り返し読めば他のテクニカル分析の本は必要ないでしょう。
タイトルの通り、先物市場をベースに理論は展開されますが、先物市場に限らず、株式市場やFX投資などでもテクニカル分析・チャート分析の理論は同じなので、問題なく応用できます。
不確実性とリスクを考える名著(1冊)
ブラック・スワン(ナシーム・ニコラス・タレブ)
かつてはウォール街のデリバティブトレーダーとしても活躍し、大学教授・作家として著名なナシーム・ニコラス・タレブの代表的著作が本書。
「七面鳥に肉屋が1000日にわたって餌をやれば、アナリストらは統計に基づき、肉屋が七面鳥を大事にしているという確信を日を追って強める」が、「この餌やりが感謝祭の2、3日前まで続いたところで、七面鳥には実に気の毒な日がやってくる」という例を出しながら、分かりやすく言うと「結局のところ未来は何が起こるか誰にも分からない」ということを主張します。本書は、そんな「何が起こるか分からない」不確実性とリスク溢れる世界の中で、どのような行動をとるべきかを述べています。
不確実性とリスクに向き合わなければならない投資をするにあたっては、読んでおくべき必読書のひとつと言えるでしょう。
なお、本書はAmazonの創業者であるジェフ・ベゾズも自身の「読書リスト」の一冊として挙げています。
最低限の勉強をしてから投資を始めよう
今回ご紹介した本は、これから投資を始める人にとっては入門書となるものから、少し難しめな歴史的な名著まであります。専門的な名著は、金融機関に勤めている若手の方にも読んでおいてほしい本です。少し難解で専門的な本でも、繰り返し読むことによって深い知識を得られるでしょう。
また、投資は考えていないという方でも、最初の入門書の2冊は基本的なファイナンシャルリテラシーを身につける上でも是非読んでおいてほしい本です。
投資は実際にやってみないと分からないという話もあり、その通りの部分も多いですが、最低限の知識を身につけてから投資・資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。
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この記事のライター
慶應義塾大学→大手金融機関→会社経営。美味しいお店の予約を取ることに一日の大半を使う自称美食家。グルメに強いこだわりを持っていますが、周りからはグルメぶっている味の分からない男といじられることも。